今回は、会派について書きます。ときに「議会のどろどろしたところ」なんて言われてもいるようで(苦笑)。
会派の届け出は初議会まで(たとえば今回だと11月30日締切)。ぼくも、市民に目を向けた議会改革の第一歩と考えて、まずは開会までが一世一代の大勝負だなぁと、そんなことを考えて臨みました。
会派っていうのは、議会活動を同じくする議員同士のグループのことです。丹波市の場合、丹波市議会会派規程で2人以上の議員から構成すると定められています。
「共産党」や「公明党」は党派です。これらに所属する人の場合は、党派=会派。丹波市議会20名の中で、共産党議員及び公明党議員さんはそれぞれ2名いらっしゃるので、いつもここは決まっています。とすると、残り16名がどのようなグループを作るか、が問われることになります。
それにしても、そもそもなぜ会派なのか。町議会の頃はなかった仕組みだそうですし、丹波市議会でも合併当初はありませんでした。
実はこれ、もともとは議会運営上の必要性から生まれたそうです。当初は今より議員定数も多かった(30名)ですし、議会運営のもろもろの相談を全員で行うのは効率が悪い。そこで、会派を作り、その代表者に出てもらって打ち合わせましょう、ということで生まれました。
現在の丹波市議会は、会派制を前提として運営がなされています。新人にとっても、先輩議員の会派に入って勉強させていただくことで腕を磨くことができます。先進事例の視察なども会派で出かけますし、政策研究なども仲間で議論できます。こうした点は、会派制の良いところです。
ところで。
前期の丹波市議会では、ほとんどが2人だけの会派となってしまい、9つもの会派がありました。市民の目から見ても分かりづらい状況だと、議員さん自身も感じていらっしゃったようですが、実際そうですよね。しかも、本当は(共産党及び公明党議員さんを除く)16人が2つの大きなグループに色分けできるんだけど、それをあえて細かく分けたと言われてもね。
ぶっちゃけですが、「議会運営委員会」という、議会のおおもとを決めていく委員会があるのですが、そこに会派だと1人は出せるので、その主導権争いから細かく分けたなんて話です(委員会についてはまたあらためて詳しく書きます)。
批判はしません。なるほどそういう戦術もあるよなと。
あとは議長選挙ですね。議長をとるための会派間の合従連衡。
初議会までに議会のいやなところを見ると、おっしゃっていただける方もいました。初議会では、議長選挙や委員会の編成などを行っていきます。その主導権争いに会派勧誘がからむのが、「いやなところ」の主旨なのでしょう。まあ、とはいえぼくの場合、出馬を決めた時から持っていきたい議会のイメージがあった(立場を決めていた)ので、その「いやなところ」を感じる機会はありませんでした。
今回の市議会議員選挙の結果の大きな特徴は、世代交代にあります。20人のうち11人が新人です。旧来の議会の構造を変革してほしいという市民の皆さんの声も大きいと、ぼくたち新人は(そして現役の方も)感じ取っていました。
さて、11人の新人のうち1人は公明党の議員さんです。残りは10人。うち1人は日本維新の会で、9人は無所属。維新といっても1人では会派を組めませんので、いわば10人に選択が迫られたわけです。
無所属として当選された先輩議員さんは6名(1名は自民党推薦)。この6名の方と、新人10名で意見交換する場を作っていただきました。結果的に言うと、この6名の方々は、3名ずつに分かれて会派を作られることになりました。とすると、新人にとれる選択肢は、(1)どちらかの会派を選ぶ、(2)先輩と離れて別の会派を作る、(3)無所属でいる、のどれかですね。
そこで新人だけであらためて話し合いました。
その結論は、皆さんが新聞等でご覧になられた通りです。「丹新会と維新」という会派名で、新人10名がまとまって会派を作りました。「維新」の名前をどこかに入れてほしいという維新議員さんの希望でその名前も入れて、全員でひとつの会派を作る道を選びました。
