ということで、前回「農業委員会って何だ?-そして農地転用について-」で触れた農業委員会からの意見書。
前段としてもう少し。丹波市の農業の現状と課題をざっくり振り返っておきます。
関連する計画書は以下の通り。今回のエントリーでは『農業・農村振興基本計画』を主に読み解きつつ、適宜個別計画等を参照していきます。
- 農業・農村振興基本計画
丹波市の農林業の基本計画です。将来像を描いたもっとも基本となるもの。 - 農業振興地域整備計画
農業振興地域、農用地等を今後どのように管理していくか、そのための人材をどう育成するかについての考え方をまとめたもの。 - 農業経営基盤の強化の促進に関する基本的な構想
他産業と比べて遜色ない労働時間で収入が得られるのはどういった経営形態かを示し、そのためにどのような施策が必要かという展望を明らかにしたもの。 - 人・農地プラン
集落ごとに話し合い、将来の農地管理をどうするかを描いたもの。 - 鳥獣被害防止計画
農作物被害の現状分析と対策の考え方を示したもの。 - 丹波栗の里整備計画
丹波栗の振興についての計画。 - 水田活用の直接支払交付金に係る水田フル活用ビジョン
いわゆる転作奨励ですね。水田を活用した特産物栽培を進めるべく、その作付け目標などを示したもの。 - TAP21 JA丹波ひかみ第10次営農振興3カ年計画書 2019~2021
JA丹波ひかみによる3カ年計画。 - 農業関係補助事業まとめ
現在どのような補助があるか、一覧にした資料。
国における農業政策
国においては平成11年(1999年)にそれまでの「農業基本法」を「食料・農業・農村基本法」とすることにより、従来の農業者視点から消費者視点に立った考え方に方向転換しました。その後平成22年(2010年)に見直しが行われ、国家戦略のひとつとして位置づけられています。
計画では食料自給率を令和7年にカロリーベースで45%、生産額ベースで73%にすることを目標とし、以下の4つの基本理念に基づいて施策を打っています。
- 食料の安定供給の確保
輸出促進や6次産業化の推進 - 多面的機能の発揮
水源や自然環境・景観の保全や文化の伝承 - 農業の持続的な発展
農業経営の法人化など担い手の育成・確保、農地中間管理機構を活用した担い手への農地の集積・集約化の推進、米政策の改革による需要に応じた生産の推進と飼料米等の戦略作物の拡大 - 農村の振興
地域全体の共同活動の支援、農村への移住・定住や鳥獣害対策、小さな拠点への生活サービスの集約
詳細は農林水産省のホームページにありますので、ご参照ください。
兵庫県における農業政策
兵庫県の農業政策を示す「ひょうご農林水産ビジョン2030」(策定中)では、農業分野について2030年時点の目標として次のような姿を描いています。
- 水稲単作中心から施設野菜等を組み合わせた経営へ複合化
- 施設園芸やドローンによるスマート農業が進展
- 農業経営体の専業化や組織化・法人化が進展
- 集落ごとに将来ビジョンが描かれ、持続可能な地域農業が展開
- 担い手に農地が集積されることで、大規模経営体の育成が進む
- 農林水産物のブランド力強化が進む
より身近な丹波地域の姿はどうでしょうか。
上記の計画に先立つ全県の2025ビジョンに基づいて「地域アクションプラン」が作られています。
目指す姿を1枚のイラストにしたイメージ図が描かれていますので引用します。
それでは次ページから、丹波市の農業の現状と課題をまとめます。
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