まちなかホテルの可能性

私たちの会派「丹新会と維新」では、月に1度、定期的な勉強会を設けています。今週の月曜に開催した定例の勉強会では、主に「柏原地域での農泊事業」について議論しました。

先日の新聞に「市議が柏原支所のホテル化中止を申し入れ」という記事が出て、驚かれた方もいらしたのではないでしょうか。議員有志11人(ということは過半数)が署名しての、市長への申し入れです。

丹新会と維新では5人が署名、5人は署名せず(ぼくはこちら)と、対応が割れました。申し入れの流れが、議会が昼頃に終わったあと急遽個別に呼びかけがあって、夕方には申し入れするという慌ただしいものだったので、会派内で相談する時間がないままとなっていたのです。

柏原でのホテル化構想とは何か

さて「柏原地域での農泊事業」について簡単に説明しておくと、およそこんな内容です。

  1. 柏原内の複数の空き家を改装し「まちなかホテル」として総合的に運営する
    篠山城下町で行われている「NIPPONIA」と同様のものです。どちらかというと高級な宿泊。地域全体を再開発する「エリアマネジメント」の考え方に基づきます。
  2. 現在の柏原支所の2階をホテルの客室(2室)としフロント機能を持たせる
    フロントは空き家それぞれに置くのではなく、1カ所で行います。それが現在の柏原支所になります。柏原支所の2階にホテルの部屋を2室整備します。このために必要な費用は耐震補強工事約3,000万円及び2階改修費約3,200万円です。
  3. 法務局そばの古民家を購入しホテルにする
    田原邸と仮称されています。古民家を市が購入しホテルとして整備します。別棟もあり本棟とあわせて1棟貸しになるので、2室整備できる予定です。このために必要な費用は、取得費約2,600万円と改修費約5,200万円です。
  4. これらの物件の管理は民間に委託する
    田原邸の購入と改修、柏原支所の改修は市の予算で行います。一方でこれらの管理は民間に委託します。委託費は無償ですが、その後の修繕等はすべて民間企業の責務です。民間企業は、ホテル事業者を選定してこれらをサブリース(転貸)します。委託事業者は公募します。
  5. 民間事業者は次の空き家改修を独自で行う
    民間事業者は、自らの負担で3棟目、4棟目の空き家を手配してホテルとして整備します(損益をプラスにするには7室以上必要とされています=平均稼働率を35%と想定)。また、レストラン用として古民家1棟を借り、運営します(この夏まで鹿肉レストランが入っていた古民家が想定されています)。

波及効果と関連事業

まちなかホテルによる経済波及効果は、年間1億1,300万円程度と見込まれています。これには、「分散型ホテルに雇用される従業員(常勤5名、パート5名)の人件費(2,770万円)のうち消費にまわる金額」「宿泊売上(@30,000×2.2人×7室×365日×稼働率35%=5,900万円)」「レストラン売上(@3,500円×28人×365日=3,580万円)」などが含まれます。(初年度はこれに改修費が加算されるのでもう少し大きくなります。)

また、これまでTMO(まちづくり会社)「株式会社まちづくり柏原」さんが進めてこられた中心市街地の修景も、空き家が改装されていくことで加速する効果もあります。

以上の計画立案にあたっては、「篠山城下町ホテルNIPPONIA(篠山市)」「NOTE人吉球磨(熊本県)」「NIPPONIA HOTEL奈良まち(奈良市)」「竹田城城下町ホテルEN(朝来市)」など多くの実績を持つ一般社団法人NOTEの助言を受けています。

なお、「まちなかホテル構想」に伴い、加えて次の2点も計画されています。

  1. 柏原支所の1階を観光拠点とする
    柏原支所の1階はチャレンジショップや観光情報発信等の入る観光拠点とし、民間に管理委託します。こちらは有償での委託になります。必要な改修費は約4,200万円(上述した2階部分の改修費とは別にかかります)、さらに年間約2,600万円の委託費が想定されています。加えて、移住相談窓口についての委託費が約400万円です。
  2. 支所機能は東側にある建物に移設する
    現在の柏原支所は、東側にある建物に移ります。現在観光協会が入っているところで、観光協会は2階に移ることになります。

それにしても。これまで「泊まるところが無い」と言われてきた丹波市にようやく出てきた夢のある構想。なぜここまでこじれてしまったのでしょう?

ぶっちゃけ「市長、もっとていねいに進めましょうよ」に尽きる気もしますが、ここに至るまでの経緯を「まちなかホテルの迷走(への助走)」「まちなかホテルの迷走」としてまとめましたので、お読みください。

4 thoughts on “まちなかホテルの可能性

  1. こうしないと支所が維持できないということは無いでしょうか。
    平成の大合併により被合併自治体役場が支所となり、やがて
    廃止されていきました。これは経費節減という大きなメリットが
    あり、人口減少=税収減に悩む自治体にとっては効果大でしょう。
    一方で災害時には被災状況の把握ができないという事態も頻発
    しました。残りのスペースで支所機能が残せるのなら、その効果も
    組み入れるべきと愚考します。

  2. ありがとうございます! 支所機能の維持と今回の構想は切り離して考えられています。支所機能の維持については、前提としてあり、それは別の場所でも可能です。というか、災害時のことを考えると、むしろ他の場所に移転しておいた方が安心です。現在の場所は手狭です。純粋に、ホテルに向いた建物として現在の支所の建物が魅力的という基準です。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です