20世紀ファッションの文化史―時代をつくった10人

楽しく、かつ刺激的な一冊。 ファッション業界に限らず、およそクリエイティブに関わっている人であれば、インスパイアされる箇所が多いことだろう。 あるものごとの歴史を取り上げるにあたって、人に焦点をあてるアプローチがある。このコーナーでとりあげてきた本の中でなら、 続き …

第三の消費文化論―モダンでもポストモダンでもなく

ポストモダン消費論、というのがあった。 1980年代から盛んに言われるようになった。当時日本でもブームになった記号論など、ポストモダン思想の見方を用いて消費を分析する見方だ。 間々田さんは、ポストモダン的文化の内容について、その特徴を次の3点にまとめている。 続き …

流線形シンドローム―速度と身体の大衆文化誌

こういう切り口があったか。みごとな文化論。 流線形、streamline。今でこそ何気なくつかっているこの言葉の誕生と流行を追っている。副題にあるように、もともとは「速度」に関連した物理用語であったものが、身体性を持ち、政治的な力さえ持つようになった。 嚆矢と 続き …

明日の広告―変化した消費者とコミュニケーションする方法

もう10年以上前だったろうか、一緒にセールス・プロモーション関連の仕事をしていた友人たちと、「広告って、恋文だよねぇ」なんて言っていた。 ひとりの後輩が、なにかの講演会で、プロモーション手法を恋の手ほどきに例えて説明し、それを評してもうひとりの後輩が、「あれ、 続き …

普通の家族がいちばん怖い―徹底調査!破滅する日本の食卓

徹底調査。223世帯に対して、自分の家のおせち料理とクリスマス料理をレポートしてもらう、しかも嘘をつけないように、写真とともに。 そこから見えたのは「破滅する日本の食卓」だと、岩村暢子さんは言う。 着眼点の良い調査だ。どちらも家族で過ごすものという通念があるふ 続き …