一般的に会派というのは、政治的に同じ方向を向いている人たちで作るものです。そういう意味では、もしかすると違和感のある方がいらっしゃるかもしれません。「丹新会と維新」は、保守や革新といった政治的立場ではなく、市民感覚を大切にという思いを共有する新人議員の、その思いを通して新しい丹波市を作っていこうとする会派だとご理解ください。
ポストと切り離して作った会派です(新人ですしポストを狙うつもりはないということもあります)。議長選挙では投票行動が分かれることもあるでしょう。議会内の争いではなく、常に市民の立場で判断できる場を作る。ぼくは今回の結果に、ほっとしています。
指導いただける先輩議員さんが会派内にいらっしゃらないというのは不安なことです。そこは、先輩のいらっしゃる会派との合同研修会を開くなどして、学んでいきます。その上で互いが意見を戦わせ、可能な限り会派内で意見を合わせていこうとする不断の努力こそ、市民の思いを議会に反映していく道筋になると考えています。
さて、本日はこれから初議会です。新人の選択が今後の議会にどのような影響を与えるのか。今回の選択が、少しでも市民の方々に近づいていく、そして市政を市民とともに歩むものに変革する一助になっていればと願います。そのために、一同、力を合わせて取り組んでいきます。
写真は「会派結成届」。各自が入会届的なものを出すのではなく、会派の代表者が、所属議員の名前を書いて提出します。「丹新会と維新」は、代表を山名隆衛さんとして発進します。小橋昭彦は同会の副代表(会計)として、支えさせていただきます。
「常に市民の立場で判断できる場を作る。ぼくは今回の結果に、ほっとしています。」、安心しました。新人議員の中で、すでに会派争いに巻き込まれているような動きの方がありましたので、「それはあなたのポリシーではないだろう」と勝手に心配していました。丹波新聞で新人だけの会派を組まれたとの報道に、その選択に安堵いたしました。「先輩のいらっしゃる会派との合同研修会を開くなどして、学んでいきます。」とありましたので、垣内議員との交流をおすすめします。垣内議員は言葉が粗雑で、意を十分に表現するスキルは持ち合わせていませんし、山南町への思い入れの強い人間です。ですが、先輩議員として、活用してやってほしいと思っています。彼は、議会内ポスト獲得に工作をするような人間ではありますせん。しかしながら、その方向性は会派の皆様方がお決めになることですので、私の個人的な提案として小橋さんの胸にとどめおいていただいて結構です。
ありがとうございます。また、ご提案についても、ありがとうございます。誰か特定のというのではなく、幅広くいろいろな方々のご指導を得たいと思います。その中に当然、ご提案の先輩も。
議会運営というのを知らないので、知らないことにコメントするのはどうかと思うが、率直な感想を一つ。
多数決で意志決定するなら数が幅を利かすので、会派のようなものは必要かもしれんが会派と運営は別なんじゃないの?
議会運営を20人で議論するのは効率が悪いというのはわからんな。
そんなの運営の進め方の問題のような気がする。
20人程度の参加者で議論する会社は多いだろう。
20人の色を出して、しっかり議論してもらいたい。
場外で意見調整して、議論に臨むようなのはおもしろくないね。
視察や研究とかも会派じゃなくても関心のある議員が集まって進めることもできるだろう。
そうですね。
歴史的な話として運営上の必要性から会派が生まれたというだけの話で、議員数も削減されてきているし、運営については、よりよい方法が編み出されれば、そちらに移行することも可能でしょう。
正式な視察や研究は、会派でなく、その議案を取り扱う委員会単位です。自主的な視察や研究は、会派にこだわらず、テーマごとに関心のある人を誘って行うのもいいでしょう。実際、他会派の勉強会に参加するなども行われています。
「場外で意見調整」ということについては、「市民から見えないところで意見調整」という意味でしたら、それはその通りですね。一方、市民の声を聴いたり、識者の意見を学んだりは議場ではできませんし、むしろ議員は積極的に議場を飛び出して市民と交流しなくてはいけないと思います。
とにかく、「開かれた議会」は、丹波市議会の最大のテーマでもあります。