議案審査だけではない、市議会の重要な役割

さて、今回は委員会の様子についてお知らせしましょう。

委員会制度については「それぞれの委員会選び」でも書きましたが、もう一度おさらいしておくと、議長を除く19人の議員がそれぞれ「総務常任委員会」「民生常任委員会」「産業建設常任委員会」に分かれて、本会議からの付託を受けて、より専門的に、それぞれが管轄する議案を審議し、本会議に報告します。

今回の本会議でも、委員会への付託を受けて、議案を審査しました。農業委員会関係の議案なら産業建設委員会へ、福祉センターの委託議案なら民生常任委員会へといった次第です。

で、初めて委員会に参加して、またまた発見が。

なんと、委員会では、議案の審議以外に「所管事務調査」ってのがあるのですね!
これは、委員会が所管する部署における現在の懸案事項について報告を受け、質疑するものです。つまり、議案に関係なくても、日々の業務における重要課題についても質疑をするのですね。
たとえば、ぼくが所属する総務常任委員会では、主として、次のような所管事務調査が議事にあげられていました。

  • 第4次学校施設整備計画
  • 認定こども園の進捗状況
  • 保育教諭・保育士給与等実態調査結果の報告
  • 平成28年度財政収支見通し
  • 公共施設等総合管理計画の策定
  • 第2次丹波市総合計画実施計画
  • 丹波市法令順守の推進等に関する条例の制定

これが、あなどれません。その証拠に、総務常任委員会を受けた新聞報道では、さっそく「公共施設34%超削減」「平成31年度から財政赤字」といった見出しが躍っていました。常任委員会の場で行われる行政からの事務報告に、市民の関心の高いものが混じっていることが少なからずあるわけですね。

同様に、新病院の建設計画などは民生常任委員会の所管事務調査として重要な課題です。民生常任委員会は、議案審査に先立って、所管事務調査だけで1回開催され、新人議員にもこれまでの経緯を共有できるように配慮されていました。

以前に「地方議会が国会より権能が広いわけ」で書いた「地方議会は議事機関として具体的事務処理についても意思決定機関として権能を持つ」ということの意味を、実地で知った気がします。

なお、所管事務調査については、継続案件としてあげておくことで議会が開かれていない間も、委員会を開催して質疑することができます。
というかむしろ、一つか二つは「継続」としておくのが通常のようです。というのは、当局としても議会が開かれていない間に何らかの報告や、議会としての検討をもらいたい事項が発生するかもしれないわけです。そんなとき「継続」があると、それを口実に(というといい方が悪いかもしれないけど)委員会を開催し、議会の意見を聞くことができるというメリットがあるわけです。
なんだか、おもしろいな。

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