過疎地域持続的発展計画にビジョンを

 先に「過疎法ってどんな法律?」でご紹介した「過疎地域持続的発展計画」ですが、丹波市において、このほど、旧青垣町に加えて、旧山南町が指定されました。
 そこで、山南地域の計画も加えるため、今回変更議案が提出されました。

議案60号 丹波市過疎地域持続的発展計画の変更

 計画の大きな柱に変更はありません。とすると、それぞれの柱の中で何が追加されたか、というところに注目ですね。

  1. 多様な人材の確保と育成
    兵庫医科大学との連携事業が目立つほかは、集落支援アドバイザー派遣など、全市的に行われる事業が追加されています。
  2. 産業振興と雇用の拡大
    若松や花卉、薬草といった山南地域ならではの特産物を取り上げています。事業としては薬草薬樹公園が入っているくらい。
  3. 情報化の進展
    特徴的な記述はありません。
  4. 交通機能の確保と向上
    JR加古川線、東播丹波連絡道路という、山南地域を通る鉄道なり道路なりが課題として取り上げられています。事業としては個別路線が追加されたくらいです。
  5. 生活環境改善
    山南地域では公共下水道(青垣は浄化槽)ですので、記述が追加されていること、またごみ処理は丹波篠山市清掃センターで行っているので、そのことが課題として挙げられています。事業としてはほぼ追加はありません。
  6. 子育て環境と高齢者福祉
    特に目立った記述はありません。
  7. 医療の確保
    山南地域では和田地区と小川地区で医院が無い状況となっています。このことが課題として挙げられていますが、事業として特に新しい記述はありません。
  8. 教育の振興
    山南地域の中学校統合、ちーたんの館の拡充が現状分析として挙げられています。事業としてはこれらが記述されたほか、移転される山南中央公園が記されています。また、これまで行われてきた「竜学」などが記されています。
  9. 集落整備
    特に目立った追加記述はありません。
  10. 地域文化の振興
    山南おどりの他、旧上久下村営上滝発電所、旧友井家住宅、蛇ない、檜皮などが紹介されています。事業として目立った追加記述はありません。
  11. 再生可能エネルギー利用
    特に目立った修正はありません。
  12. その他
    特に目立った修正はありません。

 こうして見ていくと、山南地域が加わったものの、残念ながら「こうすれば山南地域の持続的発展が図れる」というビジョンを見せてくれているとは思えません。

過疎地の持続的発展に向けた覚悟が見えない

 もっとも、このビジョンが無いという問題は、青垣地域での場合も、見えていました。前回記したことをあらためて引用します。

一方で、欲を出して言うなら、丹波市として青垣地域をどのような「武器」と位置づけて発展させるか、基本となるコンセプトが無かったゆえに、既存の考え方の延長にある小粒なものになったきらいがあるのではないかとも思います。

 もう少し具体的に述べます。

 国では、「過疎地域持続的発展支援交付金」など、過疎地域の持続的発展のための支援メニューを整えています。
 しかし、丹波市ではこれら国の有利な財源を取りに行く姿勢が見えません。質疑で確かめたところでも、「今後出てくれば」くらいの姿勢でした。

 言い換えると、現在計画にあげられている事業は、ほぼすべてが、「一般事業」としてこれまでも市の予定にあげられていた事業なのです。
 それらの事業をこの計画にスライドさせることで、「過疎債」をあてることができるようにしました、ということ。
 そのこと自体は否定しませんが、やはり青垣地域や山南地域の未来を明るくするビジョンを持って計画を立てる必要がある。そうすれば既存事業だけでなく、国の補助金を使ってでも取り組みたい新規事業が出てくるのではないかとは指摘しておきます。

 戦略的視点の欠如については、現市政の大きな問題点と考えます。

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