■議案95号 市道路線の認定(南246号線)
これまで里道だった路線を、市道に格上げ。
道路法に基づく認定です。
第8条 第三条第四号の市町村道とは、市町村の区域内に存する道路で、市町村長がその路線を認定したものをいう。
道路法
2 市町村長が前項の規定により路線を認定しようとする場合においては、あらかじめ当該市町村の議会の議決を経なければならない。
3 市町村長は、特に必要があると認める場合においては、当該市町村の区域をこえて、市町村道の路線を認定することができる。この場合においては、当該市町村長は、関係市町村長の承諾を得なければならない。
4 前項後段の場合においては、関係市町村長は、当該市町村の議会の議決を経なければ承諾をすることができない。
5 前項の承諾があつた場合においては、地方自治法第二百四十四条の三第一項の規定の適用については、同項に規定する協議が成立したものとみなす。
里道(りどう)という言葉、ぼく自身は議員になって初めて知りました。国道でも県道でも市道でもない、とはいえ私道でもない、公共の道路を指します。
里道を修繕するときの補助制度
里道を正式には「法定外公共物」と呼びます。道路法が適用されないから、法定外というのですね。
ちなみに、法定外公共物を地域で修繕等するに伴っては市からの補助制度があります。
毎年20件から30件の補助が交付されています。
交付対象は、ざっとですが、4分の1が水路、その他が里道に関する事業。
とはいえ、補助ですから自己負担が必要です。
自己負担の割合は、自治会の高齢化率や世帯数に応じて、半分から3割と規定されています(詳細は「丹波市法定外公共物整備事業補助金交付要綱」参照)。
「あの道はよく使う割に管理が大変なので、市道になればいいのに」という要望を聞くことがしばしばあります。
市道なら修繕費も市の負担ですしね。
でも、実際にそれが実現することは、ほぼありません。基準に添わないケースがほとんどなので。
市道の認定基準は?
では、市道に認定される基準って、どんなものでしょうか?
それが記されているのが、「丹波市市道路線の認定及び廃止に関する規則」です。
紹介します。
まず第3条1項で、路線上の要件が決められています。
- 路線が付近の公道と系統的になり、交通上重要と認められること。
- 国道又は県道の路線の変更又は廃止に伴い、市がその区間を引き続き管理する必要がある道路であること。
- 国又は西日本高速道路株式会社が整備した自動車専用道路の側道等で、市が管理する必要があると認める道路であること。
- 道路の起点及び終点が公道に接続していること。
- 公共施設及び公益施設の相互間を連絡する道路又は公共施設及び公益施設から公道を連絡する道路であること。
- おおむね5戸以上の集落と公道を連絡する道路であること。
同じく第3条の2項では形態や権利関係等についての要件です。
- 路面が平坦で階段等がなく、アスファルト舗装、コンクリート舗装等で整備されていること。
- 道路の両側に境界杭等があり、又はコンクリート擁壁若しくは側溝等により境界が確認でき、かつ、関係権利者の同意を得ていること。
- 当該私道に占用物件があるときは、丹波市道路占用規則(平成16年丹波市規則第164号)第5条に定める基準に適合していること。
- 道路の敷地及び道路に付属する工作物その他の物件は、寄附により市に所有権が移転できるものであること。
- 道路の敷地には、所有権以外の権利が存しないこと。
- 建築基準法(昭和25年法律第201号)第42条第1項第5号に規定する道路に該当しないこと。
そして、次の第4条で構造上の要件が決められています。
- 道路幅員は、法令その他特別に定めるものを除き、原則4メートル以上であること。
- 道路の交差部は、丹波市開発指導要綱運用基準に定められた適当なせん除(すみ切り)があること。
- 道路の勾配は、原則として12パーセント以下であること。ただし、市長が公益上特に必要と認める場合は、この限りでない。
- 道路側溝等の排水施設が完備していること。
いかがですか?
紹介した中で、もっとも分かりやすいのは「道路幅が原則4メートル」というものかもしれません。
あなたが「市道になったらなぁ」と思う道路、いかがでしょうか。
あの道路、市道なの?
あ、でもそもそも、家の近くの道路が市道かどうか、よく分からないという方が多いかもしれません。
現在、丹波市の市道の延長は1,105キロメートル。旧町道から引き継いだところが多くあります。そういう路線については、道幅4メートル以下の場合も多いです。
近くの道路が市道かどうかについては、以下の地図の赤線を参照ください。
便利な地図ですね。ここで赤線になっていないところは、国道、県道、あるいは里道ないし私道ということになります。
ちなみに、この地図でもたまたま「赤線」になっていますが、市道のことを、よく「赤線」と言います。
地図に表記するとき、道路を赤線、水路を青線で引いていた名残だそうです。
市道の管理の現状は?
では、その日常的な管理はどうなっているでしょうか。
皆さん気になさる除草作業について尋ねた結果を紹介します。
丹波市の場合、大きく言えば4つの手法で行われています。
- 業者による道路除草
交通量が多い路線は交通誘導員の配置など専門的安全配慮が必要ですので、事業者に発注されます。おおむね5月から8月にかけて市内19路線、延長約20キロメートルが対象です。予算的には700万円弱。 - シルバーさんによる道路除草
交通量が少ない市内23路線、延長約28キロメートルが対象で、シルバー人材センターにお願いして年度内を通して随時行われています。予算的には単価契約で合計年間300万円ほど。 - シルバーさんによる植栽整備
植栽されている道路ってありますよね。市内30路線に合計2万平方メートルほどあるそうです。これも年度内を通してシルバー人材センターにお願いして随時草引きや剪定をしていただいています。単価契約で年間合計は300万円ほど。 - 直営による道路除草
職員さんが直接されている路線が、市内43路線、延長53キロメートルほどあります。
市道とはいえ、市で管理できるのはおよそ1割の100キロメートルほどという結果。
それ以外のところは、地域の皆さんにご協力いただいて、整備していただいていることになります。ありがたいですし、また自分たちも、その自覚をもって、地域の風景を守っていかなくてはならないですね。