前回の「いない相手に向けて質問をする」に関連して、質問を演壇からしないという自治体もあると聞いたので、調べてみました。
丹波市のような方式をとっている自治体は約3割、また約2割は最初は演壇、再質問からは自席で行うスタイルだそうです。これも同様と考えれば、およそ半数が最初は演壇、再質問以降は質問席ないし自席からということになります(全国市議会議長会調べ)。
調べついでに、地方自治法を再読。議決機関である議会に対して、行政側は「執行機関」と呼称していますね。一般には「執行部」と呼んでいることが多いようなので、ぼくもこれからそう表現するようにします。
さて、議員からの質問が終わり、演壇を降りて質問者席に着くと、いよいよ市長の答弁です。
市長の答弁は、質問に対して一括して行われます。質問項目が複数あっても、質問する側も回答する側もまずは一括して行うわけです。
内容によっては、「何々の件については教育長から」と分担される場合もあります。その場合は市長に続いて、たとえば教育長が演壇に立ちますが、答弁が一環した流れとして行われることには違いありません。
議員からの質問原稿を事前に事務局に提出することは、以前お伝えした通りです。
これを受けて執行部は、最終的には市長が読み上げる答弁書であっても、質問内容にふさわしい部局に回答の執筆を振ります。
質問の通告締切から一般質問を行う本会議までは、およそ2週間。この2週間で、執行部は答弁を調整し、文案を練るわけですね。
この質問を提出してから本番を迎えるまでの間、庁舎で出会った職員さんから「さすがですね」と声をかけられたりして、おやおや、質問内容ってけっこう読まれているんだなと驚きます。
ところがね、議員間では他の議員の質問書を共有する仕組みはないのです。質問当日になってようやく手元のタブレットにその人の質問書が配信されます。
これではいけないので、所属する会派「丹新会と維新」では、次回からは事前に質問内容について情報共有しましょうと相談した次第。新人だけだと、こんなとき後追いの反省になっちゃいますね。
余談になりますが、会派内で情報を共有し分担しあうことで、それぞれの議員が得意分野に特化していくことも必要だと先輩から助言もいただきました。
それにしても。
自分たちには共有されていない質問内容が職員さんには共有されている、この感覚はちょっと不思議でした(良い意味で)。
ここに紹介するのは、今も記憶に残る、職員さんからお声がけいただいたうちの、ひとつの光景です。
ぼくは議事堂からの帰り、庁舎外の石段の途中で振り返り、声をかけていただいた階段の上を見上げています。雲にかげった午後の日差し、1月のひんやりした空気。
きっとずっと覚えているんだろうと思います。そして今後質問書を書くとき、この風景に向けても思いをはせて書くような気がします。
こちら、市議会のIT化として各議員に貸与されているタブレットの文書共有システムです。資料は基本的にこれで共有されます。ペーパーレス化の効果、年間100万円以上は出ていると聞いています。