いない相手に向けて質問する

1カ月とは早いもので、12月定例会を1月19日に終えて、気づけば2月24日に開会する3月定例会が迫っています。
新人議員の間では、次の定例会での一般質問に向けた会話が飛び交っています。なかにはすでに草稿を仕上げている人もいて。ぼくも少々焦ってきました。

さて、「不確実な未来に向けて『質問』をする」でお伝えしましたが、「質疑」が当局が提案した議案に対するものであるのに対して、「質問」は議員側からテーマを示すことができます。
それにしてもなんで「一般」なのかな。相対性理論にも特殊相対性理論と一般相対性理論があるけど、「特殊質問」ってあるのだろうか。(おそらくは特定のテーマではなく、市政一般に対して質問できるといった意味合いかとは思います。)

12月定例会では、新人7名を含む15名が質問に立ちました。順番は質問通告書を議会事務局に提出した順です。ぼくは締切日の朝に出しました。13番目でした。

大雪の影響で延長された会期、最終日の朝一番がぼくの順番となりました。結果的にその時間帯が良かったのでしょう、傍聴席は満席! こういうのって、とても嬉しいのです。なんというのでしょう、仲間がいてくれることを実感するというか(涙)。ありがとうございます。

実際に質問に立ってみて。
一般質問をするのは演壇です。これは議長席の前にあります。そこに立って、質問をし始めるわけですが。

相手がいない!

話しかけようとする、つまりは質問の相手が、目の前にいないのです。これにはとまどいました。

もちろん、あらかじめわかっていたことではあります。議事堂というのは、当局と議員が向かい合う形で作られています。議長席は当局側の中央に一段高く備え付けられており、その前が演壇です。
そうすると、演壇に立って質問をするということは、同僚の並ぶ議員席に向かってするわけです。
質問をしたい相手、たいていの場合は市長ですが、市長は演題の左側に同じく議員席に向かって座っています。ぼくはその市長に質問をしているのですが、市長とは目が合わない。

目の前にいない相手に対してしゃべりかける。これにはとまどいました。言葉が身体に入ってこないんですね。

これは反省。次回からは、自分対市長という気持ちではなく、同僚議員やその奥の傍聴席にいらっしゃる市民の方々と意識を共有しつつ質問をするという心構えが必要だと気づきました。
考えてみれば市民を代表して質問するのだから、この心構えの方が自然ですね。この心構えが質問の文体にどう影響するかは書き始めてみないと分かりませんけれど、楽しみです。

さて、自分の質問を一通り終えると、演壇を降りて質問者席に座ります。質問者席は、演壇に向かい合う形、議員席の中央に設置されています。
ここで市長が演壇に立ち、質問への答弁を述べます。ここからは、互いに向き合った状態になるので、やりやすくなります。
再質問については、回をあらためます。

丹波市議会インターネット中継」より。「マーケティング」「イノベーション」というカタカナ用語を利用したので、当日は自作の図解フリップで用語の説明から入りました。こうした小道具を議場に持ち込むには、議長の許可が必要です。フリップ利用は、もしかすると丹波市議会史上初めて?←ではありませんでしたm(_ _)m

議会では「事件」が起こっている!

今回の「議会では『事件』が起こっている!」というタイトル、釣りじゃないんです。といって、誰も殺されていませんし、窃盗があったわけでもありません、もちろん。
ぼくも驚いたのですが、初議会最終日、本会議を閉じるにあたっての議長の言葉です。

「本定例会に付された事件は、すべて終了いたしました。」

わぉ、「事件」。サスペンスドラマの見すぎでしょうか、事件というとおどろおどろしく感じてしまうのですが、まあ、「事柄(ことがら)」くらいの意味ではあります。議会に諮られる議案はもちろん、承認案件なども含め、すべてが「事件」です。

考えてみれば、議会に付された時点で、それは日常の出来事ではなくなっているわけで、確かに「事件」と表現しておかしくはないですね。
法令用語では住民票の請求なども「事件」というそうです。たとえそれが住民票一枚のことであっても、市民からの請求は官公庁にとって大切に解決せねばならない事柄であるってことですね。

