新任議員研修3日目。最終回です。午前中は丹波市の総合計画と総合戦略の説明と財政状況と予算書についての説明があり、午後は市内の公共施設の見学を行いました。選挙戦で痛めた脚を引きずりながらの施設見学、けっこう辛かったです(^^;;
さて、市議会の議決というのは、大きく3種類あります。(1)丹波市としての意思決定に関わるもの、(2)市議会としての意思決定に関わるもの、(3)市長による事務執行の前提条件となるもの(副市長の任命など)です。
その上で、地方自治法第96条第一項に、議決を要する事項として15項目が列記されています。条例の設置や改廃、予算、決算、地方税や手数料、財産の譲渡、条例で定める重要な公の施設の利用、などなど。また、同条第二項では、このほかに条例で定めるとあり、丹波市の場合、市民憲章や市の花、姉妹都市、基本計画などを議決の対象として条例で定めています。
議会といっても、なんでもかんでも議決の対象にできるわけではないのですね。見方を変えると、行政の自由度をそこでは確保しているということでしょうか。
ところで、そもそも議会とは、市民の代表としてどのような行動規範をとるべきなのでしょう。それを定めているのが「議会基本条例」です。全国的に見れば、約4割(700)の地方議会で定められているそうで、丹波市の場合は、平成24年1月1日から施行しています。
丹波市議会基本条例の前段には、次のような使命が述べられています。
- 行政の監視機能と政策立案機能を十分に発揮
- 市民への情報公開を通じた公平性と透明性の確保
- 議員間の活発な討議と自己研鑽及び資質の向上
1番目は市政との関係、2番目は市民との関係、3番目は議会自らについて述べていますね。今後、常に意識しながら議員活動にあたりたいと思います。
丹波市議会基本条例第12条では、政策水準の向上と市民への公開のため、市長が提案する重要な政策について、次の事項の説明を求めるとあります。もしかすると一般企業での提案書や稟議書などでも参考になるかもしれないので、引用します。
- 政策の発生源
- 提案に至るまでの経緯
- 他の自治体の類似する政策との比較検討
- 市民参加の実施の有無とその内容
- 総合計画との整合性
- 関係ある法令及び条例等
- 財源措置
- 将来にわたるコスト計算
企業の場合は、上記に明記されていない「予測される効果」も問われそうですけれども。
なんて書くと、コストは考えても効果は考えない行政の悪い癖だよね、と愚痴りたくなる方もいらっしゃるかもしれません。最近では、そんな市民の声を意識してでしょうか、効果を問われる場面も増えてきているように思います。研修で学習した地方創生総合戦略でも、成果目標がそれぞれに定められ、検証していくようになっています。
個人的には、そんな目線を忘れず政策のチェックにあたっていこうと自戒しています。
丹波市議会、初議会は12月5日です。
写真は公共施設視察で訪問した、来春開校の青垣小学校の新校舎。丹波産木材がふんだんに使われています。一方で、青垣小学校への統合に伴い、3つの小学校が閉校となります。その校舎の活用方法について、住民の声も大切にしつつ、丹波市としても戦略的な視点から活用方法を考えていく必要があるように思います。
「予測される効果」という表現は用いられませんが、「費用対効果」は絶えず問われていることです。ところが、この「費用対効果」が問われる事業と、明確な効果が指数に現れない事業があります。例えば市民活動、生涯学習などがその一例に挙げられますが、この部門に「費用対効果」を数値としてそのまま持ち込むことには違和感を感じています。小橋さんはどう思ってはりますか?
おっしゃる通りです。同様の違和感は、たとえば一人だけ残られている山奥の集落があったとして、その方の、そこに住み続けたいという希望を多大なコストをかけてささえるか、といった問題でも出てくるでしょうね。
市民活動や生涯学習分野でも、費用に対する効果ないし対象の利益は一定程度数値化した方がいいとは思っています。ただ、それが「費用対効果」に見合うかどうかは、一律に考えない方がいいいと考えています。
そうなると、その「費用」を市民の方が納得されるかどうかは、情報公開にかかっていると思います。「費用対効果」至上主義ではいけない、しかし、別の評価基準を設けるときは、この費用は仕方ないよねと、市民の方々が納得されるよう、十分な情報公開をしていくことなのだと思います。