先日、所属する民生産建常任委員会で、農業委員のみなさんとの懇談会を開催しました。農業委員会から市長宛に提出された意見書について、委員会でも報告いただき、議会としても農業振興策を考えていく一助にしたいとの狙いの懇談です。
今年度の農業委員会さんからの意見書は非常に分かりやすく、かつ具体的で、とても刺激されました。その紹介はエントリーを分けて行いたいと思います。
今回はそれに先だって、「農業委員会」って何だ? という話をまとめます。
一般には「農地転用」を仕切っているところというイメージでしょうか。確かに、業務時間の多くがそれに割かれている実態もあるようです。
そこで、農地転用についてもあわせてご紹介します。
農業委員会の組織
農業委員会は、「農業委員会等に関する法律」に基づいて設置されています。
委員には2種類あります。ひとつは、同法第8条で次のように定められた、いわゆる農業委員。任期は3年です。
委員は、農業に関する識見を有し、農地等の利用の最適化の推進に関する事項その他の農業委員会の所掌に属する事項に関しその職務を適切に行うことができる者のうちから、市町村長が、議会の同意を得て、任命する。
(農業委員会等に関する法律 第8条)
任命にあたっては、次の3つの条件が求められます。
- 認定農業者が過半数をしめること
- 所掌事項について利害関係を有しない者を含むこと
- 年齢、性別等に偏りが生じないこと
2つ目の条件が分かりづらいかもしれません。消費者代表のような、農業に直接関わっていない人も含めなさいということです。
定数は農業者数が1,100以下又は農地面積が1,300ha以下が14人、農業者数が6,000超、かつ農地面積が5,000ha超が24人、それ以外が19人と定められています。
丹波市の場合、農林水産省の統計によれば農家数が約5,500戸、農地面積は約5,500haですから、定数は24名ということになります。
農業委員のもうひとつの種類。推進委員と呼ばれる、担当区域が定められた委員さんで、こちらは第17条に基づきます。
農業委員会は、農地等の利用の最適化の推進に熱意と識見を有する者のうちから、農地利用最適化推進委員を委嘱しなければならない。
(農業委員会等に関する法律 第9条)
こちらの定数は100haに1人の割合ということですが、具体的には条例で定めるものとされており、丹波市の場合は、「丹波市農業委員会の委員及び丹波市農地利用最適化推進委員の定数に関する条例」で、25人と定めています。
丹波市では合併前の旧町域ごとに担当が分かれており、次の人数配分となっています。
地域 | 農業委員 | 推進委員 |
---|---|---|
柏原 | 2 | 2 |
氷上 | 6 | 5 |
青垣 | 3 | 4 |
春日 | 5 | 5 |
山南 | 4 | 4 |
市島 | 4 | 5 |
農業委員会の業務
委員の皆さんは非常勤です。その業務は前述の法律第6条に記されていますが、要約すれば、以下の通りです。
- 農地法等によりその権限に属された事項
いわゆる農地転用の手続きなどです。 - 農地等の利用の最適化の推進
農地の貸借の相談にのったり、耕作放棄地を防いだり、新規参入を促したりといった業務です。 - 法人化その他農業経営の合理化
こちらは「できる」規定です。現状、全面的に取り組まれている状況ではありません。 - 農業一般に関する調査及び情報の提供
こちらも「できる」規定です。丹波市では年2回「農業委員会だより」を発行し、年1回は視察研修を行い、また研修会も随時行われています。
加えて。上記とは別に、第38条に次の業務が定められています。
- 農地等の利用最適化推進施策の立案及び改善についての意見の提出
今回議会で伺った意見書は、これに従って提出されたものということになります。
なお、担当としては、農業委員さんが主に上記業務の1と5、推進委員さんが主に上記業務の2ということになっています。
もっとも、農業関係については自治会ごとに農会があって、実態はそちらの方が把握されていたりもします。
なので、たとえば農地の貸借でも、まず農会長さんに相談して、その範囲内で分からない場合は推進員さんも含めて相談するみたいな連携プレーになることが多いのではないでしょうか。
さて、それでは次のページで、農地転用についてまとめます。
24名の内農業従事者でない消費者代表者が、入ってる事ですか?
それは、推進委員ですか?
消費者代表とは限りませんが、農業委員の24名のうちに農業者でない人が含まれている必要があります。意見の多様性を担保するためではないかと。