地方自治法の第96条にあたってみると、次のように書かれていました。

第九十六条 普通地方公共団体の議会は、次に掲げる事件を議決しなければならない。
一 条例を設けまたは改廃すること。
二 予算を定めること。
三 決算を認定すること。
(以下十五までありますが略します)

つい「解決しなければならない」と空目してしまいますね。
ともあれ議員として、名探偵以上に慎重に証拠を吟味し解決に当たらねばならないと、そんなことを考えたりもしたことでした。ベネディクト・カンパーパッチに負けるな。次回からはベレー帽にフロックコートで臨みますかね(臨みません)。

それにしても今回の本会議。新人としての初めての議会ではあったのですが、ほんといろんな「事件」に遭遇しました。事務局いわく、「これほどいろいろあることは珍しい」とのことで。
探偵小説風に振り返ってみましょうか。

いきなりの動議のナゾ
初会議初日。最年長の議員が臨時議長として席につき、通常はそのまま議長選挙に入るのですが、ここで動議、本会議を暫時休憩して、議員総会が開かれました。「議長の選び方、そして丹波市議会初の議長選立候補者所信表明はこうして実現!」で述べましたが、議長選に立候補される方の思いを聞きたいという声を受けてなされた、今回限りの名解決でした。
消えた議案のナゾ
議案第133号として提出された議案が取り下げられました。議会用語でいえば「事件の撤回」です。後日、同様の主旨の議案が新たに議案第146号として提案されました。定住促進住宅の設置に関する条例だったのですが、住宅の場所も家賃も条例に記されていないことが提案後問題視され、加筆の上、再提案されたものです。家賃などは市民に重要な要件です。これを議会のチェックなく定める仕組みにするのは本来避けるべきということです。
議案訂正のナゾ
前述の定住促進住宅に関する条例、再提出されたのはいいですが、条文に誤記があるというなんともな不始末。しかし委員会での審議は終了しています。仮に審議しなおすなんてことになれば、「一事不再議」という、同じ議案を同一会期中に二度は審議や議決をしない基本原則に反するのではないかという心配もありましたが、本会議での議決はまだでしたので、まず訂正を承認して本会議で議決するという流れで対応できました。議会用語でいえば「事件の訂正」です。
延びた会期のナゾ
今回の初議会、当初の会期は1月18日(水)まででした。しかしご存知の通り、16日(月)は22年ぶりの豪雪。市内の交通網が閉ざされるなかで、丹波市当局もその対策が優先。そこで当日の午前中は定足数の議員が揃ったところでいったん開会し休憩を宣言、午後から再開することにしました。これを受けて、18日(水)の本会議で会期を延長し19日(木)までとすることが承認されました。
決議提出のナゾ
今回の議会では、「市の事務執行に対し猛省を促す決議」という決議を可決しました。前述のように事件の撤回や訂正が相次いだものですから、丹波市当局に対し、しっかり業務にあたりなさいと促すものです。通常の議会審議は、丹波市当局が提案した議案を審議します。「丹波市としての意思決定」の可否を判断するものですね。それに対し今回の決議は、丹波市当局ではなく、議会としての考え方を示すものです。「議会では何を決めるのか、どんな規範で行動するのか」で紹介しましたが、さっそく、「市議会としての意思決定」の可否を議決する機会に遭遇しました。
否決された附帯決議のナゾ
会期が始まってから追加議案が出てきました。新病院に関する議案でした。その議案を付託された民生常任委員会からは、附帯決議をつけるよう提案されました。本来議決は可否のどちらかであり、条件をつけてはいけません。そうした中で「附帯決議」は、それでもなお議会として伝えたいことがあるときに付けるものです。法的な拘束力はありません。ただし今回の附帯決議、本会議で否決されました。付託した委員会から提案されたものでも、本会議でそのまま通るとは限らないことを知りました。

そんなわけで、今回の初議会の事件簿、主だったものをご紹介しました。

『地方議会運営事典』より。「事件」という表現と同じく、なんだか重いなあという表現は他にもありますね。「付託」もそうですし、「傍聴」なんてのも重くないですか? 「見学に来てね」くらいの方が良いかもしれません。

