「丹波三宝」をめぐって

丹波地域の秋はイベント目白押し。10月28日は、そんなイベントをはしごさせていただきました。

午前中は、薬草薬樹公園での「漢方の里まつり」で、同じ会派の仲間と「丹新カフェ」。議員が人の集まるところに出かけていってお話を伺う取り組みです。この日は小学生が来てくれて、「議会って知ってる?」なんて話から給食の話になり、ぼくも気になっていたことを聞いてみました。

「1年に1回ぜんざいを食べる日があるよね」
「あるある」
「あのぜんざい、何が材料か知ってる?」
「知ってる。丹波大納言小豆」
「おお、そこまで知ってるんだ」
「うん、三宝の」

そんなやりとりから、小学校で丹波市の特産についての理解を深める教育が根付いていることを実感。(一方でサッカーボールが蹴れる公園が欲しいなんて要望もいただきました。)

そんな発見を胸に丹波の森公苑に移動して、昼は「丹波GOGOフェスタ」「丹波の森フェスティバル」「丹波市産業交流市」、そして「丹波三宝スイーツフェスティバル」です。
それぞれのブースでお話ししていると、いろいろ学ぶことがあります。スイーツフェスティバルの会場では、観光協会の柳川会長らと午前中の小学生との会話を紹介したりして意見交換。

丹波三宝ブランディングに必要なこと

実はぼくは「丹波三宝」という素材そのままで売るアプローチはあまり良いと思っていません。
というのは、ひとつには食卓で見える形で消費者にブランディングすることが必要と考えるからです。またもうひとつの理由として、小豆や黒豆、栗を農産物としてそのまま売るのでは、二次的三次的経済効果が生まれないからです(加工のための雇用を生むなど)。

その昔関わった「丹波大納言小豆ブランド戦略」で、小豆そのものではなく「丹波大納言小豆ぜんざい」としてプロモーションし、「丹波大納言小豆ぜんざいのまち」として認知されることを提案したのもその思いからでした。
丹波市に来たらぜんざい食べなきゃ、と思ってもらうマインドセット(心のあり方)を消費者の心の中に作ることを通して、素材である丹波大納言小豆のブランド価値を高める狙いです。

丹波栗、丹波黒豆、丹波大納言小豆を「丹波三宝」として売り出すにあたっても、やはり素材としてではなく、食卓を通したブランディングが必要と考えています。
丹波黒豆は、お隣の篠山市が丹波黒大豆枝豆として魅力を提案されています。丹波栗はどうでしょう。「丹波栗食べ歩きフェア」はありますが、焦点がしぼりきれていないように思います。それでは「丹波栗モンブランのまち」ではどうか。今ひとつ店舗の広がりが作れなさそうだ、などと悩んでもいたのです。

「食べたい」というマインドセット

柳川会長との話の中で、「同じスイーツでも資源を含めて売り出しているところは少ない」という指摘があって、これはあらためて発見でした。
スイーツのまちというのは人気のアプローチで、例えばおとなりの福知山市もすでに取り組まれています。今さら丹波市がやってもなぁという思いがありました。

でも。「丹波三宝スイーツ」でなら、いけそうな気がします。要は単なるスイーツではなく、どういう「しばり(ルール)」を設けて、独自の視点でPRできるかっていうことです。そういう意味で、「丹波三宝を使うこと」というのは、ひとつの「しばり」。
「丹波三宝スイーツのまち」なら、思いきれるかもしれません(しばりとしては弱いので、あと一歩ふみこんだストーリーが必要な気はしますが)。
今回、スイーツフェスティバルに合わせて作られたリーフレットで、丹波市内の店舗マップが添えられています。これなど、丹波三宝を農産物としてではなく、食のブランディング(食べるというマインドセット)につなげる第一歩として、良いアプローチですよね。

丹波市には、ブルーベリーや黒ゴマなど、売り出し中の特産品がまだまだあります。
電化製品における三種の神器(テレビ、洗濯機、冷蔵庫)に新三種の神器(カー、クーラー、カラーテレビ)があったように、丹波三宝がしっかり定着したあとには、「丹波新三宝」の活躍も期待できそうです。

「「丹波三宝」をめぐって」への1件のフィードバック

  1. 栗・小豆・黒豆の三種を丹波三宝と名付けたのは傑作だと思います。唯、丹波が「丹波市」なのか、それとも「丹波地域」なのかの拘るのは私だけなのか・・・

    この丹波三宝の丹波市内に於ける生産量は現在微々たるものしかありません。小豆の如きは、ほんの数軒の農家により栽培されており、素材として、或いは加工品として販売するにしても、丹波市に於ける農業改革の先鋒には成りえません。生産・収穫を今後どのように増やしていくかが課題です。

    更に、この三品目は日本のどこに行っても昔から栽培されている品目で、日本の他地域との品質と価格での差別化をどう付けていくのかも課題です。三品目共に、丹波市での生産量は微々たるもので、栗は茨城県、黒豆は岡山県、小豆は北海道が大きなシェアーを占めています。更に、この三品目は中国が圧倒的に生産量が多く、日本は素材としてのみならず多くの加工品も含めて大量に輸入しています。価格は日本産の10分の一、品質も改良が進み日本産と甲乙つけ難いところまで来ています。特に、一端加工してしまうと産地のブランド力が消え価格競争力での勝負になってしまいます。

    丹波市では丹波三宝協議会なる組織が、この3品目の推進に携わっているようですが、この「協会」と言う寄り合い所帯の誰も責任を取らない組織では、この三品目に依る丹波市農業及び加工販売業者の活性化には無理があるやに感じます。地方創生のメッカと称される四国の徳島県木頭村のゆず栽培とゆず加工品の全国販売は、関係者が資金を出し合い、最初から不退転の覚悟で株式会社を設立し必死の覚悟で取組をスタートし、全国的に有名な儲かる農産物取扱い事例となりました。要は、本格的に取扱い、儲かる取組にするためには推進母体となる組織そのものをどうするかも重要ポイントかと考えます。

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