増える市税による処理費用の負担
市民の皆様から出されたごみを処理するのに、丹波市がどれだけ使っているかご存知ですか?
約5億3,368万円です(令和元年度)。収集運搬費や最終処分費等を除く、いわゆる中間処理(クリーンセンターでの処理)にかかる費用です。
これに対して、皆さんからいただいているごみ処理手数料は約1億1,175万円です。
これらから計算すると、約21%を皆様に負担いただいていることになります。事実、丹波市ではこれまで、ごみ処理費用のうち約22%を受益者負担とするという方針でごみ処理手数料を設定していました。
なお当局に確認したところ、現時点ではこの比率は15%くらいになっていると聞きました。プラごみ袋が安くなって負担分が減ったこともあるでしょうが、それ以上に、ごみ量が増えていることで、分母である中間処理費用がかさんでいるものと思われます。
では、燃やすごみ袋を半額化すると、この比率はどう変わるでしょうか。
委員会で確認したところ、燃やすごみ袋料金の半額化後の負担率は、7.1%を見込んでいるとのことでした。グラフにします。
受益者負担というのは、ごみを出す人に負担してもらうということです。
では、それ以外の部分(オレンジの部分)は誰が負担するのでしょうか? 当然ながら、市民からお預かりした税金で賄うことになります。
つまり。
ごみ袋料金(ごみ処理手数料)を半額化することにより、ごみを出す人は、その処理にかかる費用のうち、わずか7%しか負担しなくてよくなるのです。
残りの93%は、市民の全員で負担することになります。つまり、ごみを出さない、がんばって分別し、あるいは家計の事情から買い物を我慢して節約している、そういう人たちを含めたみんなが負担しなくてはならないのです。
ごみを出す人ほど得になるのが「半額化」
そうなのです。ごみを出す人が得をするのが、今回の半額化です。
このことは、このように考えても分かります。
節約を気にかけず週2回ごみを出す人と、できるだけ分別し週1回のごみ出しに抑制している人がいたとします。
それぞれが年間に負担するごみ袋代金はいくらでしょうか? そしてそれは、半額化によってどう変わるでしょうか?
- 週2回出す人 80円×100回=8,000円 → 4,000円(▲4,000円)
- 週1回出す人 80円×50回=4,000円 → 2,000円(▲2,000円)
ごみを倍多く出す人は年間4,000円得をして、出さないように努力している人は2,000円しか得をしていません。
この個人が「得」をする分は、みんなが負担している市税から補われるわけです。
私たちは、本当にそんな政策を望んでいるのでしょうか? それが、本当に市民の幸福でしょうか?
ぼくはむしろ、ごみを減らそうと節約したり、分別に励んだりしてくれる方ほど報われる、そうした政策こそが、今行うべき政策であると考えます。
そしてそれこそが、「住みよい丹波市」を実現するものと考えます。
半額化を目指すならどうすべきか
ぼく自身は、燃やすごみ袋の半額化を目指すことに反対していません。
しかし、その方法が間違っています。
もう一度先ほどのグラフをご覧ください。
ごみを出す人が負担している部分(緑色)の面積を半分にする、もう一つの方法があります。
今回の市の提案のように、市税の負担分を増やすということではない方法です。
気付かれましたか?
そう、円全体を小さくするのです。22%という比率はそのままに、円全体の面積を半分にすれば、受益者負担部分(緑色)の面積も半分になりますよね。
この面積が半分になるということは、一人ひとりのごみ袋料金負担が半分になるということです。
そして円の面積を小さくするというのが何を意味しているかというと、「ごみ処理費用」を減らすこと。要するに、ごみの量を減らすことです。
ぼくが考える「本当に住みやすい丹波市」。
代替案を「次のページ」で述べます。
なるほど、良くわかりました。