丹波市を寛容性のあるまち、多様性のまちに

議会の開会中はなかなかブログも書けないぼくです。
昨日は市長が職員さんのお葬式に参列するということで、午前中を30分延長、午後は14時半からと変則的な日程が組まれました(ご冥福をお祈りします)。一般質問は予定通り、7人が演台に立ちました。

今日も7人の予定です。そして、いよいよ明日はぼくも2度目の一般質問。朝一番、9時からですので、お時間が合えばぜひ傍聴にいらしてください。氷上庁舎の3階、予約は必要ありません。

先のブログでお知らせしたとおり、次の一般質問は、選挙にあたって掲げた3つの柱の3番目、多様性のある社会の実現について質問する予定です。

質問の主旨は単純。「丹波市を日本一の多様性のまちにしませんか?」です。まずは市長に「丹波市は多様性日本一(を目指す)」と宣言してもらいたいと思います。
答弁は「します」か、「しません」か。当日のお楽しみ。

さて、多様性には、「さまざまな生き物」「さまざまな文化」「さまざまな人材」「さまざまな働き方」「さまざまな挑戦」「さまざまな暮らし」いった幅広い側面があります。
抽象的な概念でもありますが、ただ価値観の問題ではなく、地域活性化につながる話として提案します。

どういうことでしょうか。

手がかかりになる知見に、社会学者のリチャード・フロリダによる『クリエイティブ・クラスの世紀』があります。
クリエイティブ・シティと呼ばれる、日本でも文化庁の支援のもと「創造都市ネットワーク日本」が組織されるなど、地域活性化の面で注目されている概念を掘り下げた書籍です。

先に「クリエイティブなまちは『したて』が重要」でも書きましたが、フロリダは同著で、経済成長には3つのTが必要であると述べています。Technology(技術)Talent(才能、人材)、そしてTolerance(寛容性)です。
技術開発や人材が必要なのは分かりやすいですが、「寛容性」に着目しているところが、都市社会学者フロリダならではの視点です。
彼は言います。

私の研究では、(中略)寛容性を持つ地域と、高い経済成長を経験している地域との間に強い相関関係があることを認めている。このような地域は二つの点で経済的に優位である。第一に、その地域の人々のクリエイティブな能力を広範囲に利用していること、第二に、その地域で受け入れている多くの移民の力を利用していることである。

技術を持った企業や才能のある人材は流動的です。世界をまたにかける側面がありますよね。
そういう企業や人材がどこに拠点を定めるか。それが、「寛容性」のあるまちです。とんがった技術や才能は得てして異質ですが、互いを認め合う寛容性の高い社会の方が、そうした企業や人材は居心地がいいですよね。

リチャード・フロリダは、これからは「クリエイティブ産業」の比重が大きくなると言っています。クリエイティブというのは創造性のことですが、創造産業を担うのは芸術家やプログラマー、研究者だけではありません。
農林業にせよ商工業にせよ、現状からさらに発展させるには六次産業化や革新的な事業承継など創造的破壊が必要です。これを担うのも創造性です。
クリエイティブ・シティであることは、21世紀を生きる必要条件かもしれません。

実は、丹波市の近隣にある篠山市や豊岡市、舞鶴市は「創造都市ネットワーク日本」に参加しています。
丹波市にそれを求めるものではありませんが、リチャード・フロリダの知見を参考に、丹波市ならではの方法で「3つのT」、なかでも「寛容性」をまちに根付かせて、発展の可能性を逃がさないようにしたいと願っています。

まちに寛容性を育むためにどうするか。ぼくなりの提案が、「多様性のあるまち」を目指すことです。
丹波市だから宣言できること、それが「多様性日本一」。また稿をあらためまて詳述します。

こちら、リチャード・フロリダの『クリエイティブ・クラスの世紀』。ちょうどソトコトの最新号も「多様性」特集でした。

再質問、議会での議論の活性化のカギは?

