第2次丹波市総合計画後期基本計画と3つの重要計画

 さて、後期基本計画です。10年間の総合計画の後期5年間が対象。10年間共通する基本構想部分については「丹波市総合計画を読み返す」をどうぞ。

 前期との違いで評価したいのは、計画の目的のなかで「持続可能な開発目標(SDGs)」に触れてあるところです。「SDGsのある丹波市の未来」で述べたように、現在の丹波市政に一本筋を通すため、SDGsを掲げることが重要と考えています。
 基本計画で触れられていることは前進です。

 では、果たしてそれが施策に落とし込まれているか。

 詳細の検討に入る前に、「持続可能性の維持に向けて」という一節で「3つの重要な論点」として触れられていることがらを紹介します。
 この論点とは、丹波市が取り組んでいるその他の重要計画です。基本計画を定める上での参照枠になるものですね。

 なお、ここでいう持続可能性はSDGsの概念にもつながるところですが、丹波市においては、「住み慣れた地域で住み続ける」という側面が強いです。
 正直、同じ「持続可能性」を謳っていつつ、SDGs的には踏み込みが足りません

 では、3つの「論点」すなわち重要計画について。

まちづくりビジョンによる都市構造の変革

 一つ目は今年9月に策定されたまちづくりビジョンです。丹波市では「都市機能の集積」と「住み慣れた地域で住み続ける」という2つの方向性の両立を目指しています。

・春日、氷上、柏原地域に都市機能の一定の集積を進める
 春日の道の駅丹波おばあちゃんの里から黒井城あたりの「交流連携ゾーン」、成松周辺の「文化芸術ゾーン」、氷上インターチェンジ周辺の「商業業務ゾーン」、丹波年輪の里から丹波医療センター周辺の「医療福祉ゾーン」、柏原駅周辺の「行政ゾーン」を中心部とし、それぞれのゾーン特性に応じた機能を集積させる。
 一方で青垣、山南、市島地域では日常生活圏として、複合的な機能を持つまちづくり拠点を置き、その中に行政窓口機能を持たせるイメージです。複合機能としては「生活サービス」「行政窓口機能」「貸館」「図書館」「医療」「コンビニ」「体育館」「福祉」などが該当します。
 それぞれにアクセスしやすい公共交通と道路網が求められます。

・住み慣れた地域に住み続ける生活スタイルを保つ
 地域に根差した生業や観光による地域振興、地域自治の進展を図り、誰もが暮らしやすい環境の中で安全・安心で快適な暮らしを送れるようにします。
 地域包括ケアシステムの構築と推進や学校適正規模・適正配置も必要になります。

住民自治のあり方と役割

 二つ目は、最終報告はまだ出ていませんが、自治協議会のあり方懇話会で検討されている自治の姿です。

 丹波市では、自治協議会や自治会の活動を、このほどオープンする市民プラザを拠点に、中間支援組織が支えていくイメージで進めています。
 その先に、小規模多機能自治を目指しています。これは、自治組織を、地域課題に最適な対応をするもっともふさわしい担い手として位置づけるものです。

 まちづくりビジョンの「住み慣れた地域に住み続ける生活スタイルを保つ」を実現するには、行政サービスだけに頼ることはできません。住民自らが主体となって、たとえば日用品の買い物やケアなどの機能を担っていく必要があります。

丹(まごころ)の里創生総合戦略による地域活性化

 三つめは、いわゆる丹波市版の地方創生戦略です。

 国では、「まち・ひと・しごと創生基本方針2019骨子案」において、「地方にしごとをつくり、安心して働けるようにする」「地方への新しいひとの流れをつくる」「若い世代の結婚・出産・子育ての希望をかなえる」「時代にあった地域をつくり、安心なくらしを守るとともに、地域と地域を連携する」という4つの基本目標を定めています。
 また、6つの新たな視点を導入しています。「民間と協働する」「人材を育て活かす」「新しい時代の流れを力にする(Society5.0やSDGs)」「地方へのひと・資金の流れを強化する(関係人口等)」「誰もが活躍できる地域社会をつくる」「地域経営の視点で取り組む」です。

 これをもとに丹波市でも「活躍人口を増やす」ことを目指して、部署を横断して、次の総合戦略が進められようとしています。
 ここでもSDGsが登場していますね。今回の基本計画をきっかけに、丹波市もトップランナーにしていきたいものです。

 さて、以上をふまえた上で、8つのまちづくり目標ごとに、後期基本計画の特徴を見ていきましょう。

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