人事院勧告を職員給与に反映する

 先の投稿「丹波市における非課税世帯数と困窮する子育て世帯」で2議案を即決と記しました。
 もう一つの即決議案が、以下です。

議案44号 丹波市職員の給与に関する条例及び丹波市一般職の任期付職員の採用等に関する条例の一部を改正する条例

 職員さんの給与の額を、人事院勧告を受けて改定するもので、通常は12月議会に提出されることが多い議案です。
 しかし令和3年度は、ご存知のように10月31日投開票で衆議院選挙が実施され、国会における国家公務員の給与改定が、12月1日に間に合いませんでした。12月1日というのは、冬のボーナスの支給基準日です。

 令和3年人事院勧告はボーナスを0.15カ月減の年4.30カ月とする内容でした(「令和3年人事院勧告」参照)。そこで、国家公務員においては、この減額分を、夏のボーナスで調整することとしました。
 そんなわけで、国家公務員の給与改定に足並みを揃えている地方自治体においても、12月の条例改正ではなく、夏のボーナスでの改定となったわけです。

 で、夏のボーナスの基準日は6月1日ですから、条例改正はその時までに整っておかないといけません。
 従って、5月31日開会の6月議会において、初日に即決し、6月1日に間に合わせたというわけです。

おそらく事後的な対応は初めて

 国家公務員において、ボーナスが事後的に差し引かれるのは初めてのことだそうです。
 おそらく、丹波市においても初めてのことかなと。

 これまでボーナスは年4.45月で、6月と12月に2.225月ごと支給されていました。
 人事院勧告は4.3月とするということですから、2.15月ごとということになります。今回の条例改正では、まずこの基本支給額の改定を行っています。

 その上で、本来12月に減額しておくべきだった金額を、夏のボーナスから差し引く。
 単純に言えば12月分は0.075月分多く支給されたということですから、この金額を、6月のボーナスから差し引いて支給しますということです。

 まぁ、なので3月末に退職した職員さんは対象外になりますけれども。

遡及する、しないはもやもや感……

 今回の減額、世間が物価高で賃金アップへの反映を課題とする中で、なんだかタイミング的にはずれちゃったなぁという気がしないでもないですね。
 仕方ないけどね。

 あと、給与をあげなさいという人事院勧告の場合は、遡及して4月からの分まで上げることになるのですが、今回の減額は昨年度夏のボーナスまでは遡及しないんですね。

 この遡及するというのは、人事院勧告のもととなった比較が4月の給与なので、その年の差ということで遡って差を埋めるという考え方です。

 ボーナスは、8月から7月までの直近1年間の支給実績を比べたもの。とするとこれも過去の差なので、理屈としては遡及すべきという気がします。
 まぁ、国のやり方をならっているだけなので、突っ込んでも仕方ないのですけどね。

 また、市民(職員さん)にとって不利になることを遡及で適用っていうのが住民福祉にかなっているかという議論もあり、難しい問題とは思います。

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