丹波市のごみ処理手数料、実は高くない

成果をあげてきたごみ環境政策の方向とは

 重要なので、もう一度基本を繰り返します。

 丹波市のごみ袋料金は、全体として考えると決して高くなく、他市と変わりません。

 有料袋は「燃やすごみ袋」だけに絞り、他市のように「燃えないごみ袋」や「資源ごみ袋」を作らず、それらを無料で引き取っているからです。

 環境政策として考えるなら、これはどういう方向を意味しているでしょうか?

 それは、次の2本柱です。

  1. 分別ごみは無料で引き取ることで分別を促進する。
  2. その代わり分別しないごみ(燃やすごみ)袋の料金は高くする。

 ぼくは、この政策をより一層進めるべきと考えます。
 なぜなら、丹波市民の皆様のごみ排出量は、他市と比べて少ない方だからです。このことは、これまでとってきた政策が正しい方向であったことを証明しています(当局もそう評価していました)。

 その上で、市民の負担を少なくするにはどうすれば良いでしょうか。

 今回の議案は、2を安くしようという提案でした。
 それでは、これまで成果をあげてきた政策の否定になります。(分かりますよね?)

 正しいのは、1の拡充です。成果をあげてきたこれまでの政策を変更することなく、市民の負担を少なくする正しいあり方です。
 つまり、無料で引き取る「分別ごみ」の種類を拡充していくのです。

 具体的にいくつか示します。

分別ごみの無料回収を拡充し市民負担を軽減

  1. プラごみ袋を無料化(廃止)する
    今年度丹波市はプラごみ袋を値下げしましたが、その結果現在のプラごみ袋料金はほぼ製造・流通原価にしかなっていません。本来ごみ処理手数料にあてるはずが、そうなっていない。これは正直、無駄です。ペットボトルや缶類等と同じく、コンテナや透明袋に入れてもらうようにして、プラごみ袋は廃止して無料で回収する。その方が分別も進むでしょう。
  2. 雑紙は無料のまま拠点を増やす
    雑紙というのはティッシュの箱や菓子箱、包装紙などのこと。多くの人がこれを燃やすごみにしていますが、実際は集団回収等で回収できます。この回収をすべての拠点ステーションでできるようにすることです。もちろん、無料のままで。
  3. 剪定枝収集は無料で行う
    落ち葉や庭木の剪定などのごみ。現在は「燃えるごみ」としているこれらを分別回収します。実施にはおよそ800万円かかると聞いていますが、同時に資源としての販売収入も見込めるとのこと。それならいっそ、回収に費用をいただくのではなく、無料で受け付ければ良いでしょう。
  4. 生ごみ処理装置(キエーロ)を無料配布する
    生ごみが燃やすごみに占める重量比はばかになりません。容器に土を入れたところに生ごみを放り込んで埋めるだけの「キエーロ」を利用すれば、電気もかからず、生ごみは不思議なことに消えてしまう。丹波市産木材で使ったキエーロを、支所等で希望世帯に無料配布してはいかがでしょうか。
  5. おむつ回収を無料で行う
    おむつって、子どもが小さい頃は結構な負担ですし、これからの高齢化社会ではそちらでの負担も増えてきます。おむつ回収業者もあるようですし、いっそ分別して無料回収することを目指しましょう。

 他にもいろいろアイデアが出てきそうです。ポイントは「分別できる品目を増やし無料で引き取る」ということです。

 予算はあるかって?
 今回の半額化で失われる予定の約5,000万円の手数料収入を、ある種の特定財源として「分別回収の無料化」に充てれば、十分できると思いますよ(精査は必要です)。

「分別社会」を通してSDGsに資する丹波市へ

 最後に。

 燃やすごみ袋半額化議案を否決することは、期待していた皆様にとっては申し訳ないことと思います。

 しかし、丹波市は「分別ごみ」は無料で回収しているのです。

 だから、ごみ収集手数料を節約したいと思っていらっしゃる皆様にお伝えしたいと思います。

 どうぞ、分別を進めてください。プラごみを分別し、雑紙を分別し、生ごみを分別し、剪定枝を分別する。
 そうすることで、ごみの量はどんどん減ります。その結果、ごみ袋代金として支出する皆様の家計は、半額どころか、3分の1にも、究極的には無料にもなるかもしれません。

 なぜなら。丹波市は他市と違って、分別さえいただければ、分別ごみの回収費用は無料だからです。
 このことは、丹波市の環境政策の大きな特色です。

 分別を進めることでごみ量を減らし、家計にやさしいだけでなく、究極は「ごみのない社会」を目指しませんか?
 (どうしても分別できない、余裕がないという方は、高いですが「燃やすごみ」としてまとめてお出しください。)

 地球環境の保全、SDGsが言われる今日にあって、政策のあるべき方向はこの方向であるとぼくは信じています。

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