それぞれの委員会選び、議会の7つの重要ポスト

さて、初議会。議長と副議長を決めたところで、昼を挟んだ長い休憩に入りました。その間に、会派代表者会議が開かれ、その場で、各議員からあらかじめ提出されている所属希望委員会調査をもとにしつつ、委員会の割り振りの相談が行われます。

今回は委員会について少し詳しく書きましょう。
委員会は、丹波市議会委員会条例に基づいて設置されます。「地方議会が国会より権能が広いわけ」でも書きましたが、当局(市)から提案された議案について、より専門的に検討を加えるための制度で、丹波市の場合、次の3つの「常任委員会」が設置されています。

総務常任委員会(定数7人)
復興推進部、企画総務部、まちづくり部、財務部、教育委員会等が所管する事務が対象です
民生常任委員会(定数7人)
生活環境部、福祉部、健康部、消防本部が所管する事務が対象です
産業建設常任委員会(定数6人)
産業経済部、建設部、水道部、農業委員会が所管する事務が対象です

議会には様々な議案が提出されますが、その議案を所管する部署に応じて、委員会に付託することになっています。
20人の議員は3つの委員会のどれかに割り振られます(議長は後に委員会から脱会します)。会派が3名の場合は、各委員会に1名ずつというように、バランスを考えて配置します。会派代表者会議で決めるというのは、こういった事情からですね。

10名の丹新会と維新の場合、各委員会に4、3、3名と割り振ることになります。最初は自分が少しでもなじみのある委員会を選ぶことにしました。
ぼくの場合、企画総務部が所管する総合戦略作成に関わりましたし、まちづくりをずっとやっていた、また教育にも関心があるので、総務常任委員会を選びました。

会派代表者会の話し合いがまとまり、議案書ができたところで、本会議を再開。委員会を決定して、再び、休憩に入ります。
で、こんどはその休憩の間に、それぞれの常任委員会を開くのです。常任委員会の委員長、副委員長を選ぶためです。

委員会の委員長、副委員長選びは議長選挙と同様の手順となります(議場閉鎖は省略)。
ただ、地方自治法第118条2項に、異議がなければ指名推薦を用いることができるとあり、3項に指名推薦の場合、全員一致であれば指名されたものを当選人とすると決められています。これに基づいて、あらかじめ委員全員の思いが一致している場合は、投票による選挙ではなく、指名推薦による場合もあります。

それぞれの委員会の委員長、副委員長が決まったところで、常任委員会を終了し、もう一度、会派代表者会議に移ります。

委員会にはもうひとつ「議会運営委員会」があります。この構成メンバーを決めるための会派代表者会議です。
実はこの議会運営委員会が名前の通り議会運営の要で、どの議案を本会議にかけるかや、議会の日程を決めたりという重い役割があります。定数は9人以内(委員会条例第9条)。条文には明記されていませんが、慣例として常任委員会の委員長は議会運営委員会に入ることになっています。そして、会派のバランスを考えて、2人以上で1人、5人以上で2人、9人以上で3人が議会運営委員会に入るようになっているそうです。
この委員を選出するために、会派代表者会議を開くのです。

丹新会と維新は10人ですから、3人を議会運営員会に出せます。そんなわけで今回の場合、総務常任委員長(新風クラブ)、民生常任委員長(共産)、産建常任委員長(公明)と決まっていたので、あとは丹波クラブから1名、丹新会と維新から3名を選出し、合計7名で構成することになりました。
議会運営委員会に入っておくのがいちばん議会のことを勉強できる、と先輩から聞いていたので、ぼくとしてはこの委員会に入っておきたいと思い、希望を出しておきました。
委員候補が決まったところで、事務局ではその名前を盛り込んだ追加の議案書を作成します。

そして本会議を再開。提案された委員会メンバーを承認して、再び休憩(ほんと、休憩が多いですね!)。
こんどの休憩は、委員が決まったばかりの議会運営委員会を開くためです。

議会運営委員会では、委員長、副委員長と、今後の議会日程の決定、監査委員の選出方法などについて相談します。
議会運営委員会の委員長には丹波クラブの林時彦議員が選ばれました。議会会期は、1月18日(水)までです。

ここで本会議を再開。議会運営委員会の正副委員長が報告され、会期が決定されたところで、散会となりました(議会期間中の1日の会を終わることを「散会」といいますー会期末は「閉会」です)。

さて、本会議散会後に、議員総会が開かれました。監査委員の選出や、選挙管理委員の選出などについての相談がありました。

その後、議会報編集委員会を開催。議会報編集委員は、先に行われた常任委員会の際、各委員会から2名ずつ選出されています(常任委員会は3つなので6名ということです)。
慣例的に新人議員が選ばれることが多いそうで、今回も6名のうち5名まで新人が占めました。

議会報編集委員会は委員会条例ではなく、「丹波市議会広報発行に関する規程」に基づくものです。議会報「たんばりんぐ」の編集が主な業務で、議案を取り扱う常任委員会と違って、ライブ中継はされません。ぼくはこちらの委員長を務めることになりました。
いきなりの進行役でどうなることやらと案じたのですが、何のことはない、定型的な議案処理については事務局からシナリオを出していただけたので、読むだけでした(笑)。

とはいえ、議会報編集委員会は、こうした堅い進め方は最初だけで、あとはいわゆる編集会議的な自由闊達な議論をして良いようです。市民の方が参加したくなる議会を目指して、アイデアを練っていきますし、また多くの方のご意見を伺えればと思います。
議会報編集とはいえ、少し間口を広げて、開かれた議会のための一助になれたらと考えています。

さて、ここでしばらく、本会議は休会となります。初議会ゆえ、新しい議長や副議長が挨拶周りをする時間が必要だったり、新市長の所信表明まで準備が必要だったり。そんなわけで、次回は13日(火)、約1週間後です。
次回の本会議では、新市長の所信表明や議案の提案が予定されています。

【参考】議会の構成(丹波市ホームページ)

丹波新聞記事

丹波新聞社の記事では「バランス」という評価をいただきました。そういうと裏調整のように思われるかもしれませんが、実際のところ、議会における重要なポストは7つなんです。「議長」「副議長」「常任委員会委員長(3つ)」「議会運営委員会委員長」「監事」。3期以上務めているベテラン議員さんが限られているなか、新人がこれらの要職を狙っていかないとなれば、バランスをとるほかない、というのが正直なところでした。

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