一般質問における再質問の話。
議員側が、執行部の答弁をさまざまに予測し、再質問の準備をすることは前述の通り。

ただ正直、思うのですが再質問で事例や数字を準備するのって、なんとなく落ち着かないですね。執行部はその事例や数字を初めて目にするわけで、抜き打ちしているような気がしてしまいます。

といって一般質問の通告段階で資料を膨大につけるのもはばかれますし、やはり当日の配布資料として準備するのが妥当なところでしょうかね。

ちなみに追加の配布資料については、各議員が印刷代を負担しなくてはなりません。幸い、議員側はタブレットに入れて共有する形にすることで印刷代をセーブできます。執行部にもタブレットを導入すれば、追加資料配布に気づかいしなくていいかも。
余談ですが、会派内で共有したい資料など議員活動と密接に関係する資料でも、コピー代は有料です。政務活動費(月額1万円)があるのだからそれで支払いなさいってことです。このあたり、議会事務局はしっかりしております、はい。

ところで通常、執行部が一般質問の場でできるのは「答弁」だけです。しかし「反問権」が認められていれば、議員に対して疑問点を尋ねることができます。
これがあれば、たとえば市長から議員に対して「その〇〇はどういう主旨か」などと問い返すことができるのです。

反問権があれば、一般質問におけるやりとりをより深められますね。というわけで、丹波市議会でもこれまでの議会改革の中で、「反問権」が導入されています(全国ではまだ6割くらいだとか)。

丹波市議会基本条例から関連部分を引用しておきましょう。

第11条 議員と市長、その他執行機関及びその職員(以下「市長等」という。)との関係は、緊張関係の保持に努めなければならない。

  1. 議員と市長等の質疑応答は、広く市政上の論点及び争点を明確にするため、一問一答の方式で行うことができる。
  2. 議長から本会議及び委員会への出席を要請された市長等は、議長又は委員長の許可を得て、議員の質問に対して反問することができる。
  3. 議員は、会期中又は閉会中にかかわらず、議長を経由して市長等に対し文書質問を行うことができる。この場合において、市長等に文書により回答を求めるものとする。

考えてみれば、市の業務執行を追及するタイプの質問であれば、当局側は答弁に徹することができます。一方で、提案型の一般質問が増えてくると、主旨をつかむためにも、執行部から議員に問い返すことが増えてくるものと想定されます。

これまで丹波市議会で反問権が利用された回数はそれほど多くないですが、今後は、議員にも政策立案能力、政策実現能力が求められるところでもあり、一般質問の場で市長から議員に反問するケースが増えてくるかもしれません。
むしろそうあることが、議会の活性化につながるようにも思います。

もっとも、そうすると反問で時間が過ぎてしまう可能性もあるので、質問と回答往復で60分という制限を、質問だけで20分とか30分といったように制限方法を変える必要があるかもしれません。(追記:丹波市議会では反問の間はカウントダウンが止まるとのことです。)
現在丹波市議会では、議会基本条例の目的が達成できているか見直し、必要なら改革もしていこうと、議会運営委員会で進めています。開かれた議会に向け、ぼくもいろいろ考えていきたいと思います。

さて、ぼくの質問の要旨は「一般質問の組み立て方~マーケティングとイノベーション解題」で書きました。
これに対して、再質問にあたって触れた先行事例などは次の通りです(一部紹介しきれなかったものもあります)。

シティプロモーション
千葉県流山市「母になるなら、流山市。」プロモーションは有名です。専門の人材を採用しての取り組みですね。福井県鯖江市の「ゆるい移住」もユニークな事例。満点を狙うんじゃなく、失敗してもいい気持ちでとんがっていかないといけないです。
市民参加型プロモーション
福井県鯖江市の女子高校生がプロジェクトを行う「JK課」が有名ですが、他にも奈良県生駒市「いこまち宣伝部」、千葉県酒々井(しすい)町「YOUNG EYES」、福岡市カワイイ区(Facebook、現在では休止?)などの事例があります。みんなが参加したくなるような土壌づくり、ソーシャルな目線へのセンスは必要な気がします。
企業との協働の推進
丹波市ではホームワーカーズコミュニティ株式会社、NECさん等と総務省のふるさとテレワーク推進事業を行っていますが、こうした企業との協働をどんどん取り入れていくべきと考えています。たとえば、岐阜県美濃加茂市はドローン活用についてそのトップ企業であるDJIと取り組んでいますし、埼玉県横瀬町は、Dropbox等の企業と「よこらぼ」と名付けた実証実験を行っています。長野県塩尻市は「MICHIKARA」と名付けた官民協働事業を行っています。近くでは、京丹後市のUber実験も気になりますね。
市民が主役の事業
横浜市「共創推進室」での「共創フロント」という、公募型の課題解決の取り組み。予算ゼロの公募もありと、けっこういけてます。鯖江市も「提案型市民主役事業」をやっていますね。実は丹波市でも事業ごとの評価シートを作っていますし、外部委託も進んでいます。「市民活動課」を「市民主役課」にでも改名して個別事業の民間公募を一元的に管理、協働の窓口を分かりやすくするだけでも一歩前進ですが、どうでしょうね。
スーパー公務員
地域に飛び出す公務員ネットワーク」に参加して全国の職員さんと情報交換するような、前向きな方がどんどん出てきてほしいと願っています。塩尻市、鯖江市、海士町など、そうしたいきいきした公務員さんがいらっしゃいます。丹波市でも、まずは若手公務員さんの間で自主的勉強会が生まれるような動きを期待しています。

