先の議会でいわゆる「5万円公約(2万円商品券)」に反対しました。
じゃあもう一つ期待の高かった新市長の公約「ごみ袋半額化」にも反対するのかと心配される声もありましたので、ぼくの現時点の考え方をご紹介します。
結論を先に記すと、手順を踏んで値下げすれば良いと考えています。
ちなみにカバー画像は黒井城跡からの雲海。右端、日の出に向けて立ち上っている煙のようなものが、クリーンセンターの煙突からの水蒸気です。分かりますかね?
地球のための負担を誇りに思おう
ごみ袋半額化については、近隣市町と比較して丹波市の費用80円(燃えるごみ大)が高いのは事実です(丹波篠山市45円、朝来市60円、福知山市40円など)。したがって、半額化を目指す一定の根拠はあると考えています。
まぁ、本心を言うと、ぼくはむしろそれを誇りに思っていいと考えています。
人間が排出するゴミは地球環境に負荷をかける。それを処理するには高いコストが必要。だからひとり一人が少しの負担をすることで、それを支えている。
現在80円の燃やすごみ袋1袋を週1回出すとして、1世帯当たりの年間負担は約4,000円です。地球環境への負荷を考えれば、そのくらいの負担はしませんかというのが本音です。
一方で、そうした考え方を別にして目の前の80円という料金だけに目を向ければ、確かに近隣市町と比べて高い。丹波市に暮らすことを他市町と比較された時に不利になるという指摘も、一定程度理解できます(それほど重要な選択基準とは思わないにしても)。
ですから半額化を目指すっていうのは、目標としてはあっていい。
問題は、それが可能かどうか。
このままだとパンクする丹波市のごみ処理能力
丹波市では平成23年、それまで100円だったごみ袋料金(燃やすごみ大)を現行の80円に値下げしました(中は70円から60円)。その時、ごみ処理量は、年間で100~200トンほど増えたそうです。
この経験からすれば、単純にごみ袋料金を値下げすると、ごみ量の増大につながる可能性が高い。
現在、丹波市のクリーンセンターで処理しているごみ量は年間約14,500トン(うちプラごみ300トン)となっています。
春日にクリーンセンターができて以降、年々ごみ量が増えています。持込が増えたのも一因と聞きますが、人口は減少しているのにごみ量は増える、大量消費社会の悲しさでしょうか。
そしてこのごみ量、山南地域の分は含みません。というのは山南地域のごみは、丹波篠山市の清掃センターで処理いただいているからです(そのための負担金は毎年約1億円です)。
しかし将来的にこれは丹波市で処理するべきものです。現在、山南地域のごみ量は年間約2,000トン(うちプラごみ42トン)。
クリーンセンターの処理能力は、1日46トンです。365日稼働させるわけにはいきませんから、週に2日休むとして、年間285日の稼働。とすると13,110トンが処理上限目安となります。
え。今でさえ14,500トン出ているということでしたね。
そうなんです。現状でも、理想的な処理能力を上回り、稼働日を増やして対応している状況なのです。14,500トンを処理しようとすれば週5日稼働しなきゃならない。
クリーンセンター、ぜんぜんやばいじゃん。
だから安易にごみ袋を半額化して、過去と同じようにごみ量の増大を招いたら大変なことです。
ごみの処理費用をみんなで負担する
丹波市の人口65,000人。そのごみの処理に、どのくらいのコストがかかるかご存知ですか?
ざくっとご紹介すれば、丹波市クリーンセンターの運営費は年間6億5,000万円です。その内訳はというと。
- 収集運搬 2億4,000万円
- 処理作業 3億3,000万円
- 灰の処理やリサイクル 3,500万円
- その他の啓発や場内作業等 4,500万円
これと別に、山南地域のごみ処理の負担金約1億円がかかっています。
これに対して、収入はどうでしょうか。
- ゴミ収集手数料 1億2,000万円(これがごみ袋代ですね)
- 持込手数料 6,700万円
運営費6億5,000万円に対して収入が1億8,700万円。
つまり現在のごみ袋料金は、クリーンセンターの運営にかかる経費のおよそ4分の1をごみ搬出者に負担してもらっている計算です。
言い換えれば、4分の3は市民の税金で負担するけど、残り4分の1はごみを出す人が負担してね、ということです。
ごみ袋を半額化するということは、この4分の1にあたる部分の半分、約6,000万円をごみを出す人ではなく、市民みんなで負担しましょうということ。
えー。ごみを多く出す人が多く負担した方がええんちゃうん?
と思われる方もいらっしゃるでしょう。
でも、ごみ袋料金を半額化するためには、みんなで環境コストを分担しようという考え方をまずは認めることです。
市民みんなで負担してでも、近隣市町と単価を揃えていく。
賛否あるかもしれませんが、ここを前提としましょう。その上で、その「市民みんなの負担」をできるだけ抑制する方策を考えましょう。
次のページで、その方策とごみ袋半額への道筋を記します。
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