オンラインショップ成功術(2000年版)Vol.1

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その昔、文筆業を主にしていた頃の原稿から、ちょっと拾ってみます。

それというのも、時代は大きく違うのですが、ぼく自身の考え方の根本はそう変わっておらず、それをお伝えする手助けになるかな、と思ってのこと。

以下は、2000年の原稿。今から16年前、日本の消費者向けEC市場は3,500億円(今では『楽天』だけでもこの何倍も売ってますね)と通信白書で言われていた頃の話です。

「EC情報術」と題して、オンラインショップの運営者向けに書いた原稿です。

企業の将来さえ左右するECマネージャーの情報判断

「利用層が少ないから、売上は期待していません」

ECサイトのコンサルティングに携わっていると、ときにそんな言葉に出会う。5年ばかり前なら女性向け商品を扱うショップのオーナーから、いまならシニア向けショップの運営者から。業務を受ける側の精神的負担を軽くしようという配慮かと感謝しつつ、ちょっとした違和感を感じてもいた。

その違和感をひとことにするなら、「ほんとうに市場がないのか」ということだ。1995年当時のオンラインユーザ調査によれば、女性比率は5%弱、女性の利用層が少なかったことは確かだ。とはいえ、女性比率が4割に達した今なら市場があるかというと、競争が激しくなったことで市場参入はむしろ難しくなっている。つまり、ある店舗にとっての市場ということに関していえば、女性比率4割の現在より、女性比率1割未満の時代のほうがあったといえるのではないだろうか。

同じことが現在のシニアユーザにも言えるだろう。確かに利用率は他世代よりも低い。しかし、その情報を正しく読み取らないと、ECマネージャーとして大きな戦略判断ミスをおかしてしまう可能性がある。
では、ECマネージャーにとって、情報の正しい読み取り方とはなんだろう。

数字を頭で受け取るのではなく肌感覚で納得できるところまで砕く

あるカレンダー販売サイトの話をしよう。このショップでは、昨年よりカレンダーに企業名を入れて100部単位で納品する「ネームプリントサービス」を開始した。いわば企業対企業の取引だ。

BtoB(企業間取引)市場は、平成12年度版通信白書によれば昨年度約14兆円が2005年には103兆円になろうという成長市場。だが、ECマネージャーであるあなたにとって、兆単位の数字はほとんど意味を持たないのではないだろうか。前述カレンダーショップの店長はBtoB市場の成長を確信していると言うが、それは通信白書にあるからではなく、今年の受注開始以来1カ月間の受注額がすでに昨年全体の4倍弱となったからにほかならない。そう、ECマネージャーにとって意味のある数字とは、こうした肌で感じることのできる数字なのだ。

先の女性比率の例をひけば、ECマネージャーとしてみるべきは全体比5%という数字ではなく、最初の1カ月に自分のサイトに来てくれる一人、その一人がいらっしゃるかどうかということだ。当時のインターネット人口が数百万人として、その5%といえば少なくとも10万人は超える。ではその10万人の女性ユーザに自店の存在を知らせる方法があるかどうか。一人でもいいから、自分のショップに来ていただくことができるかどうか。こうした問題こそを情報から読み取ろう。5%という数字は単なる統計に過ぎないが、最初にあなたのサイトに来てくれる一人は顔のある一人だ。その一人に満足いただければ次の一人につながり、そうしてあなたにとっての市場は膨らんでいく。

オンラインショップの成功事例として有名なあるTシャツショップのオーナーも、トップページに並べた「プライバシーポリシー」「連絡先」「お客様の声」「各種決済方法」などの項目は、ユーザアンケート結果に発表されていたことを参考にして、お客様がオンラインショッピングに対して不安に思っている上位項目を掲げたものだという。情報を単なる数字として終わらせていない好例といえる。

あなた自身の肌で実感できるものとして情報をとらえること。ECマネージャーは、情報に接するとき、つねに肌感覚を忘れないでほしい。

頭ではなく、肌感覚を重視するっていうのは、その後もずっと意識しています。この部分、近年では「フェルミ推計」なんて呼び方をして、注目されたりもしましたね。

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