笑いの現場―ひょうきん族前夜からM-1まで

この本を手にとってみようと思ったのは、舞台『悩み多き者よ』を見たからだった。ラサール石井さんプロデュースのその公演は、たまたま人間ドックで同席した中年男3人が、互いが同級生(同い年)だと知ったことから交友を深める様子を描く。 理屈屋がいて、愛人を持つ人がいて、 続き …

イスラームの人間観・世界観―宗教思想の深淵へ

文明の対立、あるいは文明の衝突といわれる。最近では文明の対話とも。端的にはそれは、キリスト文明とイスラム文明の対立、あるいは対話を意味している。 分かりやすい構図だ。キリスト文明とイスラム文明は違う。宗教思想が違う。だから対立する。対話しなくてはいけない。 た 続き …

明日の広告―変化した消費者とコミュニケーションする方法

もう10年以上前だったろうか、一緒にセールス・プロモーション関連の仕事をしていた友人たちと、「広告って、恋文だよねぇ」なんて言っていた。 ひとりの後輩が、なにかの講演会で、プロモーション手法を恋の手ほどきに例えて説明し、それを評してもうひとりの後輩が、「あれ、 続き …

暴走する「世間」―世間のオキテを解析する

おもしろい。非常に刺激的。 世間学については、以前にも『世間学への招待』などで触れて、その着想を新鮮に感じていた。こちらも入門書としておもしろく、お薦めだ。 それで。 ぼく自身は「世間」が日本を読み解くために有効な枠組みであると感じる一方で、現代においてそれは 続き …

親密性の社会学―縮小する家族のゆくえ

介護の社会化が進められている。 それはたとえば、介護保険制度を導入し、介護士などによるケアができる体制を整えることを意味している。つまり社会化とは、介護や育児といった、これまでは家庭内で担われてきた役割を家族から切り離し、社会としてめんどうをみようということだ 続き …

地域切り捨て―生きていけない現実

力作。 学術的な冷静な視点と、ジャーナリストによる現場の熱い空気が、よい混合をみせている。地域問題を考える人は必読。ここには、数多くの「生きていけない現実」がある。 現実に押しつぶされるような感覚というのは、こういう感覚を言うのだろうか。 しかし本書は、その現 続き …

子どもの脳と仮想世界―教室から見えるデジタルっ子の今

教室から見える、とあるように、著者の戸塚さんは長年教育の現場で子どもたちに接してきた教師であり、ITを利用した授業でも先進的な取り組みをしてきた人。 その経験をふまえた印象的なエピソードが第四章に描かれている。 それは、マコたんの話。

日本人の意識と行動―日本版総合的社会調査JGSSによる分析

日本版総合的社会調査(JGSS)というのは、2000年から行われている調査。 世帯構成や職業などのほか、政治意識や人生観、友人関係にいたるまで、多岐にわたる項目について尋ねる、ものすごい内容だ。サンプル数はおよそ5000で、6割くらいの回収率という。 調査結果 続き …

地域再生システム論―「現場からの政策決定」時代へ

現場からの政策決定。 本書では、端的にはそれは「構造特区制度」を意味している。 地域の主体から提案を受けつけ、それらは「価値がある」ものという前提に立ち、できない理由ではなく実現する方法を探るという基本で行われ、審査情報も公開していく。 その特区制度の特徴や、 続き …

<私たち>の場所―消費社会から市民社会をとりもどす

副題には、消費社会によって市民社会が奪われてしまったという含意がある。その思いが今の自分にすごくフィットしていたのが、本書を手にした理由。 市民社会、それは「あなたと私」の相互関係を調整する空間。国家でも市場でもない「第三の領域」だと、バーバーはいう。 彼は市 続き …