共同体の基礎理論―自然と人間の基層から―
近代化のなかで「共同体」は解体すべき対象であったという、「まえがき」でも述べられている視座が、本書の確かな土台となっている。 その「共同体」が今、あらためて未来へ向けた可能性として期待されている。この期待を語るとき、ぼくたちは安易に「人間関係(縁)」「思いやり 続き …
丹波市議会議員/雑文家
近代化のなかで「共同体」は解体すべき対象であったという、「まえがき」でも述べられている視座が、本書の確かな土台となっている。 その「共同体」が今、あらためて未来へ向けた可能性として期待されている。この期待を語るとき、ぼくたちは安易に「人間関係(縁)」「思いやり 続き …
おもしろい。非常に刺激的。 世間学については、以前にも『世間学への招待』などで触れて、その着想を新鮮に感じていた。こちらも入門書としておもしろく、お薦めだ。 それで。 ぼく自身は「世間」が日本を読み解くために有効な枠組みであると感じる一方で、現代においてそれは 続き …
副題には、消費社会によって市民社会が奪われてしまったという含意がある。その思いが今の自分にすごくフィットしていたのが、本書を手にした理由。 市民社会、それは「あなたと私」の相互関係を調整する空間。国家でも市場でもない「第三の領域」だと、バーバーはいう。 彼は市 続き …
なんというのだろう、愛すべき本だ。いいよぉって、薦めたくなるような。 9つのアメリカの都市、そこにおけるコミュニティが紹介されている。どのレポートからも、アメリカの大気と人々の息遣いが感じられる。「物語」を重視して選んだという渡辺靖さんの視点のゆえだろう。 国 続き …
鈴木正仁さんは、現代の日本社会を、高度成長期の「農村型社会から都市型社会へ」から、バブル期までの「都市型社会から高度都市型社会へ」を経て、現代に続く「格差型社会へ」という流れにあるととらえている。 その上で、社会現象を「意味性」と「社会性」を備えた人間行為の集 続き …