議案提案に際しては、議案書の他に、議案審議資料が提出されます。
市議会のホームページでも「議案書」のところに掲載していますので、ご覧ください。
ただし、人事案件については個人情報が含まれるため、一般へは非公開としています。
教育委員もそうです。
・同意42号 丹波市教育委員会委員の任命
教育委員の任命については、「教育委員を選ぶときの条件」でお伝えしました。
定数は4名。次の要件を満たすように、市長が議会の同意を得て任命します。
- 当該地方公共団体の長の被選挙権を有すること(市外在住でも可)
- 人格が高潔で、教育、学術及び文化に関し識見を有すること
- 同一政党に属する者が2.5人以上にならないこと
- 委員の年齢、性別、職業等に著しい偏りが生じないこと
- 委員のうちに保護者である者が含まれること
今回、審議資料を見て、「ん」と思ったのが、候補者の経歴から性別欄が削除されていることです。
以前、「市役所窓口で男女別の記入って必要なの?」で紹介したとおり、ジェンダーに関する社会情勢が変化する中、丹波市でも不必要な性別欄は削除しています。
審議資料から性別欄が削除されたのも見直しの一環でしょう。
ただ。
法律に「性別に著しい偏りが生じないこと」と規定されている以上、議案を審査する立場としては、性別を確認する必要があります。性別欄が削除されていると、それができないです。
確かに、今回の候補者の方の性別がどちらか、それ自体は問題ではありません。
しかし、4人の委員構成のバランスとしては、確認する必要がある。
これは性別だけではありません。所属政党(これは審議資料に記載あり)や、4人のうちに「保護者である者」がいらっしゃるかも確認しなくてはなりません。
委員構成を総合的に判断する必要がありますから、審議資料として、法律上確認が必要な属性が記された委員一覧を添えてもらうのが良いかなと思いました。
教育委員に限らず他の委員でも、法律に偏りを避けるよう規定されているものがあるので、そうした場合も同様ですけれど。
その他の条例
その他の議案のうち、これまでに背景説明等行ったものを紹介します。
・議案84号 物品購入契約の締結
・議案92号 物品購入契約の締結
ポンプ車等の購入で37,290,000円。春日学校給食センター第2期厨房機器 28,600,000円。
以前「議会に付さなくてはならない事件たち-事故繰越しの話も少し-」で紹介したとおり、以下については条例で議会の議決に付すべきと定めています。
- 1億5,000万円以上の請負契約
- 2,000万円以上の財産取得
これに基づいた提案です。
・議案85号 丹波市ミルネ診療所に係る指定管理者の指定
・議案86号 丹波市ミルネ訪問看護ステーションに係る指定管理者の指定
・議案87号 丹波市立青垣農村滞在施設綿ばたけに係る指定管理者の指定
・議案88号 丹波市立薬草薬樹公園に係る指定管理者の指定
指定管理者制度については、「指定管理者制度について考える」をご参照ください。
薬草薬樹公園については、令和11年3月31日までの契約です。途中、令和8年には和田中学校跡地を活用して山南中央公園の移転が完了し、現在の薬草薬樹公園も含めて都市公園として位置づけられる計画です。
今回の指定管理期間と重なりますが、当面は直営部分と指定管理部分が併存する運営になるのでしょうね。
令和元年度82,908人の利用者(リフレッシュ館=入浴客)がありましたが、コロナ禍での急減を経て、令和4年度は72,340人まで回復しました。今後、10万人を目指すと聞いていますし、漢方のテーマパークのような発展が図られればなぁと思ったりもします。
・議案89号 市道路線の認定
萱刈峠の県道改良工事完了に伴い、旧道を市道として譲り受けるものです。
墓地へのアクセス道路ということになろうかと思います。市道認定については「丹波市市道の現状と認定基準と管理」も参照ください。
県が工事に取り掛かるにあたって、旧道は引き受けます、という承諾書を交わしていたそうなので、まぁ、仕方ないところなのですが、そもそも論として、墓地を管理されている地域に譲渡するという方法もあったかも、とも思います。