決算審査の着目点~議員必携をもとに

そんなわけで続く決算審査。『議員必携』をもとにしつつ、どんなところに着目して審査しているのか、メモします(金額は平成28年度決算に基づくもの)。

歳入の審査

歳入には各種あるわけですが、丹波市の場合、全体で412億円のうち、地方交付税が約3割、市税は約2割、市債が約1割、繰越金が約1割、国や県からのお金が1.5割といったところです。

歳入を調査して決定することを調定というのですが、その額が予算額と比べてどうか、また実際の収入済額の実績が伴っているのかを確認します。また、収入できないままのものを処理した「不納欠損額」について説明がつくかどうかもチェックポイントですね。

  1. 市税徴収は順調か
    約82億と予算より上振れ、前年度比でも伸びました。収入未済額も減っているので、ひとまずは良い傾向。なお、市税に含まれるのは、市民税(32億)、固定資産税(43億)、軽自動車税(2.4億)、たばこ税(3.9億)、入湯税(14万)です。
  2. 補助金が確保されているか
    国からの支出金が37億、県からが24億です。どちらも予算から減額となっていますが、小学校施設の整備事業が翌年度繰越されたりした影響です。
  3. 市債が確保されているか
    49億と前年度に比べて9億円ほど増加しています。予算からは21億余り減っていて大きく差があるのですが、これは防災行政無線整備や小学校整備事業等が翌年度繰越になったためです。市債を一定規模確保することは必要ですが、一方で、将来負担の増加を考えると心配になる面もあります。

歳出の審査

歳出は386億円でした。収入との差額が26億円あります(家計で言えば黒字)。歳出は次のようなところに着目してチェックします。

  1. 支出は適法適正か
    これはいわずもがなですね。
  2. 不用額は妥当か
    収入との差額(「不用額」と呼ばれます)が26億円あると上記しました。黒字なので結構なことといえばそうなのですが、収入を歳出として市民に充分還元していないという見方、あるいはそもそも予算の積算が甘いという見方ができるわけです。不用額が大きすぎるのも問題というわけです。
  3. 補助金の効果は適正か
    これもいわずもがなかな。補助金を受け取る市民の側も心がけなくてはです。資料として補助金の一覧といったものがあるわけではないので、各事業をチェックする中で確認していくしかありません。丹波市の場合、収入のほぼ100%を補助金に頼っている団体があったり、同一の補助金を同一年度内に何度も支給を受けている事例があったりします。このあたりは議論しなくてはいけないところ。
  4. その他の留意点
    「民生」とか「土木」といった分類別ではなく、性質別にみる見方もあります。「人件費」「物件費(委託料、需用費、旅費等)」「扶助費(社会福祉費、教育費等)」「投資的経費(建設、災害対策等)」「地方債」別に見て、チェックしていきます。
  5. 主要施策の成果
    今回から閲覧できるようになった事務小事業ごとの様式に成果も記されており、チェックするのにたいへん参考になりました。
  6. 財産に関する調書
    歳入歳出だけではなく、公共施設や出資金、各種基金等についてのチェックも必要です。基金だけでも23種ありまして、それぞれが何を目的にしたどういうものか。頭を整理するだけでも四苦八苦。
  7. 財政運営の適否
    財政健全化のことを含め、これについては論点がまた多いので、稿を改めます。

決算関連資料

丹波市議会で今年度から行うことになった議員間での決算討論。今年度は、当初予算の見積りの精度や、予算が足りないときに他の余裕のあるところから回す予算の流用、補助金の適正さなどについて議論します。また、予定より早くに廃止されることが決まった「(第3子への)出産祝い金」や「婚活支援」「JR複線化推進」等の効果についても議論することになりそうです。

 

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