さて、3月定例会では新年度の予算の審議が行われます。1年間の市政が決まるという点で、年4回行われる定例会の中でもっとも重要といっていいかもしれません。
市の予算は「一般会計」の他に、「特別会計」と「公営企業会計」があります。
特別会計というのは、国保や農業共済、看護学校、市営駐車場など、特定目的のために市民から徴収したお金をその限定した目的の範囲で利用することから別建てで管理するものです。
公営企業会計とは、水道事業や下水道事業、市営駐車場など、企業と同様の経営が求められるものです。
予算書ににして合計800ページくらいにもなる大部なものです。
先にお伝えしておくと、平成31年度は一般会計規模で351億円。1日あたり1億円と、この規模の自治体では大きな額です。
こども園や新病院などの大きな投資が完了して減ってきてはいますが(昨年比37億減)、まだもう少し減らさなくてはいけない規模。
特別会計は全部合わせて159億円。こちらも看護学校建設が完了したため看護専門学校特別会計で11億円ほど減りましたが、介護保険関係で3億円ほど増えたりしています。
公営企業会計は100億円です。収益的部分では減少するものの、水道管などの更新費用がかさみ、資本的な部分で増額が必要で、総合して膨らみ気味です。更新費用は今後も財政の圧迫要因となりそうです。
予算書の構成は議案部分と説明部分に分かれています
先ほど予算書は800頁ほどになると言いましたが、実際に議決の対象となる予算案は、「款」「項」というくくりまでの簡単なもので、数ページに収まります。
たとえば第6款「農林水産業費」なら1項「農業費」22億154万5千円と2項「林業費」2億3,727万6千円の合計24億3,882万1千円でいかがですか、という提案が議決の対象です。
でも、それではその予算が適切かどうか分かりませんよね。そこで予算に関する説明書として詳しい内容が提供される、それでこれだけのページ数になります。
たとえば先ほどの6款「農林水産業費」1項「農業費」であれば、その中に3目「農業振興費」があって3億65万9千円を予定していますよと。
さらにそのうちでは、19節「負担金補助及び交付金」として2億1,609万2千円を見込み、その内容の説明が並ぶ中で、たとえば「軟弱野菜栽培ハウス設置助成金」として287万5千円を見込んでいますと、そこまでわかるようになっています。
ちなみに「款」「項」「目」までは、農林水産業費、教育費など分野(所管部署)に添った分け方です。目的別と言います。
一方、その先の「節」のところは、給料、旅費、委託料、備品購入費などの分け方で、どの款項目でも共通した分け方になっています。こちらは性質別と言えます。
予算を見るときは、目的別のほか、性質別の検討も必要です。
予算の目的や特色を明らかにする補足資料
とはいえ、この予算書を見ただけでは、審議が難しいのが実際のところ。それぞれの事業の説明が無いため、どのような目的でどのように活用されるのか見えません。
そこで当局からは補足資料が提供されます。これは議員向けだけではなく、市民向けとしても予算を理解していただける資料となるよう、毎年工夫されています。
今年度は「予算ガイド」と「予算ガイド別冊」として補足資料が提供されています。
予算ガイドには、特集として「シティプロモーション」と「子育て支援施策」がとりあげられており、これらが今年度予算の力点であることがわかります。
他にも先ほどご紹介した「性質別」の予算紹介や市債残高など財政の健全性を検討する資料が添えられています。
予算ガイド別冊は、市の重点施策について、1頁に1事業ずつまとめられています。事業の背景が分かり助かります。
長くなりました。今回の「2019年度予算案を読む【1基礎編】」はここまでとして、次回「2019年度予算案を読む【2内容編】」で続きを。
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