先日「TAMBA地域づくり大学」に参加して福井県鯖江市を視察に行きました。職員さん、外部の協力者みな、市長に親しみを感じている様子が伝わり、感銘を受けました。「何もやらないと叱られる」「反対されるほどやる」「とにかく挑戦しないといけない」という言葉が何度も出てきて、挑戦する文化が市役所内、そしてそこに協力する市民に根付いているんだなと印象的でした。鯖江はずっと人口が増えているまちです。

答弁から再質問へ~ここからが勝負!?

さて。一般質問に対して執行部が作成した答弁書。

議員がその内容を知ることができるのは、当日本会議での質問を終え、質問者席に着いたときです。
答弁原稿が、質問者席の隅に印刷して置かれています。これをおもむろに手に取って、目を通しつつ答弁を聞きます。(当人以外の議員には共有されません。)

ぼくの場合、自分の質問から市長による答弁が終わるまでで、20分強を費やしたでしょうか。全体の持ち時間は、回答時間も含めて60分。
すでに20分を費やしているので、残りは40分。ここからがいわゆる「再質問」の時間です。自分が実現したいことを深めていく時間。

実はですね、新人議員の間ではこんな心配をしていたんです。
執行部が満点の回答をしたら、答弁を聞いて「わかりました」とあっさり終わっちゃうんじゃないって。
60分すべて使う必要はないのでそれでもいいのですが、あっさり終わってしまうと議論が深まらず面白くない。というか、質問が浅すぎるということかもしれない。

そんなわけで、それぞれなりに再質問のネタを準備して当日に臨みます。
質問に関連した具体的な統計を調べたり、先行事例を調べたり、あるいはより詳細なプランをただす質問とか。
答弁内容がどうなるかわからないので、さまざまに想定して準備します。

この再質問、今ではほとんどのケースで、「一問一答方式」がとられています。質問と回答を一件ずつやりとりする形で、日常生活における会話に近い形式です。
以前は「一括方式」と言って、最初の質問及び答弁と同じく複数の項目を一括して行う形式をとっていたそうですが、議会改革の流れの中で、より分かりやすく、深まりやすい形に変わりました。

全国市議会議長会の調べによると、現在では個人質問を実施した803市のうち702市が一問一答制を採用していますが、平成14年の段階では導入率は15%程度とのことなので、一問一答方式への改革は、およそここ15年ほどの流れですね。
なお、丹波市と違って、最初の質問と答弁の段階から一問一答をとっている自治体も多いようです。

ただ、気を付けなくてはいけないのが、一問一答の場合、準備した内容にとらわれちゃうと、答弁とかみ合わない再質問をしてしまったりしかねないことです。
だから、答弁を聞いた後、頭をフル回転して、当意即妙の再質問が必要。

その場の発言から瞬時に次の展開を考えるこの作業、シンポジウムのコーディネーターや会議のファシリテーションを多くしてきたので慣れているつもりではあるのですが、やはり緊張しました。
再質問の詳細は次回に書きますが、先に今回の反省。
理念レベルでの確認に終わり、具体策まで落としこめなかったです。市長のお手並み拝見の思いがあって、遠慮したところがありました。

とはいえ、市長からは直轄の「シティプロモーション」部署を作るとの話があり、マーケティング部門として、この部署の実効性に期待するところではあります。「シティプロモーション室」とかじゃなく、とんがった名称を期待したいですが。

イノベーションについては、思いが一致したように思います。
スーパー公務員を生むために市長賞をという提案も検討いただけるようです。また、「良い意味での公私混同」を職員さんに勧めているとのことでもあります。
これは、具体的な動きを今後期待しますし、良い意味での「私」なところで、スーパー公務員の卵を産む仕掛けを促してもいきたいとも思います。

