多様性こそが地域の未来の礎になる

友人から、2年前の誕生日にぼくが書いた投稿を教えてもらって、あらためて読み返して、ああ、変わってないな、この思い、と感じたので、あらためて引用します。

その日は、多くの方からメッセージをいただき、おまけに、会社で開催したセミナーの場でサプライズでお祝いをいただくという、そんな一日だったのでした。

 

(前略)情報社会を迎えるにあたって、経済社会での基準とは違った社会のあり方を生み出したいと、丹波に帰ってきて12年が過ぎました。その間、何かを成し遂げられたわけではありませんが、多くの方と知り合い、伴に時間を過ごすことができました。

ぼくは基本、過去を語ることはしませんし、その方の過去や背景も気にしません。今、その時ともに過ごす時間において、自分がその方に何を提供できるかがすべてと考えていますし、伴に創り出す未来へ向けた価値こそがすべてと考えています。

だから今日、こうして多くの方からお祝いをいただいたとき、それが、たとえ少しでも、そうして積み上げてきた価値の結果だったらいいなぁ、幸せだなぁと、そんなことを感じていました。

詳細は省きますが、昨年から今年にかけては、丹波に帰ってからの12年間の中でも大きな動きがありましたし、また、今年も動くことになろうと思います。

ときに「どんな地域づくりを目指しているの」と尋ねられます。それへの返答が、実はこの長文でもっとも書きたかったことなのですが、たぶんここまで読み続けられていらっしゃる方はいないと思いますし、それを正面から書かずに後回しにしているっていうのは、もっとも書きたかったけれど、読まれるのは恥ずかしいという内容でもあります。すみません。

先に単刀直入に。ぼく自身は、クリアなビジョンを持っていません。はい、実はそうなのです。もちろん、持続可能性であったり、生物多様性であったり、子どもたちにとっての体験の価値であったり、寛容と信頼と利他の精神であったり、そうした個々の基準で守りたいと考えている基本的な価値はあります。だけど、具体として、どのような地域社会を作りたいかというビジョンは描いていません。

ぼくはそれを、多くの方から伺いたいと願っています。そして、その実現に少しでも力になれたら、それほど幸せなことはありません。

視点を変えて言い直せば、それら多様なビジョンを持った方々が、それぞれに取り組みを行う活動の豊かさこそ、地域を元気にしていくのだと考えています。

生物進化がそうなのですが、遺伝的に多様であるからこそ、災厄が起こっても一律に絶滅することなく、どれかの遺伝形態が未来に子孫を残していくことができる。それと同じように、地域という種も、ある特定の取り組みのおかげで活性化するというのではなく、いまここに多様な取り組みがあるからこそ、世の中の流行り廃りに流されることなく、未来につないでいくことができると信じます。

遺伝的な多様性は、交配や突然変異によって生まれます。さいわい、丹波には今、外からも多くの(文化的)遺伝子が入ってきているし、内でも異種の組み合わせに挑戦する土壌ができてきている。特にこの数年の加速感は、あきらかにティッピングポイントを超えた気がします。理論がいうように、それは特定できるひとつの力じゃなく、この長文にここまでおつきあいいただいたあなたであり、あなたでありの力の集積によるのだと、ぼくは感謝しています。

願わくは今年、丹波がそうした多様な挑戦に満ちた地域だと全国の方々にお知らせすることができたら。そして、内から外から、この動きに加わっていただける方がさらに増えたら。

そんな動きに少しでも貢献できるなら、これほどぼくを幸せにすることはありません。ぼくはいつも、いつでも応援いたします。

すみません、これほどストレートにものを書くことはまれです。つまり、みなさんの活動は素敵だと、花束を受け取るのはぼくより皆さんがふさわしいと、そんな感謝の言葉を贈りたかったのです。ありがとうございました!

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