議会は一般質問がおもしろい! かもしれない(^^

いよいよ一般質問が始まりました。「不確実な未来に向けて『質問』をする」でも書いたように、議員それぞれが自分のテーマで市政への質問を投げかけます。
通常の議会活動は、議案審議にしろ所管事務調査にしろ、市からの提案なり事業内容なりがあった上でのことです。したがって、自分から新しいテーマを提示できる一般質問は、「議員にとっての花形」とも言う人もいます。

持ち時間は一人1時間以内。これは市からの回答も含めた時間です。今回は、16日(月)に8人、18日(水)に7人を予定していましたが、大雪の影響で16日(月)は4人、18日(水)に8人、19日(木)に3人の予定となりました。
一般質問の日、議会はいつもより30分早い9時に始まります。17時終了ですので、昼休み1時間を除くと実質7時間。1時間使わない人もいますので、1日8人でもいけるかなって感じです。

質問内容はあらかじめ通告してあります。これに対して当局(丹波市)は、質問内容に添って、担当する部局の職員が回答を書き、それを課長、部長、副市長、市長が目を通して修正、当日の回答とします。
議会には部長以上が出席していますから、回答は市長、副市長、あるいは担当部長が行うことになります。

当日。議員は、まず壇上の演題で質問を行います。そもそもこの壇上に立って声を出す機会が少ない。一般質問と、賛成、反対などの討論のときくらいですね。
質問は、複数の質問項目がある場合でも、まずは一括して行います。
これに対して、市当局からは、やはり一括して回答があります。まず市長が回答する内容が多いです。この間、議員は議席最前列に置かれた席、質問者席で聞いています。当局からの回答は、この質問者席に準備されているので、それに目を通しながらですね。
回答に対してさらに質問をしたいときは、再質問が可能です。再質問は、一括してではなく、「1問1答形式」で行うことが可能です。回答を受けてさらに深めていく、技量が試されるところですね。これに対しては、市長や副市長が答えたり、担当部長が答えたりします。

なお、質問の順番は質問通告の提出順と決まっています。ぼくは締め切り日の朝に出したので、15人中、13番目でした。
一日目に4人、二日目に8人の予定なので、ぼくは1月19日(木)の朝いちばん、9時からということになります。
傍聴、来てくださいね。丹波市役所、氷上庁舎3階、事務局窓口で記帳するだけ。予約不要です。インターネット中継もあります。

議会フェイスブックで案内、また報道等でもありましたように、ぼくの質問項目は2つ。「市政へのマーケティング視点導入」「協働と参画によるイノベーションの創出」です。
ビジネスの現場ではよく使う言葉ですが、他の方の質問と並べて掲載されると、カタカナ言葉が目立ちますね(苦笑)。でも、当日はできるだけかみ砕いて質問する予定です。

「ぎうん」って何だ?

昨日は「議会運営委員会」がありました。通称「ぎうん」です。

「総務」「産業建設」「民生」という3つの専門に分かれた常任委員会以外に、もう一つ常設されている委員会です。

構成メンバーは7名。「それぞれの委員会選び」で触れたとおり、3つの常任委員会及び会派のバランスを考えて構成されています。

ある新人議員さんが言われていましたが、「議会運営委員会」という言葉からは運営事務面を担う裏方のようなイメージがありますね。実際にはその逆で、本会議の日程や提出する議案はもちろん、議会運営上の規則に至るまで、この議会運営委員会で検討、承認されます。
そういう意味では、議会運営委員会が議会のかなめです。本会議日程や提出議案を検討する際には、市長、副市長も出席して、意見を交わします。