今回はそうはなりませんでしたが、一般質問でのやりとりからニュースが生まれるような展開になれば、議会への関心も高まるのかもしれませんね。
先輩議員も、自分たちの一般質問から新しく市政に取り入れられたものが多いと言われていました。具体像に結び付ける再質問にすることは、遠慮がちなぼくにとって今後いっそうの課題。がんばらなくては。

質問者席に置かれた「答弁書」。最初の答弁は基本的にこれが読み上げられますので、大きな文字で印刷されています。

一般質問の組み立て方~マーケティングとイノベーション解題

再質問の話に入る前に、一般質問についてもう少し。

ときに「議員は市政のチェックが仕事だからやりたいことを実現できないのでは」という質問をいただくのですが、ぼくはそう思いません。
一般質問を通して、やりたいこと(公約)を実現することができると考えています。

ぼくはかねて市民が主役のまちを実現するため、「市民と行政の協働を促進」「共感を広げる仕組みを構築」「多様性を大切にする社会の実現」の3つの柱(及びそれぞれに3つずつ計9つの具体策)を訴えてきました(「市民が主役のまちへ」参照)。
一般質問は、それを軸に組み立てる計画を立てました。

質問の骨子を作り始めたのは、市長の所信表明を聞いた後です。所信表明の文脈をふまえて質問を組み立てる方が議論がかみ合うと考えたからです。
幸い、谷口進一新市長は企業視点の重要性を意識されており、「マーケティング」という言葉を所信表明で用いられていました。
その背中を押しつつ、自分なりにこの15年間市民の方々とともに積み上げて得た知見を活かしてもらうことが、目指すまちの姿を実現する近道と考えました。

3つの柱のうち「多様性を大切にする社会の実現」は具体像になるので3月定例会に回すとして、そしてまた、初回ですから具体的方策よりも、方策を実現する土台となる、組織作りと当事者づくりに焦点をあてることにしました。

取り上げたのは、「共感を広げる仕組みを構築」するためのマーケティング、「市民と行政の協働を促進」するためのイノベーションのふたつです。

さて、日本で人気が高い経営学者ピーター・ドラッカーに『マネジメント』という書籍があります。『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーのマネジメントを読んだら』という映画化もされたベストセラーがありましたので、そちらを通してご存知の方が多いかもしれません。

この書籍でドラッカーは、企業の目的は利潤ではないとした上で、「企業の目的は、顧客の創造である」と述べています。
これは日本マーケティング協会による「マーケティング定義」にもあるのですが、「顧客」は、単にモノを買う人だけではなく、地域住民まで含めた幅広い意味を持ちます。

ところで丹波市は、総合戦略において2060年における総人口5万人程度を目指すとしています。何もしないと3万5000人になるという予測から、相当の上積みを狙うわけです。
これを達成するためには、この先、丹波市に関心を持つ人を増やし、その関心を愛着へと育み、このまちに暮らしたいと考える「顧客」を創造することが欠かせません。

ドラッカーは、先の「企業の目的は、顧客の創造である。」に続けて、こう言っています。「したがって、企業は二つの、そして二つだけの基本的な機能を持つ。それがマーケティングイノベーションである。」と。
カタカナ用語が出てきましたが、ビジネス用語としては一般化されている言葉なので、日本語にしようがありません。ここは図解フリップで用語解説を補足しました。図は「議会は一般質問がおもしろい! かもしれない(^^」で紹介していますので参照ください。

要点を述べるなら、マーケティングは顧客との相互コミュニケーションを通して顧客満足を獲得し、市場を広げていくことです。
イノベーションは、現在はまだ顧客自身にも見えていない新しい価値、新しい満足を生み出すことを言います。

丹波市ファンを増やすためにマーケティングが欠かせないのは自明でしょう。
また、このままだと急減する人口を一定程度に保つという、いわば不連続な未来を作ろうというのですから、これまでの政策にないイノベーションも重要になってきます。

今回の質問で「マーケティング」と「イノベーション」を取り上げた理由、それは、丹波市にこの両輪を着実に働かせ、「顧客の創造(=定住人口の創造)」を図りたいと考えたからにほかなりません。

