
近代論―危機の時代のアルシーヴ
アルシーヴって言葉は知らなかった。安藤さんによれば、フーコーが『言葉と物』で見出し、『知の考古学』で発展させた概念だという。もともとは古文書や公文書、あるいはそれらを保管しておく施設を意味していたそうだが、フーコーはそれをあらゆる書物を混在させたまま収蔵すると 続き …
社会起業家/雑文家
アルシーヴって言葉は知らなかった。安藤さんによれば、フーコーが『言葉と物』で見出し、『知の考古学』で発展させた概念だという。もともとは古文書や公文書、あるいはそれらを保管しておく施設を意味していたそうだが、フーコーはそれをあらゆる書物を混在させたまま収蔵すると 続き …
まちおこしをやっていると、ときどき無力感にとらわれることがある。なるほど、観光収入を増やしたり、農産物のオンライン販売をしたりと、一定の効果を生む事業はあるだろう。成功している地域も少なくない。しかし、それが持続的なまちおこしにつながるのか。結局、大きなところ 続き …
副題にあるように、ネグリがいわば自らの思想を総ざらえしながら、現代における政治的概念を読み解いていく。それが「革命」であるのは、ぼくたちが慣れてきた「近代」の枠組みを破壊し、その後(ポスト)にくる枠組みの構築を目指しているからだ。 ところで、現代の社会を位置づ 続き …
徹底調査。223世帯に対して、自分の家のおせち料理とクリスマス料理をレポートしてもらう、しかも嘘をつけないように、写真とともに。 そこから見えたのは「破滅する日本の食卓」だと、岩村暢子さんは言う。 着眼点の良い調査だ。どちらも家族で過ごすものという通念があるふ 続き …
橋本努さんの著作を取り上げるのは「自由に生きるとはどういうことか―戦後日本社会論」に次いで2度目だ。あのときぼくは、「本書で9.11やセカイ系について述べていないのはあえてそうしたのかな」と述べたのだが、本書ではまさに「9.11以降」がテーマ。なるほど、そうい 続き …