今、地方で何が起こっているか―崩壊と再生の現場から

朝日新聞紙上での連載をもとにまとめた書籍。 いま、地域を語るときに典型的に語られる二つの町がある。 夕張市と上勝町だ。「崩壊の現場」としての夕張市と、「再生の現場」としての上勝町。 この書籍もまた、ふたつの自治体をつないで語られる。 まずは全体像を振り返ってお 続き …

地域切り捨て―生きていけない現実

力作。 学術的な冷静な視点と、ジャーナリストによる現場の熱い空気が、よい混合をみせている。地域問題を考える人は必読。ここには、数多くの「生きていけない現実」がある。 現実に押しつぶされるような感覚というのは、こういう感覚を言うのだろうか。 しかし本書は、その現 続き …

地域再生システム論―「現場からの政策決定」時代へ

現場からの政策決定。 本書では、端的にはそれは「構造特区制度」を意味している。 地域の主体から提案を受けつけ、それらは「価値がある」ものという前提に立ち、できない理由ではなく実現する方法を探るという基本で行われ、審査情報も公開していく。 その特区制度の特徴や、 続き …

地域づくりの新潮流―スローシティ/アグリツーリズモ/ネットワーク

副題に並ぶ3つのキーワード。いずれも気になるテーマである。 まずはおさらいしておこう。スローシティ。この母体はご存知「スローフード運動」だ。スローフード運動は、1986年にマクドナルドがローマのスペイン広場に進出するという計画を聞いたイタリアのジャーナリスト、 続き …

地域主権型道州制―日本の新しい「国のかたち」

まちおこしをやっていると、ときどき無力感にとらわれることがある。なるほど、観光収入を増やしたり、農産物のオンライン販売をしたりと、一定の効果を生む事業はあるだろう。成功している地域も少なくない。しかし、それが持続的なまちおこしにつながるのか。結局、大きなところ 続き …

新「地域」ブランド戦略―合併後の市町村の取り組み

ほんの数年前まで全国に3200あった市町村の数は、2007年4月に1800あまりになった。2005年から2006年にかけて相次いだ市町村合併。いわゆる平成の大合併によるもの。 その背景には、地方交付税の取り扱いの変更による、財政的危機を乗り切ろうとする論理があ 続き …

「元気村」はこう創る―実践・地域情報化戦略

これが本題になっていてもおかしくない。そういう副題である。 むしろ普通なら「実践・地域情報化戦略―「元気村」はこう創る」ではないか。この、あえて副題的な一文をタイトルにした姿勢に、本書のネライを深読みすることができるかもしれない。 そこに読み取れるのは、熱い思 続き …