適正な議員定数を考える

 今年の6月から、丹波市議会に「議員定数・報酬等調査特別委員会」が設置されました。

 丹波市議会の議員定数は、平成22年度に24名から20名に削減されました。
 以降、現在までの状況変化(たとえば国勢調査人口は平成22年当時の67,757人から令和2年61,511人と約1割減です)を踏まえ、議員定数に関する現時点での丹波市議会としての考え方を明らかにすることを趣旨としています。

 一方の議員報酬については、令和元年度の丹波市特別報酬等審議会の答申に基づき令和2年4月に改定したところです。しかし定数調査を行うのに合わせて、市議会として期末手当や費用弁償、政務活動費等もあわせて調査研究を行うこととしました。

 今後のスケジュールですが、この11月に市民の皆様との意見交換会でグループを設けて意見を伺い、その後参考人の意見を聞いたり、必要ならアンケートや市民フォーラムを開催するなどを通して広く意見を聴取し、来年9月には結論を出す計画です。

 ぜひ意見交換会に参加いただき、ご意見をうかがえないでしょうか? 参加方法については、「市民との意見交換会」をご覧ください。

全国に市議会議員は何人いる?

 全国的に見た定数や報酬の状況はどうなっているでしょうか?

 全国市議会議長会が定期的に調査を行っていますので、「市議会議員定数・報酬に関する調査結果」を参照しましょう。

 定数については、平成の大合併という事情も大きいですが、減り続けています。
 全国815市区議会議員の令和2年における定数は合計1万9,056人、前年比43人減。定数を減らしたのは19市で、増やした市はありません。
 人口5~10万人未満の250市の平均定数は20.6人です。

 一方で報酬については、市の規模で大きな違いがありますが、5~10万人未満の議会の平均議員報酬は39.3万円となっています。昨年はコロナの影響を踏まえて減らしているところも少なくありません。

論点整理から始めた特別委員会での議論

 今回、委員会を進めるにあたって(委員長を仰せつかっています)、まずは論点を整理し、論点ごとに意見を整理しました。

 市民との意見交換会では、この論点整理をふまえて皆様からの話を伺いたいと考えています。
 委員会での議論をまとめた論点整理表が、上述の丹波市議会「市民との意見交換会」のページからダウンロードできますので、ご覧ください。

 今回はその中から議員定数についての考え方を整理してご紹介します。

 紹介するにあたっては、自分なりの補足を加えています。委員長としての意見ではなく個人の意見なので念のため申し添えておきます。
 また、上記の論点整理表に書かれていない部分については委員会の見解でないこともご留意しつつお読みください。

定数を考えるにあたっての論点は何か

 では、定数を考えるにあたって配慮しなくてはならない論点は何か。

 ひとつには「人口」です。住民代表である以上、まずどのくらいの住民を代表しているかということが問われます。
 1議員あたりの人口が多いと民意が反映しづらいのではないかという指摘があります。直接民主主義を理想と考えるなら、間接民主主義において住民あたりの議員数が少なくなるほど、その理想から離れるということにはなります。

 一方で、特に国会議員の定数で思うのですが、人口ばかりだと過疎化が進む地方が軽視される心配をします。衆院議員は仕方ないとしても、せめて参院議員はそうした配慮ができるように憲法改正すれば良いのにと感じたり。
 ここにあるのは「面積」も考慮すべきという論点です。国土の保全や防災、森林環境ということを考えたとき、土地の広がりも政治の対象ですから、面積を考慮することはあながち無茶な論点では無いように思います。

 単純な面積ではなく、もう少し行政区域あるいは生活圏としてくくった場合はどうでしょうか。地域の住民の暮らしは、自治会や小学校区のように、一定のつながりによって成り立っています。
 住民自治が重視される中で、近年は自治協議会(小学校区単位で組織される場合が多い)の役割が重くなってきています。これをふまえると、「小学校区の数」というのも、論点として成り立ちます。

 一方で議会運営上は、議会力を発揮できるに足る定数ということを忘れてはいけません。企業の場合トップダウン型なら取締役が少なくても良いでしょう。しかし市政運営はトップダウン型ではありません。
 議会は市長と対峙し、監視・提言する役割を担っています。専門性を高めるため分野を分けて委員会制をとっています。したがって、まずは委員会として「活発な議論ができる人数」という論点をふまえ、それに委員会数をかけたのが適正な定数ということになるでしょう。

 まったく別の視点、現代的といえるかもしれませんが「競争率・投票率」も論点として考えられます。
 議会によっては選挙が無投票となるところもあります。これは望ましいことではなく、一定の競争率を保ち、あるいは投票率向上につながるような競争状況の活性化ということも論点になるでしょう。

 以上5点を、主な論点であるとしてここまで整理してきました。その他の論点もありますが、後ほどまとめて触れます。

議論していくにあたっては類似団体との比較も重要に

 論点は前述の通りですが、実際に議論していくにあたっては、丹波市に類似した、あるいは近隣の市との比較も行っていくことになります。
 むしろ市民感情からすれば、そうした比較視点の方が重要かもしれません。「あそこと比べてわが市は」的な感情ってありますよね。いや、感情というだけでなく、絶対基準の無い定数や報酬の議論は相対的視点を欠かせず、議員としても大いに意識するところです。

 丹波市にとって、類似団体といえば同じ人口5~10万人規模の兵庫県内の市として、高砂市、豊岡市、三木市、たつの市が該当します。
 また近隣団体といえば、丹波篠山市、西脇市、朝来市が該当します。

 それぞれの市の基礎数値をご紹介します。なお、人口は住民基本台帳から拾っていますので、冒頭で紹介した国勢調査人口とはずれがあります。
 このうち議員定数については、推移が分かるように「平成21年→令和2年」としました。

市名人口面積小学校区数委員会人数議員定数
高砂市89,76234.38106~724→19
豊岡市79,906697.55296~826→24
三木市76,565176.5116820→16
たつの市75,554210.8718728→22
丹波市63,235493.2125(22)1024→20
丹波篠山市40,852377.5914620→18
西脇市39,871132.878718→16
朝来市29,743403.069520→18

 丹波市より人口が多い高砂市や三木市で思い切った定数削減が行われたことが見て取れますね(行財政改革といった背景もあるようです)。

 「次のページ」からは、論点ごとに、さらに具体的に踏み込みます。

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