109回6月議会議案は税条例の改正など

 6月議会当初に提案された議案は15件です。このほかに議員提案の議案(報酬カット)が1件あります。

税制改正を受けた丹波市税条例の改正

 6月の議会は、国の税制改正を受けた丹波市の税条例改正が出されることが多いです。毎年3月に国の法律改正があり、今年度から適用という流れですね。4月からさっそく適用しなくてはならないなど、間に合わないものは専決処分で行われますが、それ以外はこの議会で承認を得る段取りです。

議案68号 丹波市税条例の一部を改正する条例

 「地方税法等の一部を改正する法律」が、令和2年度税制改正(「財務省説明資料」参照)を反映して令和2年3月31日に、また新型コロナウイルス感染症等の影響に対応して(「新型コロナウイルス感染症緊急経済対策における税制上の措置」参照)令和2年4月30日に、それぞれ公布されました。これを受けて、丹波市の条例も改正するものです。
 主な改正内容は次の通りです。

  • 生産性革命の実現に向けた固定資産税の特例措置の拡充
    平成30年より「生産性向上特別措置法に基づく先端設備等導入計画」に基づき、中小事業者の固定資産税を3年間ゼロとする措置が導入されました。これまでは機械やソフトウェア等が対象だったのですが、そのために必要な建物等も対象にし、期限も延長するものです。(中小企業庁「生産性向上に向けた中小企業者・小規模事業者の新規投資を促進するため、固定資産税の特例(固定ゼロ)の拡充・延長を行います」参照)
  • 軽自動車税環境性能割の臨時的措置の延長
    消費税引き上げに伴う措置として一時的に減免されていましたが、対象となる軽自動車の取得期間が令和3年3月31日まで6カ月間延長されます。新型コロナウイルス感染症に伴う緊急経済対策です。
  • 徴収猶予の特例
    新型コロナウイルス感染症の影響で収入が2割以上減少した場合、国税の納付が1年間猶予されますが、それを準用するものです。(総務省「新型コロナウイルス感染症の影響に伴う地方税における対応について」参照)
  • 葉巻たばこの課税見直し
    軽量な葉巻たばこはこれまで重量に応じて税金が安かったのですが、これを紙巻たばこと同様と考えて増税されるもの。来年の10月と2段階での増税です。
  • 認定特定非営利活動法人への寄付金の税額控除
    「寄付をした金額-2,000円」に45%をかけた額を所得税額から控除する(ただし所得税の25%を限度)というのが寄付金の税額控除。この度の税制改正で控除率が40%から45%にあがりました。ただ、制度そのものは以前からあったのですが、今回、新しく追加されたように思われます。今まで適用してなかったのかな。あるいは所得控除で対応していたのか?
  • 未婚のひとり親にも寡婦(寡夫)控除
    これまで、離婚・死別でないといけなかったり、性別で違いがあったりしたものを未婚でもよいとするもの。今回の税制改正の目玉的な内容だったかもですね。同様に、市民税の人的非課税措置の対象にも加えられます。
    ん?「人的非課税」ってなんだ? 気になったので調べてみると……。「人的控除」という言葉が見つかりました。これは配偶者とか扶養親族といった個人的な事情を考慮して控除することを意味しているそうです。とすると同様に、個人的な事情に基づく非課税ということですね。
  • 住宅借入金等特別税額控除の適用要件の弾力化
    住宅ローンを借りて住宅の取得等をした場合、毎年の住宅ローン残高の1%を10年間、所得税等から控除する制度があります。この措置、入居期限が今年の末なのですが、新型コロナウイルスの影響を受けて入居が遅れても、一定の要件を満たせば、来年末まで対象になります。(国土交通省「住宅ローン減税の適用要件が弾力化されます!」参照)。

