公平委員会というお仕事

公平委員会の委員である要件は何か?

 「前のページ」で紹介した公平委員会の基礎的知識をもとに、具体的に委員を選任するにあたっての留意点をまとめておきます。
 つまり、同意するにはこのようなところをチェックする必要があるということです。

 まず、地方公務員法にある要件は次の通りです。

2 委員は、人格が高潔で、地方自治の本旨及び民主的で能率的な事務の処理に理解があり、かつ、人事行政に関し識見を有する者のうちから、議会の同意を得て、地方公共団体の長が選任する。
3 第十六条第一号、第二号若しくは第四号のいずれかに該当する者又は第六十条から第六十三条までに規定する罪を犯し、刑に処せられた者は、委員となることができない。
4 委員の選任については、そのうちの二人が、同一の政党に属する者となることとなつてはならない。

地方公務員法 9条の2

 ふむ。チェックしやすいよう、箇条書きにしておきましょう。

  • 人格が高潔
  • 地方自治の本旨に理解がある
  • 民主的な事務の処理に理解がある
  • 能率的な事務の処理に理解がある
  • 人事行政に関し識見を有する
  • 刑に処されたことが無い
  • (委員のうち2人が)同一政党の者でない

 人格が高潔。これは分かります。というか、分かるほかない表現です。

 2番目の「地方自治の本旨」というのは、以前「団体自治と住民自治」で記したことです。首長の権限と住民の権利をしっかりわきまえている必要があると考えればよいでしょう。
 これはね、厳密には結構危ういところの気はしますが、日本国憲法のもとで生きている以上、理解いただいていると前提するしかないかな。

 民主的な事務の処理。民主国家において、多数決を基本とした民主的な事務処理を理解しているのは当然ですね。

 もう一つの「能率的」な事務の処理
 なんでまたこんな言葉が出てくるのかなと思ったのですが、なんと、「国家行政組織法」の第1条の目的に出てきているんですね。
 びっくり。そりゃ、基本の基本だ。分かっておかなくては。

第1条 この法律は、内閣の統轄の下における行政機関で内閣府及びデジタル庁以外のもの(以下「国の行政機関」という。)の組織の基準を定め、もつて国の行政事務の能率的な遂行のために必要な国家行政組織を整えることを目的とする。

人事行政って何?

 その次の「人事行政に関し識見を有する」。
 これも難しいところですね。何をもって人事行政に関し識見を有すると判断するか。

 経歴が書かれているので手がかりにするのですが、人事部等ヒューマン・マネジメント関連の部署の経験があればともかく、それ以外の管理職経験とかならどう考えるか。
 いやいや、そもそも人事管理に詳しい、じゃなく「人事行政」にですね。

 となると、さて。

 丹波市では、「令和3年度人事行政の運営等の状況をお知らせします」から、過年度の人事行政の運営状況の報告書が閲覧できます。
 部局ごとの職員数、給与手当の状況、勤務条件、研修の状況、職員の福祉等についてまとめられています。
 これが「人事行政」の報告ですので、要は、こうした事項について、読み取って判断できる人であることって理解することにします。

 次の「刑に処されたことが無い」というのは自明なので良しとして。

 「同一政党の者でない」という要件。やや意外ですが、昔は政党の意向が人事にはたらいたりしていたのでしょうかね。
 ともあれ、審議資料には「所属政党」の欄がありますので、要チェックです。

他団体との協議状況は?

 ところで丹波市の場合、先に紹介したように、丹波市だけではなく、3団体の共同で公平委員会が設置されています。

 従って、公平委員の選任に当たっても、先に紹介した「丹波市・一部事務組合公平委員会設置に関する規約」において、次のように定められています。

第4条 公平委員会の委員は、関係団体の長が協議により定めた候補者について、丹波市長が議会の同意を得て選任する。

 したがって、この条文通り、協議が行われ選任されたことは、念のため確認しておく必要があります。

 ということで、今回は「公平委員会」についてご紹介しました!

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