請願あるいは予算編成権~猫の不妊助成をめぐって

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今回は請願の話。

請願というのは、市民の方から議会に対して出す意見の形式の一つです。意見の出し方としては、より簡単な「陳情」という方法もあるのですが、「請願」は紹介議員が間に入って議会に対して提出されるものです。

陳情の場合は、いただいた意見書を各議員に回覧する形が多いのですが、請願の場合は、紹介議員が同行する形で、提出いただいた市民の方に議会に来ていただいて意見を聞くなどして、採択するかどうか議論しています。(陳情も請願と同じように考えてはという議論もありますがここでは触れません。)

請願を受けて議会での議論を深める

この6月議会で、初めて「請願」の処理にあたることになりました。このうち一つは一部を切り離して採択、一つは採択、残るひとつは継続審議となりました。

採択(及び一部採択)となった二つの請願は、国への意見を求めるものでしたので、採択後、議長名で国に対して意見書を送付しました。

継続審議になった請願は、犬・猫の殺処分ゼロを目指すため、丹波市に対して、不妊手術に対する助成金の制度創設を求めるものです。

実は昨年の9月議会で、同様の要望を兵庫県に求める意見書を採択しています。そちらの場合は、兵庫県知事に意見書を送付することで対応されていました。

ところで、今回は丹波市への要望です。

この制度は、県内でも神戸市や西宮市、芦屋市、宝塚市などで実施されています。雄の場合で3,000円から5,000円、メスの場合で10,000円程度の助成額が多いようです。

丹波市では助成制度はありませんが、民間団体が啓発や不妊手術活動をされています。

ぼく自身は動物を飼ったことが無くて不勉強だったのですが、昨春くらいから、民間団体が主催されている飼い主を探す集まりなどに行って、「TNR(捕まえて不妊手術をして元の場所に戻す)」や「さくらねこ(不妊手術を終わった証拠に耳をV字カット)」といった言葉を初めて知った次第です。

議会には予算編成権がない

今回の請願を6月議会中には結論を急がず、継続審議としたのには大きく二つの理由がありました。

一つは、採択するということは必然的に執行部に予算化を促すことを意味すること。またもう一つは、飼い主責任をどう考えるかということも重要であること。

この2点をしっかり議論しなくてはということです。

少し話がそれますが、議会には予算の編成権はありません。地方自治法112条に次のように明記されています。

普通地方公共団体の議会の議員は、議会の議決すべき事件につき、議会に議案を提出することができる。但し、予算については、この限りでない。

ですから、たとえば今回の請願に共感するからといって、議会から予算案は作れないわけです。予算を伴う条例も同様です。

もっとも、条例については絶対出せないわけではないという議論もあるようなので、仮に条例を作るなら市長等と相談しながらということになるのでしょう。

ともあれ、本来、財政を含めて予算の執行を監視しなくてはならない議会が予算化を求めるということになりますので、そこはやはり慎重に。

また、予算化を求める以上は、予算の膨張を防ぐ仕組み、つまりは野良猫が増えない方策も考えるべきと考えます。

今回の請願では、助成だけでなく、殺処分ゼロに向けたアクションプランの策定も求められています。そういう点では、バランスのある請願です。

他市の例では、「神戸市人と猫との共生に関する条例」「京都市動物との共生に向けたマナー等に関する条例」などがあります。こうした条例を丹波市でも定めて、その上で助成制度を創設するといった方向性がひとつ考えられます。

神戸市などの取り組みを見ていると、やはり、まずは猫や犬との共生に向けた計画が先立ち、その中に助成制度を位置づける方がよい気がしてもいます。

猫

この請願、付託を受けたのが民生常任委員会なので、総務常任委員会に所属しているぼくはその間、議論には加われないのですが、9月から始まる議会に向けて、会派内でもしっかり議論して結論を出したいと思います。

photo By Jennifer Barnard (originally posted to Flickr as Prey) [CC BY 2.0], via Wikimedia Commons

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