新型コロナウイルス感染症対策に伴う対応

補正予算関連は先の臨時議会で対応がされました。今回は次のものが関連です。

議案71号 新型コロナウイルス感染症の影響による国民健康保険税の減免に関する条例

 新型コロナウイルス感染症の影響により世帯の主たる生計維持者の収入が一定程度下がり、支払いが困難となった方の国民健康保険税の減免を図るものです。
 9条からなる、来年3月末までの時限付(減免取り消しは令和8年まで)の新しい条例です。

議案75号新型コロナウイルス感染症の影響による介護保険料の減免に関する条例

こちらも9条からなり、来年3月末までの時限付(減免取り消しは令和5年まで)です。減免の取り消しは虚偽申請等があった場合に市長が行うものです。

国民健康保険とこちらで取り消しの期限が違います。介護保険料の納付期限の時効は2年、国民健康保険税は5年という違いを反映してのものですね。ちなみに同じ国民健康保険でも自治体によっては国民健康保険料としているところがあり、その場合は時効は2年だそうです。面白いものです。

議案67号 丹波市職員の特殊勤務手当支給条例の一部を改正する条例

 丹波市職員の特殊勤務手当支給条例に、新型コロナウイルス感染者や感染の疑いのある人への対応業務にあたった場合を加えるものです。

 この条例は、たとえば小動物死体処理にあたると1回1,000円、火葬業務1件4,000円、学校医年60,000円以内、消防業務に従事した消防吏員1回300円等と、特殊勤務にあたった場合の手当を別表で規定しています。
 今回、この別表ではなく、別途附則を追加し、1日につき3,000円(直接の感染者対応は4,000円)を支給するように定めます。
 別表に入れなかったのは、一時的で特殊なケースだからということでしょうね。

 なお、この根拠となるのは「人事院規則9-129」です。これは特殊勤務手当を定める「人事院規則9-30」を改正するものです。

その他の条例改正

議案66号 丹波市長等の損害賠償責任の一部免責に関する条例

市長や職員が市に対して損害を賠償する必要が出てきた場合、これまで上限の定めが無かったのですが、これを定めようとするのがこの条例です。2条だけという短い、新しい条例です。
具体的には、市長なら年間の基準給与額の6年分、副市長や教育長、選挙管理委員等は4年分、公平委員や農業委員、消防長等は2年分、職員は1年分です。

 これは、平成29年に成立した地方自治法の改正によって上限を定めることが可能になったことを受けてのもの。この時の地方自治法の改正は、総務省の「地方自治法等の一部を改正する法律の概要」を参照すると、主としてガバナンス改革に重点が置かれていました。
 具体的には、監査制度の充実や、「丹波市決算、不認定へ」でも述べた決算不認定の場合の議会への報告義務、そしてこの損害賠償責任の見直し等が含まれていました。

 この時期の提案となったのは、施行の日が今年の4月1日からだからでしょうね(決算不認定の場合の報告は平成30年4月1日施行)。
 同じ今年4月からの施行には、内部統制に関する方針を定め体制を整備することもありますね。都道府県や政令指定都市以外では努力義務ですが、丹波市でも求めたいところ。

 ただし、なんでもかんでも免責されるわけではなく、「職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がないとき」に限ります。これは一般的には「長等の職員が違法な職務行為によって、地方公共団体に損害を及ぼすことを認識しておらず、かつ、認識していなかったことについて著しい不注意がない場合」だそうです。
 逆に言えば、免責が適用されるのは軽過失の場合だけです。

 他の自治体でも今年に入ってから条例制定しているところが多いようですが、限度額はさまざまです。丹波市が定める限度額は、地方自治法改正にあたり国から定められた参酌基準の上限です。
 他市ではたとえば箕面市では、仮に市長が6か月だと1億を超え、軽過失に対する賠償金の額としては個人責任として過酷として、2か月にしています。

丹波市の場合、基準給与年額はそれほど高くありませんし、抑止効果という意味では、定められる上限で設定するのが良いと思います。

なおこの条例における損害賠償は冒頭に記したように市に対するものです。別の見方をすると上限を定めるということは、それを超えた分は市に支払わなくて良いということです。

