公務員にも在宅勤務手当を創設

 人事院勧告(「令和5年給与勧告の骨子」参照)が発表されました。

議案82号 丹波市職員の給与に関する条例等の一部を改正

 国家公務員にあわせて、丹波市の関連条例も改正されました。

在宅勤務手当の創設

 今回の目新しい変更点といえば、在宅勤務手当の創設でしょう。

 人事院による「職種別民間給与実態調査」によると、在宅勤務を実施している企業は53%。そのうち28.2%が在宅勤務手当を導入しているとのこと。

 そこで、国家公務員での導入が決まりました。なんでしょう、3割基準的なものがあるのかどうかは知りませんが。

 在宅勤務手当の概要を引用します。丹波市もこれに準じます。

  • 住居その他これに準ずる場所で、一定期間以上継続して1箇月当たり10日を超えて正規の勤務時間の全部を勤務することを命ぜられた職員に支給
  • 手当額は月額3,000円
  • 令和6年4月1日から実施
  • 在宅勤務等手当の新設に伴う通勤手当の取扱いを措置

 3,000円という水準は、先の「職種別民間給与実態調査」を参照してのもの。また、在宅勤務に伴って生じる水道光熱費等の実費という性格から、給与の一部とは考えません。つまり、たとえば期末手当等の算定基準額には含みません。

 通勤手当については、1ヶ月あたり平均の通勤回数相当額を支給します。
 自動車通勤の場合は一律で、通常の半額支給です。通勤回数に応じてできないのかと思いますが、手当の算出方法が月間の走行距離を基にしているんですね。たとえば100キロメートル以上300キロメートル未満で8,000円など、幅を持たせて決められている。
 なるほど、これでは回数あたりを出せません。一律50/100でやむなし、ということであろうと理解しました。

ちなみに丹波市の実態は?

 丹波市の職員さんで、テレワーク手当の対象になる方はいるのか?
 現状ではいらっしゃいません。

 以下は本題からずれますが、個人的な思い。

 本来的には、テレワークを進めるべきと思います。
 これは、はたらき方改革だけの話じゃなくて。

 たとえば週1日を在宅勤務にすることで出勤者数が減りますね。週5日のうち4日のみの出勤なので、現在600人が庁舎にいるところを、5分の4の480人で想定できることになる。席はフリーアドレス(個人の固定席を決めない)とします。
 そうすると、今後、庁舎の老朽化に伴い本庁舎の建替えの議論をしなくてはなりませんが、その前提となる勤務者数を絞れます。
 小さめの庁舎で済むので、投資を抑えることにつながる。

 こうした考え方は、現在兵庫県が出勤者を減らせないかと頑張っていらっしゃるのと同じ方向性。
 丹波市でも、庁舎の議論を進める前に、テレワークがどれだけ可能か実証しておくべきです。

 支所を廃止して、テレワーク用のサテライトにすることも考えたいです。自宅でテレワークしたくない職員さんは、サテライトを利用してもいい。
 そうすれば拠点としての灯をともしたまま、支所人員の削減を図れる。

 また、支所をテレワーク拠点とすることで、旧町域内から支所までの公共交通の利用増にもつながるのじゃないかと。
 町域を超えて通勤しようとすると自家用車がどうしても必要になるけど、支所までならデマンド交通も使える。

 通勤といえば、丹波市の約1000人の職員さん(会計年度さん含みます)のうち、公共交通を前提とした通勤手当を受け取られている人、何人ぐらいと思われますか?

 4人、だそうです。

 公共交通の活性化が求められるけれど、現実的にはそういう話なんです。職員さんでさえ自家用車無しでは通勤できない。
 職員さんが公共交通で通勤できる公共施設配置を整えれば、公共交通需要の回復につながるということでもあります。

給与等の改定

 さて。給与条例の改正に戻ります。

 今回、通常の給与等の見直しも行われています。

 人事院勧告の仕組みについては、「人事院勧告とラスパイレス比較」をご覧ください。

 今回、民間給与との3,869円(0.96%)の較差を解消、また常勤一般職の期末・勤勉手当を4.4ケ月から4.5ケ月に引き上げます。

 なお、議員については、特別職であり今回の改正対象の条例には入っていません。丹波市議会議員の期末手当は4.3ケ月のまま据え置きと合意しました。
 また報酬についても、改定しません。次期改選後の報酬等について、民間委員さんによる「報酬審議会」が開催されることになりましたので、そこで検討いただくよう、お願いしています。

 期末手当等の基準日は12月1日です。今回の条例は遡及適用となります。つまり12月から遡って、同じ年度の4月以降の給与と期末手当が新基準になります。
 なので、差額は追加で支給されます。

 新条例の成立は可決した後になります。採決は12月の会期終了直前なので、12月1日時点の基準額は旧来のまま。
 なので12月の支払いはこれまで通りの金額で振り込まれ、新条例の交付後、1月の給与振り込みの際に、差額を追加支給されることになります。

 自治体によっては、11月中に議会を開会して先に条例を改正・交付して12月1日の基準日に新しい額とし、10日前後のボーナス支払いに間に合わせるところもあります。
 ただ、それだと新しい基準で支払うための準備期間が、1週間そこそこしかないですよね。残業必至。

 というわけで、丹波市では、昨年からだったかな、はたらき方改革の視点から、1月の追加支給という方法に変わっています。

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