9月議会での議案審議あるいは施行日の謎

 9月議会が始まりました。この議会は決算審査が重点になります。とはいえ、補正予算(総額9億9700万円)のほか、通常議案も13議案提出されています。主なものを紹介しておきます。

議案85号 丹波市市民憲章の制定

 市政15周年を契機として、市民憲章を定めようとするもの。所管事務調査段階で委員会に報告されていますし、パブリックコメントもあって皆さんからの意見も受け付けてましたね。下記に案を掲載しておきます。

議案86号 成年被後見人等の権利の制限に係る措置の適正化等を図るための関係条例の整備に関する条例の制定について

 認知症なども含め、知的障害等のある方を社会全体で支える、というのが国の方向です。そのためにあるのが成年後見制度なのですが、十分に利用されていないのが現状。そこで「成年後見制度の利用の促進に関する法律」が平成28年に公布され、利用を後押ししています。(「成年後見制度利用促進」参照)

 これに基づき、国では、成年被後見人及び被保佐人の人権を尊重し、不当に差別されることがないようにしました。たとえば具体的には、地方公務員法16条には職員となることができないものとして、その1号に「成年被後見人又は被保佐人」とあったのですが、それを削除しました(令和元年「成年被後見人等の権利の制限に係る措置の適正化等を図るための関係法律の整備に関する法律」による)。

 今回の条例改正はこの法律に基づいて記述されていた丹波市の条例の該当部分を改正するとともに、「丹波市消防団条例」でも成年被後見人又は被保佐人は消防団員になることができないとされていたのを削除するものです。

議案87号 丹波市会計年度任用職員の給与及び費用弁償に関する条例の制定

 国の法律が改正され、自治体の非正規職員に「会計年度任用職員制度」が2020年4月から新たに導入されます。
 丹波市に限らずですが、自治体では職員数をスリム化する方向にあり(丹波市の現在の職員数は約680名ですが「定員適正化計画」の目標は来年度約650名です)、代わりに非常勤の職員さんが増えているのが現状です。

 これまでの法律では非常勤職員は「特別職非常勤職員」「一般職非常勤職員」「臨時的任用職員」に分かれていました。これを「特別職非常勤職員」「会計年度任用職員」「臨時的任用職員」に分類しなおすものです。
 具体的には、「特別職非常勤職員」は専門的な知識を有する等特別であることを明示して限定、「臨時的任用職員」も欠員補充に限定する。これによって、現在はこの両者で採用されていた方が、「一般職非常勤職員」だった方も含めて、すべて「会計年度任用職員」となります。会計年度任用職員にはパートタイムとフルタイムがあります。

 ちなみに、現在丹波市では非常勤職員さん348名、臨時的任用職員さん160名がいらっしゃり、制度移行後はすべて会計年度任用職員になりますが、そのうちフルタイムはゼロで、パートタイムが537人になるとのことです。

 利点としては、会計年度任用職員には期末手当を支給できるようになります。
 そういうわけで、この新たな制度に即した条例が今回提案のものです。なお、名前の通り、年度ごとに採用(再任用は可能)するのがこの職員さんです。

議案88号 丹波市議会議員の議員報酬、費用弁償等に関する条例の一部を改正する条例
議案89号 丹波市特別職の職員で常勤の職員の給与及び旅費に関する条例の一部を改正する条例

 議員報酬及び市長、副市長、教育長の給与を5%アップするという内容です。民間の方々を中心とする「特別職報酬等審議会」に諮問され、その答申に基づいて行われます。
 実は合併以来15年間、一度も審議会が開かれてきませんでした。一般の職員の方の給与は人事院勧告に基づいて上昇してきました。

 5%あがっても兵庫県内の市との比較ではまだ下の方です。報酬をあげないと議員の成り手がないという議論もありますが、正直、報酬の問題ではないと思っています。一方で、4年ごとに審判を受ける不安定な身分ゆえ、この金額ではしんどいのが実情ではあります。

議案90号 丹波市印鑑条例の一部を改正する条例

 「住民基本台帳法施行令等の一部を改正する法律」の施行により、住民票やマイナンバーカードに旧姓を併記できるようになります。(総務省サイト参照)

 銀行口座を旧姓で作っていたり、仕事で旧姓を使っていたりするとき、本人確認の際に旧姓が併記されていることで、そのまま通用しますね。
 旧姓であっても印鑑登録できるようにするための改正です。

議案91号 丹波市福祉事務所設置条例の一部を改正する条例

 福祉事務所を春日庁舎から市役所第2庁舎(旧氷上保健センター)に移転するための住所変更を行うものです。

議案92号 農作物共済特別積立金の取り崩し

 水稲被害に備えてのものです。当初予算額の限度内での取り崩しです。

議案93号 市道路線の廃止

 地元からの要望にそって、上成松公民館に隣接する市道を廃止するものです。グラウンドと一体となっており、道路として利用されていないのが現状です。

議案94号 丹波市下水道条例及び丹波市コミュニティ・プラント及び農業集落排水処理施設条例の一部を改正する条例
議案95号 丹波市水道事業給水条例の一部を改正する条例