議案72号 丹波市福祉医療費助成条例の一部を改正する条例

 兵庫県の福祉医療費助成事業実施要綱が一部改正されました。低所得者を判定する場合、その所得金額を計算するときに、公的年金等の所得が含まれないようにするため、改正するものです。

議案74号 丹波市斎場条例の一部を改正する条例

 丹波市斎場について、来年4月から指定管理制度に移行します。それに伴って、丹波市斎場条例を改正するものです。

市有財産の処分や契約など

 市有財産の処分や一定額以上の契約などについては議会の議決を得なくてはなりません。これに基づく議案が数件あがっています。

議案64号 市有財産の無償貸付について(旧近畿農政局小野統計・情報センター丹波庁舎)

 柏原駅から篠山方面に向かって左手にある建物です。神姫バスさんが車庫及び休憩施設として使用するため、無償で貸し付けるものです。市の財産の有効活用としてはありがたい話です。公共交通の支援にもなります。
 期間は5年間、将来的には譲渡も視野に入れたいとのことですが、本来は譲渡がベストです。

議案69号 旧慣による私有財産の使用廃止について(鴨内自治会)
議案70号 私有財産の無償譲渡について(小谷自治会)

 同じ土地の話です。対象の自治会が違うのは、旧慣使用地の登録情報が間違っていたものです(旧町時代からのものですから確認は難しかったでしょうね)。実質的に小谷自治会が管理されていました。そこに無償譲渡するということです。

議案73号 小型動力ポンプ普通積載車等購入契約の締結

 動産や不動産の財産を購入(あるいは売却)するとき、2,000万円を超える場合は、議会の議決を必要とします。

議案76号 市道特16号線道路改良工事請負契約の締結

 1億5,000万円以上の契約の締結には議会の議決が必要です。

裁判を起こす

 地方自治法に、自治体が訴訟を起こす場合は議会の議決が必要と定められています。これに基づき、議案としてあげられています。

議案65号 訴えの提起について

 平成29年度に発覚した補助金の不正受給事件に関して、前山地区鳥獣害防護施設管理組合が負担すべきだった地元負担分の返還を求める訴訟です。
 先に、領収書偽造などを首謀した個人に対して、過剰に交付した補助金分の返還を求める訴訟がされています。今回は、その時除外していた地元負担分を求めるもの。

 ただ、これはややこしいのです。鳥獣害防護施設については、基本100%補助で、一部のみ地元負担があります。それを逃れていた、というのが理屈です。
 現在提訴中の案件は、不法行為を前提に補助金を返還せよということです。100%補助なのになぜと思われるかもしれません。実は、申請時と交付決定時、丹波市としては工事金額を了承しているのですよね。それを後になって見積もり直したところ、相場より高いので、その差額を返還しろというのが先の訴訟です。
 正直、ちょっと無茶な面はあります。2度も市はオーケーしているのですから。しかし、裁判でそこははっきりした方がいいだろうという思いがあり、先の訴訟は了承しました。

 今回は不法行為を行っていない相手。今この段階で提訴するのはどうなのか。また、地元負担分(今回の対象は100%補助ではなく15%を地元負担するスキーム)となると、本来は業者に支払うべきもの。それを市に渡せというのもちょっと理屈に合わない気がします。
 とはいえ、地元がまったく負担なしに終わるということだと、他地域の市民感情として納得できないところではあるでしょう。
 訴訟に至るまでの交渉等が見えず、この段階での訴訟に正義があるのか、議論を尽くす必要を感じます。

 なお、刑事事件としては、個人相手に詐欺罪で告発していたわけですが、「起訴猶予」となりました。嫌疑なしというわけではないので難しいところですが、罪には問わないということではありますね。
 もっとも基本的には刑事と民事は別に考えるべきですから、そのこと自体は判断要素として入ってこないと考えています。

 6月9日の議会運営委員会で、市からこの訴えについてはいったん取り下げる旨の方針が示されました。

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