当日は上記のような話を前段に述べた後、いよいよ「市政へのマーケティング視点導入について」と「協働と参画によるイノベーションの創出について」のふたつの柱についての質問に入りました。

前段については当日のアドリブも入れましたが、後段の質問文については、答弁ともからみますので、できるだけ事前の通告文に忠実に質問しました。
特に確認したかったのは次の4点です。

  • マーケティングの位置づけ
    市長の所信表明からは、マーケティングという言葉が、市民の満足度を高めることに矮小化されている可能性を感じました。それはもちろん大切ですが、加えて、市外からのファンを増やす攻めの部分でマーケティングを活用すべきではないかと問いました。
  • マーケティング専門部署の設置
    丹波市をマーケティングしていくには専門部署が必要です。ただし、イベントの実行を目的とするような近視眼でない目的をもった組織として。
  • 職員のイノベーション精神
    失敗を恐れず、新しいことに取り組む職員さんを増やしてほしいと願っています。丹波市からもスーパー公務員が生まれてほしい。その後押しをできないかと質問しました。
  • 市民との協働の促進
    課題の最先端は現場にあります。なので職員さんには、現場に出て市民とともにイノベーションを生み出してほしい。それを促す仕掛けを問いました。

ドラッカーの著書『マネジメント』と、関連書『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーのマネジメントを読んだら』。当日はこうした書籍も議場に持ち込んで紹介しつつ質問にあたりました。

質問から答弁へ、1月の石段の風景とともに

前回の「いない相手に向けて質問をする」に関連して、質問を演壇からしないという自治体もあると聞いたので、調べてみました。
丹波市のような方式をとっている自治体は約3割、また約2割は最初は演壇、再質問からは自席で行うスタイルだそうです。これも同様と考えれば、およそ半数が最初は演壇、再質問以降は質問席ないし自席からということになります(全国市議会議長会調べ)。

調べついでに、地方自治法を再読。議決機関である議会に対して、行政側は「執行機関」と呼称していますね。一般には「執行部」と呼んでいることが多いようなので、ぼくもこれからそう表現するようにします。

さて、議員からの質問が終わり、演壇を降りて質問者席に着くと、いよいよ市長の答弁です。

市長の答弁は、質問に対して一括して行われます。質問項目が複数あっても、質問する側も回答する側もまずは一括して行うわけです。
内容によっては、「何々の件については教育長から」と分担される場合もあります。その場合は市長に続いて、たとえば教育長が演壇に立ちますが、答弁が一環した流れとして行われることには違いありません。

議員からの質問原稿を事前に事務局に提出することは、以前お伝えした通りです。
これを受けて執行部は、最終的には市長が読み上げる答弁書であっても、質問内容にふさわしい部局に回答の執筆を振ります。

質問の通告締切から一般質問を行う本会議までは、およそ2週間。この2週間で、執行部は答弁を調整し、文案を練るわけですね。

この質問を提出してから本番を迎えるまでの間、庁舎で出会った職員さんから「さすがですね」と声をかけられたりして、おやおや、質問内容ってけっこう読まれているんだなと驚きます。
ところがね、議員間では他の議員の質問書を共有する仕組みはないのです。質問当日になってようやく手元のタブレットにその人の質問書が配信されます。

これではいけないので、所属する会派「丹新会と維新」では、次回からは事前に質問内容について情報共有しましょうと相談した次第。新人だけだと、こんなとき後追いの反省になっちゃいますね。
余談になりますが、会派内で情報を共有し分担しあうことで、それぞれの議員が得意分野に特化していくことも必要だと先輩から助言もいただきました。

それにしても。
自分たちには共有されていない質問内容が職員さんには共有されている、この感覚はちょっと不思議でした(良い意味で)。

ここに紹介するのは、今も記憶に残る、職員さんからお声がけいただいたうちの、ひとつの光景です。

ぼくは議事堂からの帰り、庁舎外の石段の途中で振り返り、声をかけていただいた階段の上を見上げています。雲にかげった午後の日差し、1月のひんやりした空気。

きっとずっと覚えているんだろうと思います。そして今後質問書を書くとき、この風景に向けても思いをはせて書くような気がします。

こちら、市議会のIT化として各議員に貸与されているタブレットの文書共有システムです。資料は基本的にこれで共有されます。ペーパーレス化の効果、年間100万円以上は出ていると聞いています。