過疎地域持続的発展計画について、青垣地域を対象に新たに制定された際に「過疎法ってどんな法律?」で紹介しました。今回、その変更が提案されました。
・議案14号 丹波市過疎地域持続的発展計画の変更
変更の内容は、「丹波少年自然の家」廃止後の活用に向けて、過疎計画の対象として書き加えたこと、山南中学校の開校に伴い、表現を変更したことくらいです。
以前、山南地域が新たに加わった際に「過疎地域持続的発展計画にビジョンを」で触れましたが、相変わらず、両地域の「持続的発展」に向けたビジョンが見えません。
このことは昨年の決算審査でも話題になり、議会からの審査意見として次のように指摘しています。
過疎対策事業については、将来にわたり過疎地域の課題解決や持続的発展に資する事業を広く対象とするものであるので、時限立法の「過疎地域の持続的発展の支援に関する特別措置法」の主旨に沿った市のビジョンを示し、市民の願いに応えられるよう必要に応じて計画を見直すなど、PDCAサイクルを十分に活用した効果的な事業実施に努められたい。
また、適時、事業の進捗状況を議会に示し、報告されたい。
残念ながら今回の変更は、こうした議会からの指摘を踏まえたものにはなっていません。
過疎地域発展に向けたビジョンは?
とはいえ、突っ込むだけじゃなく対案も示さなくてはと考え、その後、青垣地域あるいは山南地域の「持続的発展」に必要な方向性はどのようなものか、考えてきました。
結果、おおよそ次のような方向であろうと考えるに至りました。
- 青垣地域
スカイスポーツや陸上競技場、キャンプ施設等を活用してスポーツ・アウトドア交流人口を増やし、その延長で移住者を呼び込む。一方で集落の過疎化は避けられない面があるため、孤独を防ぎ幸福度を保つための施策を、ICTの積極的導入や企業との連携などを組み合わせて先進的に取り組んでいく。 - 山南地域
海外展開する世界的企業が複数社ある。これら企業の振興や企業団地を活用した企業誘致により雇用を確保し、人材の流入につなげる。また恐竜と薬草という2大資源を活かした交流人口の増加を図る。
もちろん他にも活かせる資源はありますが、集中して方向性が明確な方が良いかと思っての試案です。
山南地域の具体的施策は?
こんなことを考えていたさなか。
山南地域の自治協議会連合会の皆さんから、「山南地域過疎対策に関する陳情書」が提出されました。
中身を読んでみると、まさに、上述した視点と共通している部分が多く、心を強くしました。引用します。
- いわゆる「田舎暮らし」で移住を促すのではなく、企業誘致で移住を促す
- いきなり移住するのではなく、まずは交流人口を増加させ、その後の移住に繋げる
さすが、地元のみなさんが議論されただけあります。委員会でこの陳情書が議題となった際にも発言しましたが、これこそがビジョンです。
その上で、具体的要望として、次のような点をあげられています。
- 井原南交差点から山南工業団地を結ぶ市道を建設し、山南工業団地への企業誘致を促進させる
- 元気村かみくげを中心とした「恐竜駅」(道の駅)の新設
- 「ちーたんの館」のリニューアルに伴う「恐竜の森」の新設
- 井原橋周辺「川の駅」の新設
- 漢方の里総合運動公園の機能充実
具体策については実現可能性を詳細に検討する必要があるにしても、大きな考え方として前段にあるビジョンを引き継いだ個別計画で、分かりやすい「持続的発展計画」であると思いました。
市も頑張らなきゃなりませんね。