団体自治と住民自治~二元代表制に思う

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先の6月議会で議会改革特別委員会が設置され、丹波市議会基本条例の見直しとそれに伴う議会改革がいよいよ本格化します。

基本条例の見直しは、同条例の29条で「一般選挙を経た任期開始後、できるだけ速やかにこの条例の目的が達成されているかどうかを議会運営委員会において検討する」とあることに基づくものです。
丹波市議会では、3月議会時に「議会改革推進チーム」が発足し、その報告を受けて、この度の特別委員会の設置となりました。ぼくは、特別委員会の委員として、議会改革推進チーム時代から引き続き、業務にあたります。

少し古い話になりますが、2月には、明治大学の中邨章名誉教授から議会改革について学びました。

先生の言葉の中で、考えさせられることがひとつ。
ご存知のように、地方自治は市長と議会による二元代表制と言われます。しかし中邨教授によると、そんなのは嘘、だそうで。

二元代表制は機能しているか?

というのも、二元と言いながら、市長の権限が圧倒的に強い。

そう言われて考えてみれば。経営の3資源は「ヒト」「モノ」「カネ」と言いますが、議会事務局の人事権は市長にありますし、議事堂は市の施設、議会予算も市長が立案する。経営資源すべて市長が握っています。

おまけに、市長はメディアにもよく出るけれど、議員が出ることって、ほとんどないですよね(フォトジェニックという表現を仲邨教授は使われていました)。他の地方自治体を見ても、議会が目立つとすれば、人気首長の敵役としてくらいかもしれません(笑)。

丹波市議会基本条例の前文に、次のように書かれています。

地方議会は、二元代表制の一翼を担う重大な責務のもと、地方公共団体の事務執行の監視機能及び政策立案機能を十分発揮しながら、日本国憲法に定める地方自治の本旨の実現を目指すものである。

二元代表制の方はともかくとして、実現を目指すとしている「日本国憲法に定める地方自治の本旨」も気になります。
憲法にあたってみれば。

第九十二条 地方公共団体の組織及び運営に関する事項は、地方自治の本旨に基いて、法律でこれを定める。

これですね。ところが、ここでいう「地方自治の本旨」とはどんなものか、憲法にはいっさい書かれていないのです。
学説をひもとけば、地方自治の本旨とは次の二つの要素からなるというのが通説のようです(「地方自治の要素と議員としての役割」も参照のこと)。

団体自治
地方自治体がその権限と責任において、国から独立した形で地方行政を処理すること。
住民自治
自治体の住民の意思と責任に基づいて地方の行政を行うこと。(いわゆる民主主義)

ふむ。まてよ。

そうなると、団体自治を担うのが主として市長の役割で、住民自治を支えるのが住民の代表としての議員と考えてもいいのではないか。

首長の役割と議会の役割を単純化してみる

もちろん、市長も住民の代表として選ばれるのですが、多様な住民の声を的確に反映できるのは議会であると考えてみる、少なくとも、とりあえずは思考実験的に、そのように単純化して考える。そうすると二元代表制の両輪を同じように選挙で選ぶことの意味が、クリアに見えてきます。

これまで、地方分権といいながら、その視点は団体自治が中心であったように思います。だからどうしても市長の権限が大きい。

だけど。上記のように考えるなら、市長の権限の大きさは国から独立した運営をかちとるための大きさであり、議会に対する大きさではないはずです。

そして。これはいっそう重要な視点なんだけど、これからは住民自治こそ、強化しなくてはいけない方向になる。

平成26年から施行された「丹波市自治基本条例」も、そういう時代の流れにあって、住民自治を団体自治のもとで担保していくための条例であると考えれば、すっきりしてきます。

であるならば市議会は、住民自治の側に立って、団体自治と対峙し、車の両輪とはいえ車軸はつながらない状態で(この表現は先輩議員の言葉です)、市政の両輪を担う覚悟でいなくてはならない。

市議会が「開かれる」ことの重要性を再認識した学びでした。

研修風景

研修会。中邨教授からは丹波市議会は進んでいますと言っていただけました。定数の削減、議会基本条例の制定、議会報告会の開催や政策討論会の開催。反問権の導入やインターネット中継、議事録の公開も進んでいる。政治倫理条例も制定している。議会報も読みやすいように工夫をしている。先輩の手柄とはいえ、嬉しいことでした。

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