流線形シンドローム―速度と身体の大衆文化誌

こういう切り口があったか。みごとな文化論。 流線形、streamline。今でこそ何気なくつかっているこの言葉の誕生と流行を追っている。副題にあるように、もともとは「速度」に関連した物理用語であったものが、身体性を持ち、政治的な力さえ持つようになった。 嚆矢と 続き …

学校裏サイト―ケータイ無法地帯から子どもを救う方法

ある調査によると、SNSなどのコミュニティサイトを利用したことのない保護者が3割という。しかし、出会い系はもちろん、学校裏サイトにしても、今問題になっているケータイサイトの多くは、コミュニティ系だ。保護者と子どもの間には、ネット利用においておおきな断絶がある。 続き …

テレビ番組事始―創生期のテレビ番組25年史

副題にあるように、テレビ放送が始まってからの25年間に放送された番組をたどった記録。同時代を生きた著者が、現場の様子を丹念に伝えている。 ひとつひとつの番組の裏舞台で行われていた苦労や、有名番組の思わぬ誕生秘話、配役の移り変わりなど、関係者へのインタビューも交 続き …

今、地方で何が起こっているか―崩壊と再生の現場から

朝日新聞紙上での連載をもとにまとめた書籍。 いま、地域を語るときに典型的に語られる二つの町がある。 夕張市と上勝町だ。「崩壊の現場」としての夕張市と、「再生の現場」としての上勝町。 この書籍もまた、ふたつの自治体をつないで語られる。 まずは全体像を振り返ってお 続き …

構造化するウェブ―ウェブの理想型を実現する技術とは

技術の背後には思想がある。岡嶋さんはそこに立脚している。個々の技術について解説する書籍は多くある。それら技術が実現する社会について論じた書籍もある。 しかし、それらの間をつなぐ形で描かれる書籍は少ない。一読をお薦めしたい。 副題で触れられている「ウェブの理想型 続き …

笑いの現場―ひょうきん族前夜からM-1まで

この本を手にとってみようと思ったのは、舞台『悩み多き者よ』を見たからだった。ラサール石井さんプロデュースのその公演は、たまたま人間ドックで同席した中年男3人が、互いが同級生(同い年)だと知ったことから交友を深める様子を描く。 理屈屋がいて、愛人を持つ人がいて、 続き …

イスラームの人間観・世界観―宗教思想の深淵へ

文明の対立、あるいは文明の衝突といわれる。最近では文明の対話とも。端的にはそれは、キリスト文明とイスラム文明の対立、あるいは対話を意味している。 分かりやすい構図だ。キリスト文明とイスラム文明は違う。宗教思想が違う。だから対立する。対話しなくてはいけない。 た 続き …

明日の広告―変化した消費者とコミュニケーションする方法

もう10年以上前だったろうか、一緒にセールス・プロモーション関連の仕事をしていた友人たちと、「広告って、恋文だよねぇ」なんて言っていた。 ひとりの後輩が、なにかの講演会で、プロモーション手法を恋の手ほどきに例えて説明し、それを評してもうひとりの後輩が、「あれ、 続き …

暴走する「世間」―世間のオキテを解析する

おもしろい。非常に刺激的。 世間学については、以前にも『世間学への招待』などで触れて、その着想を新鮮に感じていた。こちらも入門書としておもしろく、お薦めだ。 それで。 ぼく自身は「世間」が日本を読み解くために有効な枠組みであると感じる一方で、現代においてそれは 続き …

親密性の社会学―縮小する家族のゆくえ

介護の社会化が進められている。 それはたとえば、介護保険制度を導入し、介護士などによるケアができる体制を整えることを意味している。つまり社会化とは、介護や育児といった、これまでは家庭内で担われてきた役割を家族から切り離し、社会としてめんどうをみようということだ 続き …