企業版ふるさと納税とふるさと寄附金の現状

 企業からの地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)ができたことはご存知と思います。具体的には「地域再生法」第13条の2ですね。

法人が、認定地方公共団体に対し、認定地域再生計画に記載されているまち・ひと・しごと創生寄附活用事業に関連する寄附をしたときは、当該法人に対する道府県民税、事業税及び市町村民税並びに法人税の課税については、地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)及び租税特別措置法(昭和三十二年法律第二十六号)で定めるところにより、課税の特例の適用があるものとする。

(地域再生法第十三条の二)

 今回、これに伴う議案が提案されています。

議案20号 丹波市ふるさと寄附金基金条例の一部を改正

 寄附いただいたものの年度内に使いきれない分は基金に積み立てることになります。

 ただ、現行の「丹波市ふるさと寄附金基金条例」では個人からの寄附を想定し、基金処分の使途は「寄附者の意向を反映した事業」としか記述されていません。

 具体的には、処分については第6条。

第6条 基金は、第1条に規定する基金の設置の目的を達成するために必要な経費の財源に充てる場合に限り、その全部又は一部を処分することができる。

 で、参照されている第1条は設置についてで、以下のようにあります。

第1条 丹波市のまちづくりに対する寄附金を財源として寄附者の意向を反映した事業を推進するため、丹波市ふるさと寄附金基金を設置する。


 個人の場合は、市の「ふるさと寄附金にご協力ください」にあるように、「丹波竜・移住・定住・観光」「農業・林業・産業の振興」などと活用項目を指定して寄附する前提です。なので「寄附者の意向」を反映した事業に使うとしておけばよかった。

 一方企業の場合は前述の「地域再生法」にあるように、「認定地域再生計画」に記載されている事業への寄附を前提としています。だから使途も当該事業に絞られます。

 基金条例が現状のままだと、企業からのふるさと納税を基金に積み立てても使えないことになります。
 ということで、基金条例を改正しなくてはならない。

 ちょっとクイズ。もととなる条例が短いので、興味のある方はチャレンジしてください(^^)。

 あなたなら、どのように改正しますか?

基金条例を改正し企業からのふるさと納税に対応

 答。

 今回の「丹波市ふるさと寄附金条例の一部を改正する条例」の条文を引用しましょう。

丹波市条例第〇号

丹波市ふるさと寄附金基金条例の一部を改正する条例

丹波市ふるさと寄附金基金条例(平成23年丹波市条例第42号)の一部を次のように改正する。

第6条に次の1項を加える。
2 地域再生法(平成17年法律第24号)第13条の2に基づく寄附金は、まち・ひと・しごと創生法(平成26年法律第136号)第10条第1項に規定する市町村まち・ひと・しごと創生総合戦略として策定する計画に掲げる事業の経費の財源に充てるものとする。

附 則
この条例は、公布の日から施行する。

 どうですか。

 処分を規定した第6条に、「まち・ひと・しごと創生法」第10条第1項に規定されている戦略、つまり「創生総合戦略」にある事業に使う場合に基金を処分できると追加するものですね。
 改正後の第6条は次のようになります。

第6条 基金は、第1条に規定する基金の設置の目的を達成するために必要な経費の財源に充てる場合に限り、その全部又は一部を処分することができる。
2 地域再生法(平成17年法律第24号)第13条の2に基づく寄附金は、まち・ひと・しごと創生法(平成26年法律第136号)第10条第1項に規定する市町村まち・ひと・しごと創生総合戦略として策定する計画に掲げる事業の経費の財源に充てるものとする。

 さて。

 今年度は、750万円の企業版ふるさと納税を基金に積み立てる予定です。

 「信金中央金庫様からの寄附について」にあるのが、こうした企業版ふるさと納税の一例です。
 1,000万円を子育て支援として寄附いただき、うち400万円をハッピーバース事業に、600万円を子育て公園整備に利用したいと。

丹波市へのふるさと寄附金の増減と使途

 ところで、丹波市へのふるさと寄附金って、どのように推移してきたのでしょうか。
 新年度予算ガイドに付されたグラフを引用します。

ふるさと寄附金推移

 制度が始まった平成23年度は54件874万円でした。その後は同様の水準が続きましたが、平成26年度205件5,122万円、平成27年度1,244件6,949万円と増加し、ある種のブームとなった平成28年度は1万4,174件3億2,211万円を記録しました。

 しかしご存知の通り過熱感から返礼品の金額割合を抑制するなどの総務省の方針もあり、翌平成29年度は4,916件1億3,318万円と落ちつきました。そこから再び盛り返し、令和2年度は12月末現在で9,164件2億2,092万円となっています。

 令和3年度予算は、3億円で見込んでいます。

 ではどのようなところに使われているのでしょうか? 令和3年度予算から確認します。

  • 移住や観光など
    丹波竜の魅力PR 700万円
    高校卒業後のふるさと住民への特産品贈呈 150万円
  • 子育てや文化など
    小中学校の図書や教材 1,200万円
    ハッピーバース応援(前述企業版400万円含む) 1,000万円
    文化ホール維持管理 650万円
  • 防災や地域づくり
    高齢者用緊急通報システム 200万円
    未来を担う消防官 50万円
    自治協議会デジタル事務局 70万円
  • 医療福祉
    青垣診療所機器更新 1,520万円
    福祉人材確保 400万円
  • 市政全般
    自治協議会地域づくり事業 2,200万円
    寄附金への記念品 8,940万円

 合計1億7,000万円、差額の1億3,000万円は基金に積み立て、令和3年度末の基金残高を5億4,980万円と見込む計画です。

“企業版ふるさと納税とふるさと寄附金の現状” への1件のコメント

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