高齢化社会への対応
待ったなしの高齢化社会。この分野では「地域包括ケア」の実現が必要です。
・健診から始める健康づくり事業 7,685万円(検査委託料7,099万円含む)
健康づくりのベースに「健診」を置くというのは、分かりやすくて良いと思いました。
ミルネ健診センターが整備された丹波市ならではのアプローチでもあります。かかりつけ医でも特定検診、後期高齢者健診が受診できるようになるというのも嬉しい。巡回健診も継続されます。
健診結果のビッグデータ活用といったアプローチにも取り組んでもらいたいと考えます。
・地域共生社会の実現を目指した各部門別計画の策定 計画ごとに200万円~700万円
・地域支えあい活動推進モデル事業 240万円
・福祉まるごと相談窓口 728万円
福祉については「地域福祉計画」が上位計画です。その中で、「介護保険事業計画」「障がい者基本計画」「障がい福祉計画」「障がい児福祉計画」「子育て支援計画」「健康たんば21」「DV基本計画」を整合させていこうというもの。
これ、とても重要ですね。
そして、旧町域ごとに1箇所を目安に「モデル事業」が行われます。「相談支援体制を確立する」「家事支援」「集いの場を活かした相互見守り活動」などテーマを設定して行われるものです。
さらに。福祉相談窓口。以前よりワンストップで対応する窓口の必要性を感じていましたから、こういう分かりやすい窓口ができるのは市民にとってとても嬉しいのではないでしょうか。
計画と、実践。福祉分野については、取り組みの本気度を感じます。地域共生社会の真の実現に向けて、この調子で骨太に取り組んでもらいたいものです。
・公共交通の充実 1億7,571万円
高齢者にとっては自動車に代わる「足」も重要。
1億を超える結構な予算です。大きいのは、バス路線を維持するための補助金が6,045万円、デマンドタクシーの運営に5,345万円。あと、中型ノンステップバス(3,020万円)とデマンドタクシー車両(1,447万円)の購入が予定されています。
新しい事業としては、中学卒業時にNicoPaを配布し、路線バス利用を促す事業が始まります。ただ、路線バスが走っていない市島地域と上久下地域の生徒さんにはICOCAを選択することも可能にするとのこと。
今後、デマンドタクシーにロケーションシステムの導入も研究するとのことです。仮にそれが進んで今どこを走っているのかが分かり、予約がしやすくなると、よりいいかも。
なお、福知山線の利用促進のためにも別途2,911万円の予算。これには、石生駅と市島駅の券売業務委託料1,250万円が含まれます。
子育て支援と少子化対策
とはいえ、人口減少を座して見ていてはいけない。
何より重要なのが出生率を向上させることですが、今一つ力強さが感じられません。
・病児保育事業実施に向けての検討 48万円
・公園改修事業 氷上さくら公園で3,300万円
・ひとり親家庭の医療費助成 2,013万円
病児保育はぜひ実現したいもの。ひとり親家庭への支援も、喫緊の課題です。
また、「遊べる公園が無い」という声はアンケートでも多いので、市内何カ所かの公園の整備を行っていくという方向性を出したのはたいへん有意義なことと思います。ただ、できれば個別に出していくのではなく、「丹波市子育て公園化計画」みたいな打ち出しをして魅力を分かりやすく伝えたいものです。
森での遊びなどを加えて、丹波市が子どもたちにとって魅力的な「公園」なんだと思ってもらえるようなブランディングをすると良いのではないでしょうか。
・結婚に伴う新生活のスタートを応援 450万円
新生活を送る時の引っ越し費用などを補助します。
少子化の要因のひとつに、晩婚化、非婚化があります。これを解決するアプローチをさまざまに行う必要があると考えており、こうした事業は重要です。もっとも、内閣府が行っている結婚生活支援事業に、遅まきながら乗っかったということなのですが。
・スクール・サポート・スタッフの配置 378万円
・行政・教育アドバイザーの設置 41万円
東小学校で効果があったということで、6名を配置。教材の印刷や整理、学校だより等の配布、給食支援などが業務とのこと。教育の質というより、働き方改革のため、雑務を支援するというイメージですね。
カーネギーメロン大学の金出武雄教授に就任頂き、月1回ずつ程度助言をいただくということのようです。IT系に強い方。春日町出身で、今は丹波篠山市在住とのこと。期待したいです。