マイナンバーカードの利用シーンが少しずつ増えていく

 マイナンバーカード、最近はクリニック受信時に健康保険証代わりにちょくちょく利用しています。

 ただ、番号を隠すケースが必須っぽい印象で、他のカードのように裸で持ち歩けないのが不安。なので常に持ち歩くってことはしていません。
 スマホに入るようになると、また違ってくるとは思いますが(「スマホ用電子証明書搭載サービス」参照)。

マイナンバーカードの利用シーン

 ところでマイナンバーカード、どんなときに使えるのでしょうか。

 デジタル庁のサイトを見てみましょう。
 「マイナンバーカードの利用シーン」にライフステージ別にまとめられています。健康保険証としての利用はどのライフステージでもできるし、便宜的に分けてあるだけと理解して良いでしょう。

 あと、「今後も2024年度中のマイナンバーカードと運用免許証の一体化が予定されている」は便利なんですが、「運用免許証」は「運転免許証」のスペルミスかと(2023年12月17日確認)。
 このあたりの甘さがね。

 ともあれ、ぼくは積極活用派です。デジタル敗戦を乗り越えるためにも、利用シーンをどんどん増やして、便利な世の中にしてもらいたいです。

 自治体におけるマイナンバーカードの活用事例は「自治体におけるマイナンバーカードの活用事例」に掲載されています。

利用範囲、提供情報はどう決まっている?

 マイナンバーの利用については、国民の不安に応えるため、「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」で規定されています。

  • 利用できる範囲:第9条
  • 情報を提供できるケース:第19条

 それぞれ引用します。

(利用範囲)
第9条 別表第一の上欄に掲げる行政機関、地方公共団体、独立行政法人等その他の行政事務を処理する者は、同表の下欄に掲げる事務の処理に関して保有する特定個人情報ファイルにおいて個人情報を効率的に検索し、及び管理するために必要な限度で個人番号を利用することができる。当該事務の全部又は一部の委託を受けた者も、同様とする。
2 地方公共団体の長その他の執行機関は、福祉、保健若しくは医療その他の社会保障、地方税又は防災に関する事務その他の事務であって条例で定めるものの処理に関して保有する特定個人情報ファイルにおいて個人情報を効率的に検索し、及び管理するために必要な限度で個人番号を利用することができる。当該事務の全部又は一部の委託を受けた者も、同様とする。
-以下略-

(特定個人情報の提供の制限)
第19条 何人も、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、特定個人情報の提供をしてはならない。
1 個人番号利用事務実施者が個人番号利用事務を処理するために必要な限度で本人若しくはその代理人又は個人番号関係事務実施者に対し特定個人情報を提供するとき
-中略-
11 地方公共団体の機関が、条例で定めるところにより、当該地方公共団体の他の機関に、その事務を処理するために必要な限度で特定個人情報を提供するとき。
-以下略-

 引用したのは地方公共団体が関連しているところ。

 利用範囲については第9条2項、提供の制限については第19条11項で「条例で定める」ことで、地方公共団体で扱えると規定されています。

マイナンバーカードの利用シーンを広げる

 この、「条例で定めるところ」の丹波市バージョンが、「丹波市行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律に基づく個人番号の利用及び特定個人情報の提供に関する条例」です。

 条例では、利用範囲及び提供できる情報について、別表で規定しています。
 この別表を改正して、利用シーンを増やすのが、12月定例会に提案されている以下の条例改正案。

議案83号 丹波市行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律に基づく個人番号の利用及び特定個人情報の提供に関する条例の一部改正

 これまでの丹波市の条例では、「兵庫県心身障害者扶養共済制度」に関連する事務の場合しか、マイナンバーを利用できませんでした。
 ここに、「福祉医療費」「こども医療費」「高齢重度障害者医療費」「精神障害者医療費」などの助成を加えるというのが、今回の改正です。

何が変わるの?

 これだけでは具体的なシーンがイメージしづらいですね。

 たとえば丹波市の「乳幼児等・こども医療助成制度」をご覧ください。
 受給者証の交付を申請する場合、その子の健康保険証と、転入の場合は、所得・課税証明書が窓口で必要です(改正前現在)。

 この場合、所得・課税証明書は、これまで住んでいたところの窓口で取得する必要があります。
 それが、今回の改正を行えば、窓口でマイナンバーカードを提出してもらうことで、丹波市からそれまでの住所地に問い合わせることで情報連携が図られ、証明書を添付してもらわなくても、受給者証を発行できると。
 利用者とすれば、前の住所地で証明書を発行してもらう手間と手数料が省けます。

 なお、今年度のマイナンバー法の改正については、デジタル庁の「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律等の一部を改正する法律案」に解説があります。

 ここに、これまでは法律で規定した上でしか機関の間で情報連携できなかったのを、速やかな対応ができるよう、省令で規定するよう変更すると説明されています。
 つまり、これまでは法律でどんな場合に情報連携できるか個別に明記していたのを、「特定個人番号利用事務」で可能と記すにとどめ、詳細は省令で規定するわけです。

 そこで条例でも、直接法律の一覧表ではなく、この用語を指し示すよう改正します。これにより、対象となる業務も省令に則って変更されることになります。

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