4年間の議員活動を振り返る

 「市民が、主役」をキャッチフレーズに政治家になって、はや4年が経ちました。

 4年前、「市民のみなさまへのお約束【2016】」を皆様に示しました。丹波市が向かうべき方向性として、「市民と行政の協働を促進」「共感を広げるしくみを構築」「多様性を大切にする社会の実現」を3つの柱として提示しました。

 では、その約束を果たせたかどうか。残された課題は何か。

 この機会に自己評価をいたします。

市民と行政の協働は進んだか

 1つ目の柱「市民と行政の協働を促進」は、市民と一緒になってはたらく行政の実現です。これには2つの側面があって、ひとつは職員の能力を発揮できる行政に変革すること。もうひとつは、市民の活躍を応援する体制を整備することです。

 この視点から、3つの約束をしました。「1.市民の側に参画する行政」「2.市民応援プラザの開設」「3.元気な民間との協働」です。

 このうち「2.市民応援プラザの開設」は「市民プラザ」として実現し、さらに「市民憲章」が制定され、市民が主役となるよりどころの明文化が進みました。

 市民の活躍を実務で落とし込む「3.元気な民間との協働」では、なにより市民プラザの運営は今後NPOに委託される方向で進められています。
 一方、民間が活躍するためには行政データを使いやすくすることが必要です。丹波市でも「オープンデータ公開」が実現、民間がデータを活用して創意工夫する土壌が整いました。

 職員が生き生きと活躍できる組織風土改革を目指す「1.市民の側に参画する行政」では、まずはできる職員さんを市長が認めることと提言し、「丹波情熱人大賞」という職員表彰制度が導入されました。
 しかし、大きな改革が残されています。議会の改革です。これまでの市議会で目立ってきた事務手続きを突くような小さな質問ではなく、政策論争を交わせる議会にならなくてはなりません。職員さんが議員を恐れて委縮するのではなく、議員との論争を楽しみにしてくれる討議の場としての議会へ。一期目は先輩議員を尊重する思いもあって、思い切ったことができませんでした。

 そういうわけで、1つ目の柱については、一定の成果を得ました。ただし議会改革を中心に未達もあり、85点で自己採点。

持続可能な経済社会は築けたか

 2つ目の柱「共感を広げるしくみを構築」は、マーケティング目線での経済産業政策の導入です。
 これについて具体的には、「1.課題を解決し発信する横断的な組織」「2.食卓からの農業振興で食産業を創造」「3.丹波市に持続型社会のモデル」という3点をあげました。

 このうち「1.課題を解決し発信する横断的な組織」については、「シティプロモーション推進室」ができて取り組みが進められました。期待していたのですが、流入人口など観光振興と同様の指標をゴールとしており、何度か提言したものの、残念ながらそのままとなり、組織も役割を終えました。

 農業の未来を担う「2.食卓からの農業振興で食産業を創造」については、道の駅丹波おばあちゃんの里のテコ入れが始まったのは大きな成果です。「これからの丹波市の姿」で紹介した提言が活かされました。農業振興の拠点でもあり、今後の役割が期待されます。
 一方で、6次産業化や家族農業の力の結集など、農業を雇用型産業に転換するには残された課題も多いと考えています。

 丹波市の里山文化を活かそうとする「3.丹波市に持続型社会のモデル」については、なによりもその基礎として「SDGsのある丹波市の未来」で紹介したSDGsを丹波市総合計画後期基本計画に反映できたことは成果です。
 これにもとづく具体策についてはこれからの課題です。

 そういうわけで、方向性として着手できた点では合格ですが、具体策でまだこれからのものも残っており、78点とさせていただきます。

多様なはたらき方や生き方、子育てを支えてきたか

 3つ目の柱「多様性を大切にする社会の実現」は、氷上回廊がもたらす生物多様性や社会の多様性を丹波市の誇りとして活かしていくことです。
 その上で、「1.ITを活用したワークスタイル」「2.丹波の森を子育てや交流に活用」「3.多様性を市民の誇りに」という3つの手段を示しました。

 まず「1.ITを活用したワークスタイル」については、コロナウイルス禍のいま、まさに求められるようになりました。丹波市でもようやく「デジタル市役所基本構想」が策定され、教育の場での「GIGAスクール構想」も進んでいます。さらに医療分野でも「医療介護情報連携システム」の整備が進み、健康寿命延伸モデル都市としての実験的取り組みも始まりました。

 次の「2.丹波の森を子育てや交流に活用」では、「子育て支援公園整備基本計画」が取りまとめられました。これまでバラバラに進められていた公園の整備が、子育てという目線で統一されたのは大きな進歩です。ただし、森の活用はまだこれからですね。

 そして基本となる「3.多様性を市民の誇りに」については、氷上回廊水分れフィールドミュージアムの改装が進んでいます。今後、条例制定なども含め、市民への浸透が望まれるところです。

 そんなわけで、3つ目の柱については90点。

議会での質問や質疑を通した政策の実現

 少し高めの点数になったかもしれません。4年前の約束をもとに、こうして具体的に成果を示せるだけ、仕事はしっかりさせていただいたと自負しています。決して浮かれたり満足しているわけではありませんが、これで欠点をつけると、一般的な話として議員として何を成果と考えるのか問わざるを得ないと思いまして。

 議員にとって皆様との約束を実現していく手段は、議会での質問を通してになります。特に定例会ごとに与えられる「一般質問」の時間は重要です。

 通常、議会での議員の発言は、当局から提示された議事に対する「質疑」しかできません。しかし定例会ごとに各議員に1時間(答弁時間含みます)を与えられる「一般質問」は、議員側からテーマを設定し、当局に質すことができるのです。

 以下に、4年間に行った一般質問の一覧表を掲載し、それがどのような成果に結びついたかを示します。上述した内容と照らし合わせていただければと思います。
 なお「-」と入っているのは目立った成果を得られなかった質問です。

 お約束した以外のことも含めた4年間の総括としては「議員活動報告04号(2020年10月)」がより分かりやすいかと思います。

 みなさんに支えられてこそと、あらためて感謝しています。ありがとうございます。

小橋昭彦一般質問一覧

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