新型コロナウイルス感染症、第2波が心配されましたが、現在のところ、落ち着いているといってよさそうです。
もっとも、これから冬場になるとどうなるか。インフルエンザの流行も重なりますから、まだまだ気が抜けないところです。
9月議会では、補正予算が提案されています。そこにコロナ対策予算も含まれています。コロナ対策としては、「丹波市コロナ対策補正予算まるわかり」「丹波市コロナ対策補正予算第2弾!」と紹介したもののほか、8月に臨時会があり、「スクール・サポート・スタッフ追加配置(日々の学校の消毒作業等を支援いただける方の配置、1,704万円)」と「指定管理者への営業継続支援(市との協議で休業した期間の損失補てん、2,511万円)」が認められました。
そのほかに4月当初に信用保証料補助などを含む補正予算を、また4月下旬に対策用消耗品を含む補正予算を、それぞれ専決処分されていますので、コロナ対策が中心の補正は今回が第6弾ということになりますね(補正予算としては第7回目)。
今回の補正予算案の内容をご紹介します。
感染症対策基金への積み立て
第2弾補正予算から創設された「丹波市新型コロナウイルス等感染症対策基金」ですが、今回、市が新型コロナウイルス感染症予防の観点から中止した行事等に予定していた支出分を、基金に積み立てることになりました。
主なものは次の通りで、基金に繰り入れる合計額は5,925万円です。なお、来年度以降に実施予定のものは、こちらの基金ではなく「財政調整基金」に繰り入れることとしており、そちらに818万円を予定しているので、感染症対策基金への繰り入れは4,509万円です。
- 研修視察 380万円
- イベントや講演会 4,300万円
- 学校のプール水泳や音楽会等 387万円
- その他 922万円
新しい生活様式に合わせた準備
今回の補正では、3密を避けるための対策など、いわゆる「新しい生活様式」を実現するための支出が多くあります。
市有施設の感染症予防対策 710万円
ちーたんの館、丹波おばあちゃんの里、道の駅あおがき、ライフピアいちじま大ホール、春日文化ホールに体温検知カメラを設置、また子育て世代包括支援センターやその他社会教育施設、社会体育施設に消毒液や非接触型体温計等を購入します。
子育て支援施設環境改善事業 4,903万円
子育て学習センターやアフタースクール等での感染防止のため、換気装置や衛生用品等を購入します。子育て学習センター6カ所、児童館1カ所、アフタースクール22カ所、ファミリーサポートセンター2事業所分です。
認定こども園等に対する感染症予防対策 2,800万円
認定こども園における消毒作業等にかかる経費を補助するものです。上限50万円。施設単位ではなく事業単位になっているので、同じこども園でも通常保育、延長保育、一時預かり、病児保育と分かれており、56事業が対象です。
認定こども園等に対する新しい保育様式への環境整備 2,340万円
認定こども園等で換気装置やシャワーなど感染予防のための整備に必要な経費を補助するものです。定員1人あたり10,000円で計算されています。
学校における感染症対策・学習保障等に係る支援 3,239万円
修学旅行において密を避けるためのバス増便等のために943万円、授業での分散学習のための電子黒板を各校1~3台計36台で1,995万円、学校ごとに校長先生の判断で適切な処置を講じられるように、1校10万円を27校、大規模校2校には15万円を措置。
新しい生活様式をICTで実現
同じく「新しい生活様式」を実現するために、デジタル化を活用することも求められます。それに備えた項目も多くあります。
多職種連携教育用シミュレーター 317万円
看護専門学校において、感染予防のために病院実習ができない状況があります。この場合、学内演習でも単位取得を可能とすると厚生労働省から通知がありました。これに合わせ、多様な手技項目をカバーできるシミュレーターを導入し、病院実習と同様の演習が行えるようにするものです。
遠隔手話サービス等、障がい者等へのきめ細やかな支援 9万円
手話通訳が必要な場合、遠隔でも可能にしておけば、感染予防につながります。そのためのタブレットを購入し、市役所にいる手話通訳者が、病院や避難所で手話通訳を必要とする人のスマートフォンとやりとりできるようにするものです。
ふるさと住民とつながるサイト創設 755万円
地元を離れた学生や丹波市と関わりたい人が、実際に訪れなくても丹波市とつながるためのサイトを開設するものです。ふるさと住民登録やふるさと寄付金の受付を行います。
市民プラザによるICT利活用支援 93万円
市民プラザに登録されている団体がオンライン会議等を行うことを支援するため、必要な備品を購入し、団体への支援業務を委託します。
地域づくりオンライン環境整備補助 250万円
