3月議会が始まりました(その4 はたらき方改革編)

 「3月議会が始まりました(その1 豆知識編)」「3月議会が始まりました(その2 新条例編)」「3月議会が始まりました(その3 生活編)」と続いた議案解説。
 今回「3月議会が始まりました(その4 はたらき方改革編)」でいよいよ最終回です。

 あ、とはいえ実はまだ予算案という大物が控えていますし、平成30年度の補正予算もあります。3月定例会の議案解説はまだまだ続きます。

職員さんのはたらき方改革

 3月定例会では、はたらき方改革関連も出ています。

 国で「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律(厚労省のサイト参照)」が制定されましたよね。ポイントのひとつは残業時間。これまで法律では定められていなかった上限が定められました。
 国家公務員についても人事院規則が改正され、法律の主旨に添った上限が導入されました。

 さて、そうなると地方公務員法に「均衡の原則24条4項)」と呼ばれる記述があります。「職員の勤務時間その他職員の給与以外の勤務条件を定めるに当つては、国及び他の地方公共団体の職員との間に権衡を失しないように適当な考慮が払われなければならない」と。

 ということで、議案17号「丹波市職員の勤務時間、休暇等に関する条例の一部改正」です。同条例に「超過勤務については規則で定める」旨の項を追加し、別途規則に上限を定めます。俗に「規則委任」と呼ばれる条例スタイルです。規則に定められる主な内容は次の通りです。

  1. 月45時間、1年360時間以下
  2. 自律的な管理が難しい部署では月100時間、年間720時間以下(ただし6カ月平均で80時間以下、45時間を超える月数は6カ月以内)
  3. 大規模災害対応等の例外、例外は事後的に検証すること

 超過時間については、現状とその運用効果は確認必要ですね。
 また、実は「自律的」「他律的」って定義しづらいなぁと思います。企画的な仕事が自律的ってのは分かりますが、それでもその企画について議会対応(苦笑)で残業して修正する必要が出たとなると、他律的ですよね。個別の残業命令ごとに判断せざるを得ないとは思いますが、難しい課題です。

 同様に、人事院規則が改正されたことに伴い、議案18号で「丹波市職員の給与に関する条例」を改正し、宿日直手当の上限を4,200円から4,400円に引き上げられます。
 ただ、丹波市では現状宿日直はありません。シルバーさんに委託しているからです。
 災害派遣研修などで県に派遣された場合などには想定されるため、派遣先でのことを見越してのものです。

専門的人材の活用に向けて

 専門業務の人材が求められる社会背景から、学校教育法が改正され、専門職大学・専門職短期大学が制度化されました(官邸資料参照)。
 これに伴い、専門職大学の前期課程を修了した者に対して、短期大学の学士が授与されるようになりました。

 とすると丹波市で任用する職員の資格要件をこれに合わせる必要があります。議案31号「丹波市廃棄物の適正処理、減量及び再利用に関する条例の一部改正」は技術管理者の資格にこれを加えるもの。
 議案47号「丹波市水道事業布設工事監督者の配置基準及び資格基準並びに水道技術管理者の資格基準移管する条例の一部改正」も同じ趣旨で、布設工事監督者や水道技術管理者の資格にこれを加えるものです。

 休日診療所の管理担当医師さんにお支払いする報酬額も上がります。

 議案35号「丹波市特別職に属する非常勤の職員の報酬及び費用弁償に関する条例の一部改正」。年間の管理医師は年額40万円から45万円に。昭和57年から変わっていなかったそうですから仕方ないことと思います。ただし、これで適正なのか、算定根拠などの確認が必要ですね。

 なお、休日出勤の日額8万円は変わりません。これまで連休加算があって、その期間は日額11万円でした。このうち年末年始は12月30日から1月4日と変わりませんが、5月6日までとしているゴールデンウィーク期間の始まりを、これまでの5月2日から4月28日に変更します。昨今の大型連休化を反映した改正で妥当なところですね。

 いや、ほんと長くなりました。 「3月議会が始まりました(その1 豆知識編)」「3月議会が始まりました(その2 新条例編)」「3月議会が始まりました(その3 生活編)」「3月議会が始まりました(その4 はたらき方改革編)」、以上、通常議案の紹介でした。

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