ごみの減量化がごみ袋の値下げの原資になる
現在のごみ処理費用の負担を、少し乱暴ですが簡略化して「ごみ袋1袋につき」に換算してご紹介します。
【ごみ袋80円あたりをベースに試算】
・収集費用 160円
・処理費用 220円
<合計380円のうち>
・受益者負担 80円(ごみ袋代)
・市の財源 300円(みんなで負担)
仮にごみの処理量を半分まで減らしたとします。
収集は市内全域を周ることに変わりはないので160円から大きく減らないかもしれないけど、処理費用は減ってくる。仮に220円だった費用が半分とはいかないまでも140円まで減ったらどうでしょうか。
【ごみ量が半分になり処理費が4割減ったら?】
・収集費用 160円
・処理費用 140円
<合計300円のうち>
・受益者負担 0円(ごみ袋代)
・市の財源 300円(みんなで負担)
わお。
現在市民みんなで負担している300円を変えないとすれば、ごみ袋は無料にできる。
まぁ、実際はそう単純ではないとしても、ごみの減量化ができれば、ごみ袋値下げの原資となることを理解いただけるのではないでしょうか。
だから、ぼくはまず「ごみの減量化」を先行して進め、その後にごみ袋半額を実現するのが正しい道ではないかと考えます。
どうやってごみを減量化しよう?
徳島県に上勝町というまちがあります。
じつはこの町、「ゴミウェイストゼロ宣言」を行い、ごみの減量化を図っているまちとして有名です。(いろどりっていうユニークな葉っぱビジネスを行っていることでも知られていますが。)
「ZERO WASTE TOWN Kamikatsu」にこのまちの取り組みが紹介されています。丹波市にとっても参考になる点が多くあります。
なによりびっくりするのは、ごみ収集車を走らせず、町民がごみ処理センターまで持ちこんで分類しているということです。
これなども参考に、ぼくなりに考えたのが、以下のようなアイデアです。
- 生ごみコンポスト補助
各家庭に1台ずつ生ごみコンポストを設置してもらうよう、働きかける。丹波市の場合、庭や田畑で利用されるので生ごみ比率は10%を切りますが(都市部では40%あったりするそうです)、それでも生ごみ量の削減につながります。上勝町では導入支援の補助制度を設けられています。 - リサイクル持込センターの設置
空き倉庫等を利用して、各小学校区ごとにリサイクルゴミを持ち込める施設を設置し、住民の集いの場ともする。現在丹波市の分類は15分類ですが、ここでの分類はより細かくできるものとする。 - センターでのより細かい分類
リサイクルごみ持込センターでは、「菓子箱」などより細かい分類を行う。菓子箱等の雑紙は今でも雑誌等と一緒に出せますが、燃えるごみに入っていることが多いのではないでしょうか。ごみの成分では紙や布等が44%といいますので(ビニール等が30%)、これを減らす努力をする。また、プライバシー等を気にして燃えるごみに出される書類等もありますので、センターにシュレッダーを通して出せる紙回収箱を備えるのも有効ではないでしょうか。 - 剪定枝持込センターの設置
剪定した樹木や落ち葉などの処理に困られている方も多いようです。これらを持込み、堆肥化できる施設を、できれば旧町域ごとに作れるといいですね(現在クリーンセンターの近くで実証実験中)。市島には剪定枝を利用した有機肥料を利用されている事業者もあるそうで、そうした活用ができるとオーガニックのまち丹波市らしいモデルができそうです。
目指せ! ごみの処理量2割削減
すぐに全部は無理としても、こうした取り組みに着手しつつ、まずは市民の皆様と「目指せ! ごみの量2割削減」キャンペーンを行う。
2割削減できれば、ごみ袋半額化の原資になります。
削減の様子は、日々ホームページでグラフなどで分かりやすく見せてはいかがでしょうか。実際の数字を見ながら、市民みんなでゲーム感覚で削減を楽しみませんか?
そして、達成できた時には、みんなでごみ袋半額化の喜びを味わう。
そんな取り組みができないかと願っています。
ただ、市民の皆様には、一刻も早く半額化をしてほしい、という思いもあるかもしれません。とすると「まずはプラごみ袋から半額化する」という手法があります。
プラゴミ袋は現在60円。これを半額化することで分別を促進し、30%を占めるビニール等の量を減らし、燃やすごみの減量化を目指すのです。
ただし、半額化は半年くらいの時限措置にして、その間の実際のごみ量の推移を見た上で、仮説通りなら、恒久化する。
そうすることで、市民の皆様も、半額化を続けるために分別をがんばろうというモチベーションになりませんか?
ということで、ぼくの案をひとことで言うなら、「みんなで実現するごみ袋半額化」ってことになります。
数値目標を持つことで、みんなでゴミ減量を達成しゴミ袋半額化を実現する。そんなまちになれたらすごいと思うのですが、いかがでしょう?
【参考】丹波市のゴミ処理契約の現状
参考までに、現在の丹波市のゴミ処理関係の契約の現状を抜粋しておきます。
まず、丹波篠山市との合意事項。こちらは平成29年度から適用されているものです。要点は次の3点です。
- 運営経費の負担割合は均等割20%、ごみ量割80%とすること
- 山南地域のごみ受入期日は令和9年3月末とすること
- 周辺環境や事情の変更があれば両者協議すること
これに基づき、丹波市は丹波篠山市に対して、毎年約1億円の負担金を支払っています。
次に、丹波市クリーンセンターの運営委託についての契約内容。平成29年11月1日から令和12年3月末までの12年間の契約です。
概要は以下の通りです。
- 計画処理量
平成30年度13,313トンから令和8年度11,014トンまで漸減、令和9年度12,790トンとし(山南地域分が増えるため)以降令和11年度12,496トンまで漸減。 - 運営経費見込み
固定費は令和5年度まで年間2億5,567万円、令和6年度以降年間2億9,700万円。変動費は平成30年度5,262万円から令和8年度4,416万円まで漸減、令和9年度5,069万円とし令和11年度4,962万円まで漸減。 - 委託料
委託料は12年間で41億7,852万円(税込)。
なお、委託料については、計画処理量よりごみ処理量が増えているため、本年度12月定例会での補正予算で764万円増額となりました。
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