2019年度決算を予算と比較する

 9月議会が閉会しました。

 9月議会の重要な議題は決算の審査です。今年の3月末までの「令和元年度」の決算を審査し、認定しなければなりません。
 決算審査の主な流れについては、昨年度の決算審査に伴ってご紹介した「決算審査の勘所」に書かせていただきました。

 また、財政の健全性等の大きなチェックについても、昨年度のブログで紹介していますので、よろしければ併せてご覧ください。

予算へのサイクルに活かされてこその決算審査

 決算審査の役割は何か。

 そのひとつは、これから年末にかけて本格化する次の予算編成に反映させることでしょう。「予算と決算のサイクルを回す」ことは、議会改革においてもテーマの一つとして取り上げられています。

 ただ正直なところ、このところの丹波市議会での議論は、領収書のひとつひとつを取りあげて質問するような事務的作業のチェックに多くの時間が割かれ、予算に向けての政策的な議論までできているとは言えないように感じています。

 そのこと自体は補助金の不正支給など事務ミスが相次いだ中にあって仕方がない面があります。しかしだからと言って、政策的観点からの監視をおろそかにしてはいけない。今年度は、そんなことをより強く意識して審査にあたりました。

 そのための方法のひとつは、オーソドックスですが、予算と比較して結果を評価するという見方です。

 予算と比較するといっても、市が行っている事業はおよそ600ありますから、そのひとつひとつを見ていくことはたいへんです。
 そこで、まずは『予算ガイド』として丹波市から出されている、いわば市として力を入れている事業について、チェックします。

 以前「2019年度予算案を読む」で紹介したように、丹波市として令和元年度に力を入れた分野は10分野ありました。

主要施策1)シティプロモーションによる地方創生
主要施策2)安全・安心なまちづくり
主要施策3)医療・保健・福祉・介護の連携
主要施策4)暮らしを支える都市基盤の構築
主要施策5)産業振興の強化・充実
主要施策6)農業の持続的発展
主要施策7)森林環境譲与税の活用と丹波の森づくり
主要施策8)人材育成と交流の輪づくり
主要施策9)次代を担う子育て支援
主要施策10)市民総がかりの教育の充実

 これら主要施策の中に含まれている事業数は約100です。ぼくが所属している会派「丹新会」では、5名のメンバーで主要施策を2つずつ担当し、それぞれ自分の担当分野の主要施策の評価を行うことにしました。

 ぼくは「シティプロモーションによる地方創生」と「農業の持続的発展」です。このふたつの分野に含まれる主要施策の決算結果について、ご紹介します。数字は決算額、カッコ内は予算額です。
 なお、決算額については、事業が他のものとあわせて行われており、決算書からそこだけ抜き出すのが難しい内容もあるので、推定の記述、ないし不明のものもあります。

シティプロモーションをどう評価するか?

シティプロモーション推進事業 2,270万円(2,891万円)

 予算より少なく済んでいます。中身を見ると、「戦略委員」が活用できず、予算が80万円ほど使われていません。
 ぼくはシティプロモーションについては辛口で評価してきました。個別には良い事業も育っています。しかし基本となる評価指標に関して、市への誇りを醸成することに力を注ぐべきなのに、観光振興と同じく市への入込数を評価指標としており、愛郷心を育むという重要なことがおろそかになっていると。
 こちらから何度指摘しても、市の姿勢はあらたまりませんでした。戦略委員会等で検討いただけたのかどうか。
 問いただしたところ、そもそも戦略委員というのは個々の事業の段階で専門知識を活用するための委員であり、シティプロモーション全体の戦略に意見をもらうものではなかったとのことでした。
 うーん、とすると、内部だけの判断で当方からの提案は却下されていたのですね。残念です。本事業はこの年度で終了しました。

ふるさと住民登録制度 10万円程度?(118万円)

 登録者数は今年2月25日時点で363名。うち6割が男性。年代としては60代が80人、70代69人、40代65人、50代56人、30代48人、20代25人と続きます。
 これ、今年度はサイトを作る予定になっています。関係人口という、今後の施策の方向にとっても重要な課題を背負っている事業です。アンケートを取得して今後の戦略に活かすということですが、そのサイクルがしっかりされるか。まだ2年目なので、継続して見守っていく必要を感じます。

「このまちとともに~丹波市の歌~」の普及 ?(40万円)

 吹奏楽用に編曲したり、音楽会で合唱したりと展開。歌への投資はこの年度でほぼ完了ですね。

市民憲章の制定 17万円+α(68万円)