 消費税が10月から変わります。水道の検針は地域によって時期が違いますので、税額の対象となる月にずれが生じることになります。この格差を解消するための改正です。

 なお、下水道の方は「公布の日から」施行となっていますが、水道の方は10月1日と施行日が明示されています。
 これは水道事業給水条例については、「指定給水装置工事事業者の更新手数料」についての規定も合わせて変更するため、施行日を10月1日と明示する必要があるためです。

 じつは「公布の日から」という表現、これまでなんとなく読み飛ばしていました。正確に把握したのは今回が初めてです。いやはや。
 条例等で施行を「公布の日から」と書いた場合、実際いつ公布するかは、議会で可決した日から20日以内と定められています。その間の任意の日ということですね。
 なので、21日以上先からの施行日であったり、ある日を境に料金表をいっせいに改めるなど、特に期日を定める必要がある場合以外は、「公布の日から」の施行でいいわけです。

 前回の消費増税に伴う改正の際は、料金表そのものを改定したため、4月1日と期日を明示していました。今回の下水道は11月料金が対象ですので、10月1日である必要はありません。

議案96号 丹波市特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業の運営に関する基準を定める条例及び丹波市特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業の利用者負担に関する条例の一部を改正する条例

 いわゆる幼児教育・保育の無償化に伴う改正です。無償化後も給食費は実費負担だったりもするので、詳細は「教育たんば 令和元年度8月号」をご覧ください。

議案110号 消防団ポンプ自動車購入変更契約の締結
議案111号 小型動力ポンプ普通積載車等購入変更契約の締結
議案112号 黒井小学校西校舎大規模改造工事請負変更契約の締結

 それぞれ6月議会で可決した契約ですが、消費税が10%になることに伴い、金額が変更となるため、変更契約をあらためて議決するものです。いずれも、受け渡し日が10月1日以降となります。

“9月議会での議案審議あるいは施行日の謎” への5件のコメント

  1. 議案87号 丹波市会計年度任用職員の給与及び費用弁償に関する条例の制定についてですが、私の任用条件が不利益変更になります。なぜフルタイム任用職員がゼロなのでしょうか? 納得いきません。
    私の仕事はフルタイムでなくては成り立ちません。それに給与毎月20%カットですよ。この制度は能力に見合った任用条件にするように配慮してくださいとなっています。第193回国会閣法第51号 附帯決議
    非常勤の給与のうわまえをはねて奴隷のように働けっていっているようなものですよ。
    いつも非常勤は不当な扱いをしている。議会で不当な扱いをしないと宣言していましたよ。
    なんとかなりませんか?

  2. ありがとうございます。フルタイムについての議論は先の委員会で確認したところ、ほぼフルタイムなのだけれど12月だけ17日勤務になっているためにフルタイム任用にあたらないとの話。(なんだか恣意的な感じがしました。)

    本来、同一労働同一賃金にするための制度変更であり、丹波市でも給与に振り向ける予算は増額となるわけですが、不当労働を生んでは趣旨に反しますね。監視していきます。給与カットなど不当な扱いがありましたら、個別にでもご相談ください。

  3. 返事ありがとうございます。私の任用条件は平成29年4月の採用時に任用更新回数が最大4回。つまり平成33年度まで雇用されることになりますが、それが今年に入って会計年度任用職員になるから更新なしになってしまった。詐欺にあった気持ちです。納得できないことを職員課に訴えましたが、説明に来ません。無視されています。当たり前の仕事をしないようです。逃げ腰です。何か不都合でもあるのでしょうか。
    会計年度任用職員制度になると給与20%カット、パートタイム任用職員でないと更新しないと言われましたよ。ボーナスを支給すると言っていますが、6か月以上、1年以上勤務しないといって支給しない。会計年度任用職員の任用期間は最大1年なので下手したら支給されません。それがねらいです。議会ではいいことしか言いませんが、非常勤には不当な扱いですよ。まじめに働くのが嫌になります。
    みんな不安でモチベーション下がっていますよ。私は眠れない日々を送っています。
    不利益です。気持ちよく安心して働けないのでしょうか?

  4. ご返事遅くなりました。本件に限らずですが、職場でのモチベーションの低下については、先の議会運営委員会でも話題に上がりました。議会としてどのように取り組むべきか、考えて参ります。課題やご提案ありましたら、ぜひお聞かせください。

    契約期間については、制度上どうしても年度単位になります。しかし再任用は可能なので、そのことをしっかり伝えていく必要がありますね。条件面は現在組合との交渉がされているということなので立ち入れませんが、先日の委員会では基本は「現給保証」とされていました。ただ考えてみれば、ボーナスが出るようになるということは、年間での現給保証と考えると月々の給与額は下がる可能性がありますね。しかし月給は生活に直結するので、配慮は必要。そのあたり、今後の交渉の中で不利益が無いよう解決されることを期待します。

  5. ピンバック: 議案撤回?!

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