自治協議会がオンライン環境を整備し、各地域での活動や災害時の情報入手等を行うことを可能にするため、パソコン等の通信機器の購入を補助します。25の自治協議会に10万円ずつを予定しています。
医療介護情報連携システムの機能強化 1,850万円
丹波市では医療介護情報連携システムの整備を進めています。ここに、医療従事者と介護者がテレビ通話できる機能を追加するために1,200万円、また、予防接種の際に配布している健康カードにお薬手帳の機能を付加するために13万円、さらには令和3年からマイナンバーカードに保険証機能が追加されるタイミングでこの健康カード機能をそこに追加して1つのカードにするために58万円。そして利用者を拡大するキャンペーン用に57万円という内訳です。
ICOCA利用促進事業 6,538万円
キャッシュレス経済の促進のため、デポジットを含めて2,000円分のICOCAカードを全世帯に1枚ずつ配布します。2,000円の26,300枚で5,260万円、これに郵送料や封入委託料等がかかります。届いたカードを見て、各家庭でキャッシュレス経済に理解を深めるとともに、ICOCAカードはJRの他、デマンド交通でも利用できるようになりますので、ぜひご活用いただければと思います。
光ファイバ通信の整備 2,750万円
光ファイバが未整備だった山南町玉巻平井地区に民間事業者が光ファイバを整備する費用を補助します。供用開始は来年3月予定です。
GIGAスクールの推進・活用 8,431万円
これはちょっとイレギュラーなものです。GIGAスクール構想については、もともと昨年度の予算で小学校5~6年生と中学1年生分の端末購入があげられており、事業実施が今年度となることから繰り越されていました。そこに今回コロナウイルス感染症対策として、将来的に整備する予定だったその他の学年も一気に端末を揃えることになりました。令和2年度に事業化されたものは国の新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の対象になっています。繰り越していたものは対象外となってしまうため、あらためて今年度予算として組み替えるものです。
今必要な支援のために
これまでの支援策から漏れていた方々に支援する目的のものもあります。
臨時特別定額給付金 3,850万円
先の補正予算で可決された定額給付金では今年の4月27日までが対象でした。そこで、4月28日以降に生まれたお子様に対しても1人につき10万円の定額給付を行うものです。3月31日までの誕生が対象で380人を対象としています。ちーたん商品券での対応となることが残念と思われるかもしれません。ただ、これなら事務費12万円及び一人あたり発送委託料が1,000円と安くて済むところから、仕方ないかと思います。地域内経済循環にもつながりますし、ご理解いただきたいところ。なお、学年的な考え方をするなら、4月1日生まれまでを対象とした方が良いとも思いましたが、質問したところ、その後の児童福祉との接続に問題は無い(4月1日生まれの子だけ不利になることは無い)とのことでしたので、良しとしました。
農業者への営農継続応援金 2,500万円
農業収入を主とする農業者で、コロナウイルスの影響で売上が減少した農家を支援するものです。連続する3か月を前年同期と比較します。一律10万円で250件を想定しています。
農産物の販売促進支援 2,700万円
農産物のインターネット販売や個人宅配等を行う農業者に対して、配送経費の2分の1(上限15万円)を補助します。180件を想定しています。
水道料金の一部免除 8,700万円
2月以降にはなりますが、水道料金の基本料金を2カ月間免除するもの。
修学旅行の中止等に係るキャンセル料軽減 989万円
修学旅行が中止された場合、キャンセル料負担が保護者にかかることを軽減するための措置です。
その他の補正予算項目
コロナ対策以外の補正項目を簡単にご紹介します。
防犯カメラ設置費補助金 100万円
防犯カメラ設置を希望する自治会が増えたことから、予算を増額するものです。
吉見アフタースクールトイレ改修補助 603万円
こども用の小さなものしかなかったので、大きなトイレに改修するものです。
柏原斎場照明設置 500万円
照明のLED化を図るものです。
有機センター工事 1,692万円
いちじま有機センターのストックヤードに屋外カーテンを設置します。臭気対策です。
黒井川工事費負担金 2,400万円
黒井川の拡幅工事が県で進められており、市からも負担金を出しています。その工事費が増額となったことで、負担金も増えました。
消防施設整備事業補助 780万円
消化栓の更新等の費用です。
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