 市民のよりどころになる憲章。みんなで唱和するとかではなく、しっくりと浸透させてもらいたいと思っています。

市制施行15周年記念事業 115万円(335万円)

 記念式典のほか、上方演芸会、記念イベント「新兵庫史を歩く」からなる事業です。記念イベントがコロナウイルス感染症の関係で延期となっています。もっとも、講師料や記念誌作成費などが予定より少なくて済みました。これらは賢い節約といえます。

たんば移充テラス運営事業 2,222万円(2,232万円)

 事業そのものがすべて民間委託なので、内訳が分かりづらいです。
 ただ成果としては、相談件数こそ2,355件から1,994件に減少したものの、こちらを経由して移住された方は28世帯56人(前年29世帯52人)とキープしています。1人あたりで考えると獲得費用40万円というところですね。ちょっと調べたところでは、企業の1人当たりの求人費用の平均が50万円ですから、費用対効果としては、このくらいで良しと考えるべきかなと評価しています。
 あと、移住後のサポートにも力を入れ始めているところが良い点と考えます。

水分れ資料館のリニューアル 1,860万円(1億1,519万円)

 入札の不調があり、今年8月の開館予定を来年度に延期したという事情があります。
 全体の費用としては3億182万円を予定している大きな事業です。まだ市民への理解が浸透しないところがありますが、日本の他の自治体ではぜったいに真似できない資源であり、生物多様性や文化の交流など、丹波市の特徴を支える資源です。
 「市民の誇りを~氷上回廊保全条例」で記しましたが、シビック・プライドの醸成につながり、丹波市の核になる魅力を支えて発信するものと考えています。

農業振興策の方向性

農の学校の開校 1,581万円(2,023万円)

 有機農業のまち、丹波市からの人材を輩出する重要な事業です。1,412万円の指定管理料は予定通りですが、受講生や修了生の家賃補助が予定の3分の1程度で済んでいます。家賃相場や、自宅から通う人などがあった影響でしょう。

市島有機センターの施設拡充 1,258万円(1億1,917万円)

 ストックヤードを新築する予定でしたが、地元協議が長引いて、次年度に延期となりました。従って、大きな減額となっています。
 堆肥販売が減少しているとあるのが気がかり。

環境創造型農業の推進 ?(80万円)

 推進懇話会の費用として想定されていた予算ですが、執行された形跡がありません。
 問いただしたところ、コロナ対策に人員を回したことで、事業執行の体制を作れなかったとのことでした。やむなしですが、丹波市にとって重要な施策と思うのですがね。

丹波市農畜産物等の輸出推進 117万円(250万円)

 輸出希望事業者への経費補助(1/2)を行ったもの。3社が対象となりました。
 現在の丹波市の現状を考えると、こうした手上げ方式では無理があるように思います。滋賀県高島市などは「特産品海外販売戦略事業業」として民間委託してプロデューサーをつける形で力を入れていますが、丹波市も本気で海外進出を支援するなら、こうしたプロデューサーが不可欠と考えます。
 そうでなければ、いったん廃止というのが筋です。国内市場はまだまだ可能性がありますし、商品を磨いてから再挑戦する方向が良いのではと。

指定特産物の生産支援 ?(150万円)

 水稲、黒大豆、若松、にんにくなどなどの生産や加工に必要な機器の購入補助です。法人等が対象です。

小豆、山の芋の推進 800万円?(1,520万円)

 小豆の購入費用を上乗せすることで、単収をあげていこうとするもの。
 本来、特産物というなら、たとえば丹波市に来れば一連の小豆畑となっているみたいな光景が見られるようでないといけないように思います。淡路のたまねぎとか、丹波篠山市の黒豆などはそれに近い光景が見られます。一方で丹波市は残念ながら。
 どうすれば良いか。「指定特産物の生産支援」事業も合わせて、もう少し総合的にとらえて、知恵が必要ですね。

 ということで、主要施策のうちふたつの分野にあげられた、個別事業をレビューしました。決算審査を通じて得られた成果を「次のページ」でご紹介しています。

“2019年度決算を予算と比較する” への1件のコメント

  1. 重ねてコンプライアンスの徹底と職場風土の改善を求める決議で隠蔽(体質)で議論していたが、車検切れはのことは先週知ったよ。これって隠蔽じゃないの? 利用する者にとって重要なことだよね。このような大事なことは弱者まで届かないし、面倒な業務は隣課や他課から一個人に押し付けてくるし、パワハラも隠蔽されているよ。隠蔽体質だから。議員さんたちぜんぜん見に来ないね。職員がしっかり働いているかどうか。これが市政風土なのだ。

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