これからの丹波市の姿

九月議会が始まりました。

台風の接近に伴い、定例会2日目、3日目を延期し、一般質問は今日と明日の2日間で行うことになりました。

ぼくは明日の午後一番の予定です。今回は、丹波市の将来像について、都市構造、生活圏、観光の3つの観点から質問します。

先にご紹介しておきますね。

(1)都市拠点は三軸構造で

丹波市にとって、各地の多様性を活かす考え方は重要です。現在丹波市には『都市計画マスタープラン』がありますが、そこでも「地域拠点(旧町単位)」を設定し、それぞれの特色が記入されています。

一方で、同じマスタープランでは、都市機能の拠点について、「広域拠点」と「副拠点」という書き方をされています。この書きぶりは形式的すぎないでしょうか。丹波市は、各地が軸となって、それぞれの特色を回していくべきであって、ひとつの中心を作り、それを「副」が補完するという考え方になじまないととらえています。

たとえば都市機能に「行政機能」「商業文化機能」「市民セクター機能」があるとするなら、それを一カ所に集中させるより、「氷上」「柏原」「春日」に分散させ、それぞれの軸を作った方が良いと考えています。アメリカで言えば、ワシントンに行政機能、ニューヨークに商業文化機能があり、西海岸ではシリコンバレーがあるようなものです。

そして、「市島」「青垣」「山南」にもまた、それぞれの特色をもたせて、その軸を持たせる。たとえば農業、里山、大地。二つの三角を重ね合わせて、丹波市を星のように輝かせていくのが、丹波市らしいと考えています。

(2)小学校区単位の生活圏の充実を

都市計画マスタープランでは「日常生活圏」という表現がされています。私たちが日常生活を営む暮らしの範囲くらいの意味です。

これからの高齢化社会と子育て環境を考えるとき、日常生活の基本は、(旧)小学校区の範囲と考えます。それというのは、子どもが歩いて通学することを前提に範囲が設定されていますから、お年寄りにも優しいのです。

その意味から、現在の自治協議会・自治振興会等が担う役割は非常に大きいものがあります。それぞれの小学校区で、どのような日常生活圏を形作るかの計画を、持たなくてはならないと考えるからです。たとえばどこで買い物をしてもらい、どこで集い、どこで楽しみ、どこで子どもを遊ばせ、といったような。

しかし現在の都市計画では、自治協議会はそのような役割を持つものと明記されていません。まずは都市構造の中にあり方をしっかり位置づける必要を感じます。

もちろん、それを各自治協議会で考えてくれ、取り組んでくれ、というのは無理があります。人も時間もノウハウも足りません。行政がしっかりサポートする体制を作らなくてはなりません。2019年にオープンする「市民プラザ」にそのような役割を持たせることを考える必要があります。

同時に、それぞれの小学校区単位で人口をどのように維持していくかも考えなくてはなりません。これは丹波市では「丹の里創生総合戦略」で取り組んでいますが、全市的な取り組みのため、どこか空中戦ぽくて手がかりがつかめない気がしています。

小学校区単位で、何世帯の移住が必要などと計画できれば、より成果を図りやすくなります。こうした人口ビジョンをふまえた取り組みをすることを考えても、自治協議会への手厚い支援が欠かせないと考えます。

(3)広域的視野の観光戦略が必要

丹波市ではこのほど、「丹波市観光・商工業ユニティプラン」が作られました。観光戦略もそこに書き込まれているわけですが、残念ながら、広域的な視点での観光戦略は描かれていません。

これはやはり必要でしょう。たとえば、同プランでは丹波市の観光拠点は柏原と書かれていますが、これは市内を前提としたものです。一方で、自動車社会を前提に広域的な視点から考えるなら、その意味からの観光拠点は、当然、春日IC周辺をはずせません。

考え方には二種類あって、ひとつは「GATEWAY」戦略、つまり現在城崎や天橋立等に向かう観光客の立ち寄り地点として、ちょっと寄って食事する場所として魅力を高めること。そのためには、まずは道の駅「丹波おばあちゃんの里」が重要でしょう。

もうひとつは、「RESIDENT」戦略。こちらは、丹波市に滞在する、主にインバウンドのお客様を前提にすることです。近畿圏の地図開いて眺めてみてください。北へ南へ、丹波市が扇の要となって、2時間以内に有名観光地が並びます。実はぼくも留学生をホームステイさせたときは、京都や姫路、あるいは大阪のアニメショップなど、丹波市は便利だなぁといつも感じます。

こうした方を前提として戦略を立てること。この際、丹波市が提供するのは、有名観光地の間にはさむ、ちょっとゆったりできる息抜き、あるいは、京都に行く前に彫刻や檜皮葺を学ぶとか、山陰ジオパークへ行く前に大地の仕組みを学ぶとか、事前学習的な機能など。そのように考えると、丹波市には、資源が充分ありますよね。

「これからの丹波市の姿」への3件のフィードバック

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