12月5日の初議会開会後、開催された議会運営委員会は今回で4回目。各回の議事内容は次の通りです。

  • 1回目(12月5日)
    12月定例会の日程/選挙管理委員会等各種委員の選任や選出方法/3月定例会での代表質問の発言順番
  • 2回目(12月8日)
    12月定例会での提出議案と日程及び議会に提出された要望書の取り扱い/地方議会議員の厚生年金への加入を求める意見書の提出(今回は提出しない)/議会運営委員会引継ぎ事項/議会運営の検証/議員研修会の開催
  • 3回目(12月26日)
    12月定例会の提出議案(1案取り下げと再提出)と日程/3月定例会の日程
  • 4回目(1月12日)
    12月定例会の提出議案(2案追加)と日程/丹波市議会基本条例の見直し検討項目(案)

1回目の議運では1月の本会議は16日(月)、17日(火)、18日(水)に開会する予定だったのですが、一般質問を行うと通告した議員が15名だったことを受けて、3回目の議運で16日(月)と18日(水)でこなすことにしました。
その上で、再提出された議案を12月27日(火)の本会議で審議して産業建設委員会に付託、産業建設委員会を1月17日(火)行って審議、18日(水)の本会議で採決することに決まりました。議案ごとに、どの委員会に付託するか、あるいは本会議で即決するかも議運で決めます。
議会の予定やルールって誰が決めているのっていうと、「ぎうん」なのです。

議会運営委員会では、本会議の予定のほか、議員によるスマートフォン持込禁止ルールをどうするかといった議会運営上の規則のこと、また丹波市議会基本条例の見直しなども議題に上がります。もちろん、なんらかの決議など、議会として意思を示す必要がある項目についても。
その他、広報用の撮影や議員研修の内容や日程といった内容も打ち合わされます。

議案審査だけではない、市議会の重要な役割

さて、今回は委員会の様子についてお知らせしましょう。

委員会制度については「それぞれの委員会選び」でも書きましたが、もう一度おさらいしておくと、議長を除く19人の議員がそれぞれ「総務常任委員会」「民生常任委員会」「産業建設常任委員会」に分かれて、本会議からの付託を受けて、より専門的に、それぞれが管轄する議案を審議し、本会議に報告します。

今回の本会議でも、委員会への付託を受けて、議案を審査しました。農業委員会関係の議案なら産業建設委員会へ、福祉センターの委託議案なら民生常任委員会へといった次第です。

で、初めて委員会に参加して、またまた発見が。

なんと、委員会では、議案の審議以外に「所管事務調査」ってのがあるのですね!
これは、委員会が所管する部署における現在の懸案事項について報告を受け、質疑するものです。つまり、議案に関係なくても、日々の業務における重要課題についても質疑をするのですね。
たとえば、ぼくが所属する総務常任委員会では、主として、次のような所管事務調査が議事にあげられていました。

  • 第4次学校施設整備計画
  • 認定こども園の進捗状況
  • 保育教諭・保育士給与等実態調査結果の報告
  • 平成28年度財政収支見通し
  • 公共施設等総合管理計画の策定
  • 第2次丹波市総合計画実施計画
  • 丹波市法令順守の推進等に関する条例の制定

これが、あなどれません。その証拠に、総務常任委員会を受けた新聞報道では、さっそく「公共施設34%超削減」「平成31年度から財政赤字」といった見出しが躍っていました。常任委員会の場で行われる行政からの事務報告に、市民の関心の高いものが混じっていることが少なからずあるわけですね。

同様に、新病院の建設計画などは民生常任委員会の所管事務調査として重要な課題です。民生常任委員会は、議案審査に先立って、所管事務調査だけで1回開催され、新人議員にもこれまでの経緯を共有できるように配慮されていました。

以前に「地方議会が国会より権能が広いわけ」で書いた「地方議会は議事機関として具体的事務処理についても意思決定機関として権能を持つ」ということの意味を、実地で知った気がします。

なお、所管事務調査については、継続案件としてあげておくことで議会が開かれていない間も、委員会を開催して質疑することができます。
というかむしろ、一つか二つは「継続」としておくのが通常のようです。というのは、当局としても議会が開かれていない間に何らかの報告や、議会としての検討をもらいたい事項が発生するかもしれないわけです。そんなとき「継続」があると、それを口実に(というといい方が悪いかもしれないけど)委員会を開催し、議会の意見を聞くことができるというメリットがあるわけです。
なんだか、おもしろいな。