「丹波市決算の概要(歳入編)」に続いて、歳出をみていきます。
歳出は以下の観点から審査をします。
支出は適法・適正か
コンプライアンスの問題ですね。流用や収賄などの不正がないかというだけではなく、国の法律に照らして正しい処理がなされているかなどが論点です。
不用額は妥当か
不用額というのは、予算は組んだものの使わなかった額です。
節約工夫によって削減できたのならいいのですが、事業縮小や未執行のまま終わったといったことであれば、なぜそうなったのか追求し、市民サービスに不足が生じていないか確認しなくてはなりません。
また、予算編成時に過大に見すぎていたということであれば、それもまた問題です。
ただ、個別に不用額を調べていくのは大変で、平成28年度決算の際は2,000万円以上の不用額の一覧が、不用になった理由も付して提供されていました。昨年度と今回は出ていません。(できればほしいな。)
総額では平成30年度の不用額は17億7,582万円で、昨年度比23.4%減となっており、予算編成段階での精度が上がっていると言えそうです。
補助金の効果が上がっているか
補助金は公益性を認めて支出するものですから、次のようなところが論点になります。
- 規則や要綱に則って執行されているか
- 減額なり中止するのが適当なものはないか
- 産業振興等のための補助金は重点的・効率的か
- 補助を受けている団体が補助金のみに頼っていないか
- 補助金支出時期が適切か
- 成果を書面等で確実に把握しているか
補助金については今回、監査でも指摘され、大きな問題になりました。空き家活用地域活性化補助金で規則や要綱に添って執行されていないのではないかとの疑いがありました。
決算審査を通して結果的に適正ではあると確認できましたが、後日の調査で分かったことであり、少なくとも執行段階では指導等が充分とは言い難いものでした。
増減が大きいものとしては、こども園経営基盤安定化補助金が6,393万円増の1億5,531万円、プレミアム商品券発行支援補助金は当該年度は実施せず、企業誘致促進補助金は実績が足りず4,863万円減の1,453万円。保育教諭等処遇改善補助金は1,693万円増の3,053万円です。
補助金の効果については、今回木の駅プロジェクトなど省エネルギー事業の推進について、課題があるとの指摘がありました。
またシティプロモーションの補助金では、成果物の検査が充分ではなく、補助金の効果を発揮できるだけの結果が出ていないものがありました。
性質別歳出の検討
人件費は総額50億1,453万円で1.9%増。再任用職員の採用や基本給の増加により増えています。
物件費は1.7%増の49億4,770万円。内訳で委託料が17.2%増の26億1,483万円となっています。このあたり、何らかの意思があってのことなのかどうか。
扶助費は3.0%減の46億2,800万円。臨時福祉給付金事業が無くなったことで19億5,493万円減となったことが大きいですね。
投資的経費では94.7%増の82億3,544万円。健康センターミルネや看護専門学校の整備、柏原のこども園整備、防災行政無線の整備などが本格化したことが増額要因です。
主要施策の予算効果
事業ごとの決算審査調書にあたり、それぞれの施策の効果を確認します。
毎回のことなのですが、丹波市の決算審査は、いえ、あるいはどこでもそうかもしれませんが、毎年、補助金の事務処理関係での議論に多くの時間を割いており、財政の健全性や、子育て支援や人口減少対策などの政策が効果的に行われているかといった政策効果面での議論の時間が少なくなっています。
そこで現在、丹波市では補助金交付要綱の見直しや交付マニュアルの更新が順次行われています。この作業を通して補助金交付事務がスムーズに行われ、今後の決算においては、より本質的な議論に時間を割けるようになることを望みます。
また、ぼく自身も、政策効果に関わる質問をもっとしっかりできるよう、調査研究を進めなくてはいけないと自戒したところです。
9月議会お疲れ様でした。情報提供ありがとうございました。議員の皆様と面談したいです。
ありがとうございます。面談、いつでも調整させていただきますよ(^^)/
よろしければ、akihiko@kobashi.ne.jp に直接メールくださいませ。