コロナ対策他12月補正予算はこうなっている

 12月議会に提出されている補正予算を紹介します。一般会計で1億円あまりの補正です。

 まずはコロナ対策関連から。

新型コロナウイルス感染症対策関連の補正の内容

・ひとり親世帯への経済的支援 4,985万円

 ひとり親世帯に5万円、第2子以降がいらっしゃる場合は一人につき3万円を追加給付するもの。一度支給されましたが、国会での議論を経て再支給されます。
 算定根拠は5万円×700世帯(3,500万円)+3万円×462人(第2子以降の人数、1,386万円)+システム改修や事務費(99万円)。
 なお、1回目支給時に人数の見込みが甘く予算が不足していた分の追加4,342万円についても計上しているため、補正額としては9,327万円になっています。

 ところで少しばかり余談を。議案審議の形式的なおもしろさです。

 この予算、全額国庫からなのですが、国からは年内に支給するように要請がありました。事務処理を間に合わせるためには12月上旬に可決が必要です。
 そこで14日の本会議で、提案に引き続き質疑に入り、委員会付託を省略して即決(即時に採決)しました。

 通常の補正予算は、14日に提案の後、18日開催の本会議で質疑を行い、予算決算常任委員会に付託されて審査、25日の本会議で採決する流れです。

 こういう場合、議案は即決を必要とするものとそれ以外で分けられます。今回なら上記でご紹介した即決分を補正予算8号、それ以外を9号として別の提案になっています。

 このとき、補正予算9号は8号が可決されていることが前提になって編成されていますよね。とすると同時提案はできません。
 議会での流れとしては、8号を可決したのち、9号の提案を受けることになります。

 議案提案には議会運営委員会での承認が必要です。そこで形式的にはなりますが、本会議で8号を可決後、いったん休憩して議会運営委員会を開いて9号の提案を承認、本会議を再開して9号が提案されるという流れになります。
 14日当日議会をご覧になられていた方は、なんのために休憩をとるのだろうと思われたかもしれませんが、このような次第なのです。

 閑話休題。

 補正予算9号に含まれるコロナ対策関連予算を以下にご紹介します。

・地域公共交通新型コロナウイルス対応型運行支援補助金 135万円

 ステイホームの影響で路線バスの乗車人員も減少しています。だからといって減便となると1便あたりの輸送人員が「密」になる可能性がある。そこで減便を回避するために1月から3月にかけての2カ月間、運行に必要な燃料費や人件費の半分を補助しますという制度です。もとにあるのは県の施策ですので、他市町でも同様の予算があがっているかと思います。

 県と市で同額ずつ補助するので補助額は市の予算の2倍の270万円。1/2補助なので実際に事業者が負担する燃料費や人件費は約540万円ということですね。
 ということはひと月あたり270万円ほどが路線バス運行の燃料費・人件費と見積もられていることになります。これ、根拠はどこにあるのかな。要確認。

・事業者への感染拡大防止対策支援 39万円

 事業者というのは障がい者を対象にした福祉サービス事業者です。地域活動支援センター訪問入浴サービス事業所移動支援事業所などをいいます。こうした事業所で消毒液や防護服など、感染防止のための備品を購入する経費を助成(10/10)するもの。

・新型コロナウイルス感染症対応従事者慰労金交付 135万円

 厚生労働省の事業で、医療機関の従事者に対する慰労金です。ミルネにある休日応急診療所7名及びこども発達支援センター内の相談支援事業所まごころ2名、通所支援事業所もみじ18名合計27名に各5万円ずつ。支払元は兵庫県国保連合会になりますので、財源は国庫でも県でもなく「国県外交付金」と呼称されます。
 なお、青垣診療所27名についても交付されますが、こちらは一般会計ではなく特別会計(国民健康保険特別会計直診勘定、訪問看護ステーション特別会計)から支出されます(27名×5万円で135万円)。

・認定こども園の感染拡大防止事業補助金 450万円

 延長保育及び一時保育を実施する市内の認定こども園で、マスクや体温計、空気清浄機等を購入するための費用を補助(10/10)するものです。1園に付き50万円、延長保育8園、一時保育1園が対象です。

・新型コロナウイルスワクチン接種体制確保事業 230万円

 ワクチン接種が可能となった際、速やかに実施するために今から準備を整えるもの。予診票や接種クーポン券送付用封筒の印刷、予防接種実施判定システムの改修費が含まれます。

・感染拡大防止等支援事業 33万円

 休日応急診療所に空気清浄機を購入する費用です。国県外交付金43万円が見込まれています。交付金の方が多い分、一般会計から減となっています。当初予算で被服費として10万円があげられていましたが、これも交付金の対象になったということかな。

・看護学生支援 39万円

 看護学校の学生に対し、日本学生支援機構の交付金を活用して「たんば共通商品券」を配布するもので、3,500円×111人を見込んでいます。

 あと、補正では当然「減額」も対象になります。

 今回、国からの10万円の定額給付金事業が完了しました。その結果、不用となった4,690万円及び事務費補助金2,947万円が(収支とも)減額となっています。

 また、商工業関連の支援では、最大限に見込んでいた企業数からの減少が目立ちました。結果、2億2,673万円の減となっています。
 以下がそのおおよその内訳です。申請のハードルの問題ではなく、影響を受けた企業の少なさを反映しているのなら良いのですが。

  • 信用保証料補助
    上限50万円で150社を見込んでいました。38件で1,400万円の実績、1,600万円減。
  • 雇用調整助成金申請費補助
    上限10万円で50社を見込んでいたところ、40社340万円でした。
  • 事業継続応援事業
    10万円で3,000社を見込んでいましたが、1,340件の交付でした。1億6,000万円減。
  • 店舗等家賃補助
    2カ月分20万円上限で300社分を見込んでいましたが、185件2,800万円の交付でした。3,000万円減。
  • 休業要請事業者経営継続支援
    一次二次合わせて130万円(個人事業主は半額)を支援するものでした。198件2,665万円(市の負担は1/3なので実際の支援額は7,995万円)の交付で、3,200万円減。
  • 販売促進支援事業
    上限20万円で150社を見込んでいました。161件の応募で上限に達し、申請を締め切りました。

 以上、新型コロナウイルス感染症対策関連予算でした。

 次のページで、その他の補正予算の項目についても主だったものを見ていきます。

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