技術の発展と変わる火災予防条例

 再生可能エネルギーの導入と並行して、蓄電池の開発が進む昨今。

 蓄電池設備は大容量化が進んでいますし、これまで主流だった鉛蓄電池(開放型)に代わって、リチウムイオン蓄電池のような新たな技術も登場してきています。

 鉛蓄電池とリチウムイオン蓄電池の違いは、正極・負極の材料が鉛かリチウムの違いかです。鉛は安価であるけれど大きくなってしまう一方で、リチウムは小さくて済むのが特色。
 また、鉛蓄電池式のうち、電解液(希硫酸)が空気中に触れている(補水口がある)タイプを開放型といいます。

 蓄電池設備は、使用時に火災の危険性があることから、一定の基準が条例(「丹波市火災予防条例」)で定められています。
 これを、新技術の普及に合わせてアップデートするための条例改正が提案されました。

議案91号 丹波市火災予防条例の一部を改正

 もととなるのは、国による「対象火気設備等の位置、構造及び管理並びに対象火気器具等の取扱いに関する条例の制定に関する基準を定める省令」の改正です。

 詳細については、総務省の「消防法施行規則及び対象火気設備等の位置、構造及び管理並びに対象火気器具等の取扱いに関する条例の制定に関する基準を定める省令の一部を改正する省令(案)等に対する意見公募の結果及び改正省令等の公布」や、消防庁の「蓄電池設備の特徴に応じた規制の見直し」での解説を確認してください。

 主な変更点は、次です。

  • 規制基準をアンペア・アワーからキロワットに変更(蓄電池の種別により同じ容量でも電力量に差があるため)
  • 耐酸性の床上又は台上に転倒しないように設ける必要があるのは、開放型であると明確化
  • 防火筐体等の外部延焼防止措置があるものは建物からの距離を緩和

 もう一点、薪や炭等を利用する火器に関する規制の変更も。

 詳細は消防庁の「火を使用する設備等の評価方法及び防火安全対策に関する検討部会報告書の公表」にあります。
 これまで、薪や炭火等を用いる設備の評価方法が定まっていないので、確立したと。

 その上で、炭火焼き器を設置する際の離隔距離について、これまでは使用温度が800度以上の「厨房設備」にあたり、上250cm、横200cm、前300cm、後200cmを壁や天井から離しておかないと設置できなかったのですが、新たに規定が追加され緩和されました。
 不燃以外の壁等でも、上100cm、横50cm、前50cm、後50cmという規定です。

 なお、薪ストーブは、現行の上150cm、横100cm、前150cm、後100cmのまま変わりありません。

半年前の改正はEV対応

 ところで火災予防条例については、今年の6月議会でも改正があったのでした。このときは、EVへの充電設備の進歩に伴ってのもの。

議案51号 丹波市火災予防条例の一部改正

 根拠となるのは、先ほどと同じ省令の改正です。

 改正のポイントについては、消防庁から「消防法施行規則及び対象火気設備等の位置、構造及び管理並びに対象火気器具等の取扱いに関する条例の制定に関する基準を定める省令の一部を改正する省令等の公布について」として発表されています。

 急速充電設備については、それまで出力200kwを超えるものについては「変電設備」として規制されていたのですが、通常の急速充電設備と同じ規制としても、火災等にはつながらないのではないかとの検討がされ、改正されました。
 検討経緯は、消防庁の「急速充電設備に係る全出力規制の見直しについて」に詳しいです。

 この改正を通して、電動バス用の充電器等の設置が進み、EV社会の到来が少し実現しやすくなることが期待されます。

 また、喫煙所の表示について、火災予防条例で標識の掲示を求めてきましたが、「健康増進法」の改正(平成30年7月)により、受動喫煙防止の観点から、標識の掲示が必要となりました。(厚生労働省「標識の一覧(ダウンロード可能・イラスト等挿入不可)」参照)
 このままだと、同様の掲示が重複することになるため、火災予防の観点からの掲示は不要とすることとなりました。なお、丹波市内に該当となる施設はありません。

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