介護現場の現代的課題と条例改正

 3月議会では高齢者福祉に関する議案が上がっています。

 いずれも国の動きに対応しての条例改正です。高齢者福祉の動向を知る意味で、すこし読み込んでみましょう。

議案27号 丹波市指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準等を定める条例の一部改正
議案28号 丹波市指定地域密着型介護予防サービスの事業の人員、設備及び運営並びに指定地域密着型介護予防サービスに係る介護予防のための効果的な支援の方法に関する基準等を定める条例の一部改正
議案29号 丹波市指定介護予防支援等の事業の人員及び運営並びに指定介護予防支援等に係る介護予防のための効果的な支援の方法に関する基準等を定める条例の一部改正
議案30号 丹波市指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営等に関する基準を定める条例の一部改正

国の政策と市の条例がリンクする

 関係性を整理します。

 そもそもですが、厚生労働省で各種介護サービスの基準を定めています。その基準に基づいて、丹波市でも施設の種類ごとに条例を定めています。

 それぞれのサービスがどのようなものかは「介護保険料はどう決める?」でご紹介しましたね。

介護の現代的課題の解決に向けて

 で。

 令和3年1月25日に厚生労働省は「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準等の一部を改正する省令」を公布し、これらの基準を一括して改正しました。

 となると、この新しい基準に基づいて、丹波市のそれぞれの条例も改正せねばならないということです。
 厚生労働省は一本の省令で複数の省令の内容を改正していますね。丹波市も一本の条例で複数の条例を改正するという手法もあったのでしょうけれど、最後に述べるように別の由来から来る改正も併せて行う条例もあることから、それぞれ単独の改正案としたのではないかと推察します。

 厚生労働省の省令、どんな改正だったのでしょう?

 概要は「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準等の改正の主な内容について」で紹介されています。ただ、幅広くて読みづらいです。

 最後の方に注目すると、全サービスに共通する改正が説明されています。これが主として今回の市の条例改正でも反映されていますね。
 現代社会が抱える課題をビビッドに反映させたって感じ。ぼくなど、現下のコロナウイルス対策はもちろんですが、介護施設で起きた虐待事件のニュースなども思い出しつつ、なるほど、こうしたことに早急に対処していくんだなと思いつつ目を通しました。

 改正項目を箇条書きで抜き出します。

  1. 感染症対策の強化
  2. 業務継続に向けた取組の強化(感染症や災害発生時)
  3. ハラスメント対策の強化
  4. 会議や多職種連携におけるテレビ会議等の活用
  5. 利用者への説明・同意に書面ではなく電磁的対応を可能に
  6. 記録の保存に電磁的記録を可能に
  7. 運営規定等の掲示を掲示だけでなくファイル等でも可能に
  8. 高齢者虐待防止の推進
  9. 科学的介護の推進

 最後にある「科学的介護の推進」というのは、科学的な根拠を重視するCAHSE・VISITといった仕組みを活用し、PDCAサイクルを推進することだそうです。
 この仕組みについては、「2021年から本格スタート 科学的介護ってなに?」に詳しいです。

 なお、議案30号については、居宅介護支援事業所の管理者要件が「介護支援専門員」から「主任介護支援専門員」に変更されるのですが、その猶予期間が6年間伸びた(令和9年3月31日まで)ため、これを反映した改正も行われます。
 いわゆるケアマネジャーの上位資格である主任ケアマネ資格の取得者の現状を踏まえた猶予期間ということでしょうね。

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